こんにちは。横浜市緑区にある歯医者「礒部歯科医院」です。
「インプラントの被せ物にはどのような種類があるのだろう」「インプラントの被せ物をどうやって選べばいいかわからない」といったお悩みはありませんか。
インプラントの被せ物にはいくつか種類があります。それぞれに特徴やメリット・デメリットがあるため、比較したうえで選択することが重要です。
今回は、インプラントの被せ物の種類について解説します。インプラントの被せ物の選び方についても解説しますので、インプラントの被せ物を何にすべきかお悩みの方は、ぜひ参考にしてください。
インプラントの構造
まずはインプラントの構造についてです。
インプラントは以下の3つのパーツで構成されています。
- インプラント体
- アバットメント
- 人工歯(被せ物)
パーツごとに解説します。
インプラント体
インプラント体は、インプラントとなる歯の土台になるパーツです。歯茎を切開して顎の中に埋め込みます。顎の骨に埋め込むと聞くと不安になるかもしれませんが、麻酔をして処置をするため、心配しすぎることはありません。術後は痛み止めも処方されます。
インプラント体が埋め込まれたら、顎の骨に馴染んで定着するまで数か月程度時間を置いてから次のステップに移ります。
アバットメント
アバットメントは、土台となるインプラント体と上に被せる人工歯をつなぐ役割をもつパーツです。
インプラントの治療には1回法と2回法の2種類があり、1回法の場合はインプラント体とアバットメントを同時に取り付けます。2回法の場合はインプラント体の埋め込みとアバットメントの取り付けを分けて行います。
人工歯(被せ物)
人工歯は、その名の通り人工の歯で、被せ物ともいわれています。アバットメントの上に取り付けるパーツで、完全に歯茎から出ている部分です。被せ物に使用できる素材には色々な種類があるため、ご自身に合った素材を選択しましょう。
インプラントの被せ物にはどのような種類がある?
インプラントの被せ物には、主に以下の7つの種類があります。
- オールセラミック
- オールジルコニア
- ジルコニアセラミック
- ハイブリッドセラミック
- メタルボンド
- 金属
- オーバーデンチャー
それぞれの素材にはメリット・デメリットがあるため、使用する歯の部位や予算に合わせて適切なものを選びましょう。
それぞれの素材について、ひとつずつ順番に解説します。
オールセラミック
オールセラミックは、セラミックだけで作られた人工歯です。
天然の歯のような白さや透明感を再現するのに適した素材といえます。天然の歯に近い見た目に仕上げられるため、周りの人からインプラントだと気づかれることはほとんどないでしょう。
また、セラミックは汚れが付着しにくく、変色しにくい素材です。そのため、歯の白さを長期間保てるでしょう。
オールジルコニア
オールジルコニアは、ジルコニアだけで作られた人工歯です。
ジルコニアとは人工のダイヤモンドとも言われています。ダイヤモンドのように硬くて丈夫であるため、非常に耐久性に優れているところが最大のメリットです。
しかし、硬すぎて噛み合わせの歯を傷つける可能性があるため、強く噛み締めないように注意しなければなりません。見た目も天然の歯とほとんど変わらないくらい自然で美しいです。
ジルコニアセラミック
ジルコニアセラミックは、内側にジルコニア、外側にセラミックを使用した人工歯です。強度が高いジルコニアと、天然の歯のような質感を出せるセラミックのいいとこ取りをしたような人工歯といえるでしょう。
歯の耐久性と見た目の美しさの両方を叶えたいのであれば、ジルコニアセラミックが適しているかもしれません。
ただし、オールセラミックやオールジルコニアよりも費用が高額である点はデメリットといえるでしょう。
ハイブリッドセラミック
ハイブリッドセラミックは、歯科用のプラスチック(レジン)とセラミックを混ぜて作られた人工歯です。オールセラミックやジルコニアセラミックほど審美性は高くありませんが、天然の歯のような白くて美しい見た目に仕上げられます。
オールセラミックやジルコニアと比べると費用は抑えられるため、ある程度の見た目の美しさも欲しいけれど、費用も抑えたいという方に適しているかもしれません。
ただし、変色したり、すり減ったりする点はデメリットといえるでしょう。
メタルボンド
メタルボンドは、内側に金属、外側にセラミックが使用された人工歯です。外側にセラミックが用いられているため見た目の美しさをしっかり保てます。内側には金属が使用されているため、強度に優れているところもメリットです。
ただし、金属を使用した素材であるため、金属アレルギーを引き起こす可能性があります。金属アレルギーの方は、別の素材を選択したほうがよいでしょう。また、金属が溶け出して歯茎が黒くなる可能性があることも理解しておく必要があります。
金属
全体的に金属を使用して作られた人工歯もあります。金属で作られた人工歯のメリットは、ほかの素材に比べて安価で強度に優れているところです。機能的に特に心配することはありません。
しかし、口を開けたときに金属が目立つ場合があります。また、メタルボンドと同様に、金属アレルギーの方は避けたほうがよいでしょう。
オーバーデンチャー
オーバーデンチャーは、2〜4本のインプラントで総入れ歯を支える方法です。すべての歯を失っている方には選択肢のひとつとなるでしょう。
保険が適用される入れ歯よりも費用が高い点や手術が必要になる点はデメリットといえます。
しかし、入れ歯よりも安定した噛み心地を得られる点や、全ての歯を1本ずつインプラントにするよりも安価である点はメリットといえるでしょう。
インプラントの被せ物の選び方
インプラントの種類や特徴がわかっても、結局なにを基準に選べばいいかわからない方も多いでしょう。
ここからは、歯の部位ごとに被せ物の選び方を解説します。
前歯をインプラントにする場合
前歯は最も目立つ部位です。
前歯をインプラントにする場合は、以下の素材を検討するとよいでしょう。
- オールセラミック
- ジルコニアセラミック
- ハイブリッドセラミック
ただし、どの素材も費用は安くないため、お財布と相談しながら決める必要があります。
奥歯をインプラントにする場合
奥歯は食べ物を噛む際に最も力がかかるため、強度が高い素材を選択する必要があります。
奥歯をインプラントにする場合は、以下の素材を検討するとよいでしょう。
- オールセラミック
- オールジルコニア
- ハイブリッドセラミック
- メタルボンド
- 金属
奥歯だとしても見た目が気になる方は、オールセラミックかジルコニアセラミックが適しているかもしれません。
全ての歯をインプラントにする場合
上の歯や下の歯を全てインプラントにする場合は、オーバーデンチャーが適しているかもしれません。ひとつずつの歯をインプラントにするより費用が安く、一般的な入れ歯のようにズレる心配もありません。
インプラントの被せ物を長持ちさせるためには
インプラントの被せ物を長持ちさせるには、しっかりと口腔ケアを行い、定期的に歯科医院でメンテナンスを受けることが重要です。
インプラントの寿命が短くなる原因のひとつが、インプラント周囲炎です。インプラント周囲炎では出血や歯茎の腫れといった歯周病のような症状がみられ、通常の歯周病よりも早く進行します。進行すると、インプラントが抜け落ちる可能性もあるでしょう。
そのため、丁寧な歯磨きと定期メンテナンスでしっかり予防する必要があるのです。
まとめ
今回は、インプラントの被せ物の種類や被せ物の選び方について解説しました。
インプラントの被せ物には、オールセラミックやジルコニアセラミック、ハイブリッドセラミックなどがあります。
前歯をインプラントにする場合は、審美性に優れたオールセラミックやジルコニアセラミックが適しているかもしれません。
一方、奥歯をインプラントにする場合は、メタルボンドや金属などの強度が高い素材を検討するとよいでしょう。上の歯や下の歯が全てなくてインプラントにしようとお考えの方は、オーバーデンチャーが選択肢のひとつになるかもしれません。
今回ご紹介したように、インプラントの被せ物にはいくつか種類があるため、それぞれのメリット・デメリットなどを比較したうえで選択しましょう。
インプラント治療を検討されている方は、横浜市緑区にある歯医者「礒部歯科医院」にお気軽にご相談ください。