日付: 2024年12月18日 カテゴリ:お知らせ
日付: 2024年12月18日 カテゴリ:お知らせ
こんにちは。横浜市緑区にある歯医者「礒部歯科医院」です。
床矯正とはどのような治療なのか疑問に感じてはいませんか。床矯正は、小児矯正のひとつで、あごの成長を調整して適切な歯並び・噛み合わせに導く治療法です。床矯正にはメリットだけでなくデメリットや失敗例もあるため、事前に正しい知識を持つことが大切です。
そこで本記事では、床矯正の基本からメリット・デメリット、費用や期間の目安、さらには失敗例や注意点まで解説していきます。お子さんの矯正治療に床矯正を検討中の方は、ぜひ参考にしてみてください。
床矯正とは、子どものあごの成長を利用して歯列を調整する治療方法です。
口腔内に装置を装着することであごの成長を誘導し、歯がきれいに並ぶためのスペースを作ります。装置にはネジが付いており、定期的に回転させることで歯を並べるスペースを確保します。そのため、抜歯せずに歯並びを整えられるケースが多いのです。
床矯正は、矯正治療のなかでも費用を抑えられる点や、装置を取り外して清掃できる点で人気があります。
ただし、適応年齢が限られていることや自己管理が必要な点は注意が必要です。抜歯矯正を避けたい方や、子どもの矯正を検討している方にとって魅力的な治療法だといえるでしょう。
床矯正には、メリットだけでなく、デメリットも存在します。床矯正を検討する際はメリット・デメリットについても事前によく理解することが大切です。ここでは、床矯正のメリットとデメリットについて解説します。
床矯正のメリットは、以下の5つです。
それぞれ詳しく解説します。
床矯正は、あごの骨が成長期の子どもに特化した治療法です。あごの骨の成長を促しながら、歯が並ぶスペースを作っていきます。6〜12歳の成長期に合わせて開始することで自然に歯列を広げられる点が大きなメリットといえるでしょう。
床矯正はワイヤー矯正やマウスピース矯正と比較すると、費用が安価なケースが多いです。また、二期治療であるワイヤー矯正やマウスピース矯正に移行した際も治療期間が短く済むケースが多く、費用を抑えることにもつながります。
床矯正で使用する装置は取り外しができます。食事や歯磨きの際は取り外せるため、固定式の装置に比べてお子さんへの負担が少ないとされています。装置の装着時間を守る必要はありますが、取り外しができるため、心理的な負担が少なく済むでしょう。
また、固定式の矯正装置の場合、装置の隙間に汚れが残りやすく虫歯リスクが高まります。
一方、床矯正で使用する装置は取り外し式で、普段どおりにブラッシングが可能なため、虫歯になるリスクも軽減されるでしょう。
床矯正をおこなうと将来的に本格的な矯正治療が必要になった際の負担を軽減できます。歯を並べるスペースを確保しておくことで、歯を移動させる範囲が少なくなるため、治療期間を短縮できる可能性があるでしょう。
床矯正で歯並びや噛み合わせが上手く整えば、追加の矯正治療を回避できることもあります。
歯並びを整えるための十分なスペースが確保できないと判断された場合は、抜歯してスペースを確保するケースがあります。床矯正で歯列を広げておけば、自然に歯が並ぶスペースが確保されるため抜歯を避けられることが期待できるでしょう。
健康な歯を抜くことに抵抗がある保護者の方にとって大きなメリットとなります。
床矯正のデメリットには、以下の4つが挙げられます。
それぞれ詳しく解説します。
床矯正は、装置を決められた時間どおり装着することで効果を発揮します。そのため、歯科医師に指示された装着時間を守らないと、十分な効果が得られません。装着時間が短かったり誤った装着方法をしていたりすると、治療期間が長引いたり失敗したりする原因になります。
小さなお子さんの場合、装置を嫌がったり取り外したまま忘れたりするケースも少なくありません。装置の取り扱いになれるまでは、保護者の方の協力が必要になります。
床矯正はあごの成長を利用するため、効果が現れるまでに時間がかかります。治療期間は一般的に1〜3年程度ですが、成長には個人差があるため長引く場合もあるでしょう。また、装置の使用状況によっても結果が変わるため、歯科医師の指示どおり使用することが大切です。
床矯正は、すべての症例に対応できるわけではありません。あごの成長が完了した大人や重度の噛み合わせの異常がある場合は、十分な効果が期待できないことがあります。
床矯正で対応できない症例でも、ワイヤー矯正やマウスピース矯正など他の矯正方法で対応できるケースもあるため、歯科医師とよく相談することが大切です。
床矯正で使用する装置は取り外しが可能なため、誤って紛失・破損するリスクがあります。小さなお子さんの場合、学校や外出先で装置を外してそのままなくしてしまうケースも少なくありません。装置の再作製には費用も期間もかかるため、負担が増える可能性があります。
床矯正は、すべてのケースで成功するわけではありません。ここでは、床矯正の失敗例とその主な原因について解説します。
床矯正の主な失敗例として、歯列が十分に広がらない・歯並びが改善されないなどといったことが挙げられます。床矯正の目的は、歯が並ぶためのスペースを確保することです。
しかし、装置の使用状況や成長のスピードによって、歯列が広がらないケースも少なくありません。
そのため、装置を装着しても予定通りに歯並びが整わない場合があります。場合によっては、本来予定していた期間内に矯正が完了せず、治療が長引いてしまうこともあるでしょう。
床矯正が失敗する原因として、装置の装着時間不足が挙げられます。床矯正は、毎日一定時間装置を装着することで効果が得られますが、装着時間が不足すると、矯正効果が十分に発揮されません。
また、床矯正装置は、歯科医師の指示どおりにネジを回して調整する必要があります。調整が適切におこなわれないと、治療がスムーズに進まず、効果が半減してしまいます。そのため、しっかりと自己管理をおこなうことが大切です。
また、床矯正は治療開始時期の影響を大きく受けます。成長期の子どもを対象とする治療法なので、成長が進んでいる時期に治療を開始する必要があります。治療開始時期が遅れてしまうと、期待した効果が得られないことがあります。
床矯正の費用は、使用する装置や治療の内容によって異なりますが、一般的な相場は 15万〜40万円ほどといわれています。
ただし、歯科医院によっては調整費や定期診察料が別途発生することがあるため注意が必要です。費用については治療開始前に確認しましょう。矯正治療は、保険適用外の自由診療が基本です。
しかし、あごの変形や特定の疾患を伴う場合には、保険が適用されるケースもあります。治療期間は、年齢や歯並びの状態、あごの成長具合によって異なりますが、一般的には 1〜3年が目安とされています。
矯正期間中は、装置の装着時間を守り、定期的に歯科医院で調整を受けることが治療をスムーズに進めるためには必要です。
床矯正はすべての症例に有効というわけではありません。床矯正で治療できる症例とできない症例があります。ここでは、床矯正で治療できる症例とできない症例について詳しく解説します。
床矯正で治療できる症例は、軽度の不正咬合です。
床矯正の主な目的は、歯列を広げて歯が並ぶスペースを確保することです。そのため、あごの幅が小さく歯が並ぶ余裕がないケースでは大きな効果を発揮します。上下の歯がずれている軽度の不正咬合や、歯列の乱れが少ない場合は、床矯正で改善できることが多いです。
床矯正は、顎の成長を利用する治療法のため成長期の子どもが対象になります。一般的には6〜12歳の間が治療を受けられる時期とされています。成長期の子どもは、あごの骨が柔軟で装置による調整がしやすいため、十分な治療効果を得ることができるでしょう。
床矯正で治療できない症例は、以下のとおりです。
床矯正は、あごの成長を利用する治療法のため、成人や成長が終わったお子さんには効果が期待できない場合があります。このようなケースでは、ワイヤー矯正やマウスピース矯正での治療が必要になるでしょう。
歯の乱れや噛み合わせが悪い原因が、あごの大きさや形状に大きな異常があることで生じている場合、床矯正だけでは対応できない可能性が高いです。骨格から大きく改善が必要な場合は、外科的矯正治療の対象となります。
床矯正とは、あごの成長を利用して歯並びが整うように促す矯正治療法です。費用が安価で、抜歯を避けられる可能性が高いことから、成長期のお子さんの治療法として選択されています。
一方で、自己管理が必要であることや対応できる症例に限りがある点がデメリットとして挙げられるでしょう。床矯正のメリットだけでなくデメリットもしっかり理解し、信頼できる歯科医師に相談のうえ選択することが重要です。
床矯正での治療を検討中の方は歯科医院を受診してカウンセリングを受けてみてください。
床矯正を検討されている方は、横浜市緑区にある歯医者「礒部歯科医院」にお気軽にご相談ください。
当院は、虫歯・歯周病治療、インプラント、小児歯科、ホワイトニングなど、さまざまな診療に力を入れています。診療案内ページはこちら、ネット診療予約も受け付けておりますので、ぜひご活用ください。
日付: 2024年12月18日 カテゴリ:歯のコラム and tagged 小児矯正, 床矯正
こんにちは。横浜市緑区にある歯医者「礒部歯科医院」です。
親知らずが生えていて、痛みや違和感などが気になり「抜いたほうがいいの?」と悩む方も多いでしょう。生え方によっては抜歯したほうがよいケースがあるため、どのような場合に抜くべきかをきちんと把握しておく必要があります。
この記事では、親知らずの特徴や親知らずを抜いたほうが良いケース、抜かなくても良いケースに分けて紹介します。また、親知らずを抜くメリットやデメリットも併せて解説しますので、親知らずにお悩みの方は、ぜひ参考にしてください。
親知らずとは、前歯から数えて8番目にある永久歯の歯を指し、智歯(ちし)や第三大臼歯とも呼ばれています。
永久歯は一般的に12歳頃に生え揃いますが、親知らずは永久歯が生えそろったあとの20歳前後で生えてくることが多いです。そのため、生えるスペースがなく、横向きで生えたり歯茎に半分隠れた状態で出てきたりすることがあります。
親知らずは必ず生えてくるわけではありません。歯茎の中に埋まっていて生えてこない方や、もともと親知らずが存在しない方もいます。親知らずの生え方にはそれぞれで違いがあるため、患者様一人ひとりに合った方法で処置を行う必要があります。
親知らずは必ず抜かなければいけないというわけではありません。上下の歯がまっすぐ生えてしっかり噛み合っている場合は、抜歯する必要はないでしょう。
ただし、親知らずが斜めや横向きに生えていると、歯磨きが上手にできずに汚れが溜まりやすくなります。しっかりとブラッシングができないと、虫歯や歯周病などのトラブルにつながる可能性があるため、生え方によっては親知らずを抜いたほうが良い場合があるのです。
また、親知らずが歯茎の中に埋まっている状態でも、隣接する歯に悪影響を及ぼす可能性があるため、違和感や腫れなどがある場合は、一度歯科医院で相談したほうがよいでしょう。
親知らずを抜いたほうがよいケースは、主に以下の3つです。
それぞれ詳しく解説します。
親知らずの周辺に痛みや腫れがある場合は、抜歯をする必要があるでしょう。親知らずは口の中の最も奥にあるため、歯磨きが難しく、虫歯や歯周病の原因になります。そのため、虫歯や歯周病によって痛みや腫れが生じている場合は、原因となっている親知らずを抜く必要があるのです。
また、智歯周囲炎が原因で痛みや腫れが生じる可能性もあります。智歯周囲炎とは、親知らずの周辺組織の衛生状態が保たれず、細菌が増殖することによって生じる疾患です。智歯周囲炎によって痛みや腫れが生じた場合にも、抜歯が推奨されます。
ほかにも、親知らずが斜めに生えることで頬の内側の粘膜や歯肉を傷つけているケースもあるため、痛みや腫れなどの症状がある場合は、抜くことが推奨されるのです。
親知らずが歯並びに悪影響を及ぼしている場合も、抜歯を検討する必要があります。親知らずが横向きに生えていると、手前の歯を押して歯並びに悪影響を与える可能性があるのです。そのため、抜歯が推奨されます。
親知らずは、含歯性嚢胞(がんしせいのうほう)などの病変の原因になる場合があります。含歯性嚢胞とは、顎の骨の中に埋まっている歯の一部を取り囲むように生じる嚢胞のことを指します。
多くの場合は無症状ですが、レントゲンで撮影した際に発見されることが多く、放置すると大きくなって顎の骨を溶かしていくため注意が必要です。このような場合は親知らずを抜歯して、嚢胞を摘出する必要があります。
親知らずを抜く必要がないケースは、以下の4つです。
親知らずがまっすぐに生えていて痛みや腫れがなく、ほかの歯に悪影響を及ぼす可能性がない場合は、あえて抜歯する必要はありません。また、親知らずが顎の骨の中に埋まっていて異常がなければ抜歯をせずに残すケースもあります。
ただし、親知らずが埋まっていても、含歯性嚢胞などの原因になる場合があるため、レントゲンなどで確認してもらう必要があるでしょう。そのため、親知らずを目視で確認できなくても違和感などを覚える場合には、一度歯科医院で相談してください。
親知らずを抜くことにはメリットとデメリットがあります。両方の特徴を把握しておくことで、抜歯後に後悔するのを防げるでしょう。ここでは、親知らずを抜くメリットとデメリットについて詳しく解説します。
親知らずを抜くメリットは、主に以下の5つです。
それぞれ詳しく解説します。
親知らずが斜めに生えていたり半分しか出ていなかったりすると、歯磨きがしづらくなるため、磨き残しが生じやすいです。
しかし、親知らずを抜くことで、口腔ケアがしやすくなるでしょう。
親知らずを抜くことで、虫歯や歯周病の予防につながります。親知らずは最も奥に生えるため歯磨きがしにくく、汚れが溜まりやすいため、虫歯や歯周病になるリスクが高まります。上述のとおり、抜歯することで歯磨きがしやすくなるため、虫歯や歯周病になるリスクを軽減できるでしょう。
抜歯をすることで、口臭の予防にもつながります。上述したように、親知らずはブラッシングが難しい部分に位置しているため、汚れが溜まると口臭の原因になることがあります。そのため、歯磨きがしにくい親知らずを抜歯することで、口臭の予防につながる場合があるのです。
親知らずを抜歯することで、肩こりが改善される場合があります。親知らずが正しく生えていないことで噛み合わせや歯並びのバランスが悪くなると、身体のバランスを保とうとして、首や肩が過度の緊張状態を引き起こすことがあります。これによって、肩こりにつながることがあるのです。
親知らずを抜歯することで身体のバランスを保てるようになれば、肩こりの悩みが解消されるでしょう。
上の親知らずを抜歯することで、頭痛や鼻詰まりの解消も期待できます。親知らずの歯根は副鼻腔に隣接した位置にあるため、親知らずの虫歯が歯根まで到達していると副鼻腔まで感染し、頭痛や鼻詰まりを引き起こす原因になります。
そのため、親知らずを抜歯して、感染部分を治療することで鼻詰まりなどが改善される場合があるのです。
親知らずを抜くデメリットは、以下の3つです。
それぞれ詳しく解説します。
親知らずを抜歯することで、痛みや腫れなどの症状を引き起こす可能性があります。腫れや痛みは一時的ですが、見た目が気になったり食事がしにくくなったりするため、デメリットに感じることがあるでしょう。
親知らずを抜く場合は、外科的治療が必要になります。そのため、親知らずを抜く際に神経や血管などを傷つける可能性もゼロではありません。神経損傷による麻痺や多量の出血が起こる可能性があることも理解しておく必要があるでしょう。
健康な親知らずが残っている場合、歯牙移植やブリッジ、入れ歯の支えとして活用することが可能です。
しかし、親知らずを抜歯すると、将来歯を失った際の治療法が限定される可能性が高くなるでしょう。
この記事では、親知らずを抜く必要があるケースや抜かなくて良いケースなどについて解説しました。親知らずは、必ずしも抜かなければならないわけではありません。
しかし、痛みや腫れがあったり、ほかの歯に影響を与えたりしている場合には抜歯が必要になるケースが多いです。親知らずは人によって生え方が異なり、対処法もそれぞれで異なるため、一度歯科医院を受診し、親知らずを抜くべきか相談すると良いでしょう。
親知らずを抜くべきかお悩みの方は、横浜市緑区にある歯医者「礒部歯科医院」にお気軽にご相談ください。
当院は、虫歯・歯周病治療、インプラント、小児歯科、ホワイトニングなど、さまざまな診療に力を入れています。診療案内ページはこちら、ネット診療予約も受け付けておりますので、ぜひご活用ください。
日付: 2024年12月4日 カテゴリ:歯のコラム and tagged 親知らず
こんにちは。横浜市緑区にある歯医者「礒部歯科医院」です。
小児矯正には、成長段階に応じたさまざまな治療法があります。特に、6歳から12歳の混合歯列期に行われる1期治療が重要とされており、この時期に適切な矯正を行えば、将来の歯並びや噛み合わせを良好に保つことが可能です。
この記事では、小児矯正の種類やそれぞれの特徴を、対象年齢ごとに解説します。費用と治療期間や小児矯正の種類を選ぶときのポイントなどもご紹介するので、小児矯正を検討している方は、ぜひ参考にしてください。
12歳までの小児矯正では、主に子どもの成長を活かして顎の発育をサポートする治療が行われます。この時期の矯正は1期治療とも呼ばれ、将来の歯列や噛み合わせの土台作りを目的としています。
1期治療で使用される装置の種類は、可撤式矯正装置と固定式矯正装置、顎外固定装置の三つに大きく分けられます。それぞれについて解説します。
可撤式矯正装置は取り外しが可能なため、食事や歯磨きをふだん通り行えます。口腔内を清潔に保ちやすく、虫歯などのトラブルのリスクを低減できる点はメリットです。
しかし、子どもが嫌がって装置を外すなど、装着時間が短くなると治療効果が得にくくなるため、装着時間の管理が重要です。代表的な可撤式矯正装置には、以下の7つが挙げられます。
拡大床は顎を広げるための装置で、ネジの力で顎の幅を徐々に拡張します。装着時間は症状に応じて異なりますが、12~15時間が一般的な目安です。
リップバンパーは、下顎を広げるのを目的としています。唇の前にあるパッドが唇を押す力によって奥歯を後方に動かしてスペースを作り、歯並びや噛み合わせを効率的に整える仕組みです。
バイオネーターは、下顎の成長が不足している場合に使用されます。ワイヤーとプラスチックでできており、ネジで装置の幅を調整することによって力を加え、下顎が前方に成長するよう促します。
ムーシールドやプレオルソは、受け口の矯正に用いられるマウスピース型の装置です。舌や口周りの筋肉を鍛えて顎のバランスを整えます。
ツインブロックは装置が上下に別れており、噛む力を利用して顎を正しい位置に導きます。出っ歯など、上下の顎のバランスが悪い場合に使用される装置です。
インビザライン・ファーストは透明なマウスピース型の矯正装置です。1日20時間以上装着し、1〜2週間ごとに次の段階のものに交換しながら、顎の成長と歯の位置をコントロールします。
固定式矯正装置は、歯に固定して治療する装置です。取り外せないため、紛失や装着時間の不足による治療の遅れなどの心配はありません。
しかし、装置の手入れが難しく、虫歯のリスクが高くなる可能性があるでしょう。代表的な固定式矯正装置には、以下の4つが挙げられます。
急速拡大装置は、上顎の幅を広げて永久歯が生えるスペースを確保するための装置です。子どもの成長を利用して顎の横幅を広げるので、上顎の成長が止まる8~12歳までに使用するのがよいとされています。
リンガルアーチとは、左右の奥歯を支えにして前歯の裏側に装着し、歯が生えるスペースを確保するための装置です。主に受け口の治療に使用され、矯正装置が目立ちにくいというメリットがあります。
タングガードは、舌で前歯を押さないようにするための装置です。舌癖による嚙み合わせのズレを予防・改善する効果が期待できます。
部分ワイヤーは、前歯の歯並びを部分的に矯正する装置です。奥歯を土台として前歯にブラケットとワイヤーを装着し、出っ歯や反対咬合などを矯正します。症例によっては、他の装置を併用することもあるでしょう。
顎外固定装置は、主に顎の骨の成長バランスが崩れている場合に使用される矯正装置です。頭や顎など、口の外に装着するため見た目が気になるかもしれませんが、就寝中や家の中での装着を指示されることが多いです。
代表的な固定式矯正装置は、以下のとおりです。
ヘッドギアは顎の成長を抑え、歯並びのバランスを調整するために使われる矯正装置です。主に上顎が成長しすぎていることが原因の、上顎前突(出っ歯)などに用いられます。
上顎前方牽引装置は、上顎骨を前方へ成長させるために使用される装置です。フェイシャルマスクに付いているフックと口腔内装置のフックを矯正用ゴムで連結し、上顎に前方への牽引力をかけます。反対咬合(受け口)の改善を目的として使われることが多いでしょう。
チンキャップは下顎の過剰な成長を抑制するための装置で、主に受け口の症状が出ている場合に使用されます。帽子のように被り、下顎の先端にカップ状の部分を当てて固定することで、下顎の成長を抑える効果があります。
13歳以降の小児矯正は2期治療とも呼ばれ、永久歯が生え揃った段階で行われる治療です。この時期の矯正治療は、大人とほぼ同じ方法で歯を動かして歯並びや噛み合わせを整えることを目的としています。
2期治療の代表的な矯正方法は、以下のとおりです。
ワイヤー矯正とは、歯の表面にブラケットを装着し、ワイヤーを通して歯を動かす矯正方法です。ワイヤー矯正は、表側矯正と裏側矯正に大きく分けられます。
表側矯正は、歯の表側にブラケットとワイヤーを装着し、歯を動かしていく矯正方法です。歯の表側に装置があるため目立ちやすい点はデメリットですが、費用を抑えやすく発音に与える影響が少ないなどのメリットもあります。
裏側矯正は、ブラケットとワイヤーを歯の裏側に装着します。表側から装置が見えないため、外見を気にすることなく治療が進められる点は、大きなメリットでしょう。裏側に装置を装着するため調整には高い技術が必要とされており、費用が高額になりやすいです。
透明なマウスピース型の装置を使った矯正方法で、目立ちにくく取り外しが可能な点がメリットです。マウスピースを1日20時間以上装着し、数週間ごとに交換しながら歯並びを整えていきます。
食事や歯磨きの際には取り外せるため、口腔内の清潔を保ちやすいです。装着時間が不足すると効果を十分に得られないため、自己管理が苦手なお子さまには向いていないかもしれません。
以下に、矯正装置の種類ごとの費用と治療期間の目安をご紹介します。
<小児矯正の種類ごとの費用と期間の目安>
小児矯正の種類 | 費用 | 治療期間 |
---|---|---|
可撤式矯正装置 | 3万〜80万円 | 1年~3年 |
固定式矯正装置 | 3万〜5万円 | 1年~3年 |
顎外固定式装置 | 30万〜40万円 | 1年~3年 |
ワイヤー矯正 | 50万円〜150万円 | 1年半〜2年半 |
マウスピース矯正 | 60万円〜100万円 | 2年〜3年 |
お口の状態によっても適切な矯正装置が異なるため、詳しい費用について知りたい場合は、歯科医院にご相談ください。
また、小児矯正の一期治療にかかる期間は、1~3年程度が一般的です。その後、永久歯が生え揃った段階で2期治療が必要かどうかを検討します。
お口の状態によって治療期間は異なるので、気になる方は歯科医院を受診して相談すると良いでしょう。
小児矯正では、お子さまの性格や生活習慣、症例に応じて歯科医師と相談し、矯正装置を選ぶことが重要です。例えば、固定式矯正装置は取り外しの手間がかからないため、装着時間の管理が難しい小さなお子さまに選ばれる傾向にあります。
また、スポーツや楽器演奏を行うお子さまには、装置が口腔内で邪魔にならないよう、日中の装用を避けられる顎外固定装置などを選択するといいかもしれません。
成長段階や性格に合わせて、歯科医師と十分に相談しながらお子様に合った装置を選ぶことが大切です。適切な矯正装置を使用することで、治療効果を最大化して無理なく矯正を進められるでしょう。
小児矯正は、お子さまの成長に合わせて行う治療です。
混合歯列期(6歳〜12歳)には、可撤式矯正装置や固定式矯正装置、顎外固定装置などの選択肢があります。それぞれの装置には特徴があり、治療効果や装着時間、費用も異なります。
13歳以降は永久歯を対象とした2期治療を行います。主な治療方法は、ワイヤー矯正やマウスピース矯正です。
小児矯正では、お子さまの性格や生活スタイルに合った装置を選ぶことが大切です。矯正装置を歯科医師と相談して選択し、適切な治療計画を立てることで効果的に矯正を進められるでしょう。
小児矯正を検討されている方は、横浜市緑区にある歯医者「礒部歯科医院」にお気軽にご相談ください。
当院は、虫歯・歯周病治療、インプラント、小児歯科、ホワイトニングなど、さまざまな診療に力を入れています。診療案内ページはこちら、ネット診療予約も受け付けておりますので、ぜひご活用ください。
日付: 2024年11月20日 カテゴリ:歯のコラム and tagged 小児矯正
こんにちは。横浜市緑区にある歯医者「礒部歯科医院」です。
「子どもの虫歯が心配だけれど、歯医者につれていくのはまだ早いかな?」と迷っている方はいらっしゃいませんか。なかには、子どもの歯科検診がどうして必要なのかわからない、費用が気になってなかなか歯医者に連れていけないという方もいらっしゃるかもしれません。
子どもの歯科検診は何歳くらいから通い始めるのがよいのでしょうか。歯科検診の内容や費用なども気になるところです。
今回は、子どもが歯科検診を受ける重要性について詳しく解説します。歯科検診の具体的な内容や費用、適切な頻度などについてもご紹介しますので、ぜひ参考にしてください。
どうして子どもも歯科検診を受けたほうがよいのでしょうか。ここでは、子どもの歯科検診が重要な理由について解説します。
乳歯は永久歯に比べて虫歯になりやすいです。
乳歯のエナメル質と象牙質は永久歯の半分程度しかないので、虫歯菌に対する抵抗力が弱いです。そして、エナメル質が薄いため、虫歯ができると、その下の柔らかい象牙質まで短期間で到達します。象牙質に達した虫歯は急速に進行し、重症化しやすくなるのです。
また、子どもは1回の食事量が少なく、おやつなどの間食の頻度が高くなります。間食の回数が多かったり、甘いお菓子やジュースを頻繁に口にしたりすると、口腔内が酸性の状態に傾きやすくなります。これによって、虫歯になるリスクが高まるのです。
重症化する前に虫歯を発見して適切な処置を受けるためにも、歯科検診を受けることが重要です。
乳歯の虫歯は、永久歯の虫歯のように黒く変色するのではなく、白っぽく変色することが多いです。艶のある白色から艶のない白色に変化するため、注意深く観察すれば変化に気づくかもしれません。
しかし、実際のところ専門家でなければ判別はかなり困難です。歯の色が黒くならないので虫歯の進行に気付くのが遅れることがあります。治療の開始が遅くなると、大がかりな治療が必要になることもあるでしょう。
子どもの虫歯は専門家でなければ発見しにくいので、歯科検診を受けることが重要なのです。
乳歯の虫歯を治療せずに放置すると、将来の永久歯や歯並びに影響を及ぼすことがあります。
例えば、乳歯が虫歯になり、早期に失うと、隣の歯が傾いて永久歯が生えるスペースがなくなり、永久歯の歯並びに問題が生じる可能性があります。また、乳歯が虫歯になり、口の中にある虫歯の原因菌が増えると、永久歯が虫歯になることもあります。
子どもの頃に虫歯になった人は、大人になってからも虫歯の数が多い傾向があることがわかっています。子どもの虫歯は将来の虫歯のリスクを左右するので、歯科検診による早期発見と早期治療が重要になります。
子どもの歯科検診は、一般的に1歳半〜3歳の時期に始めるのがよいと考えられています。これはちょうど乳歯が生えはじめるタイミングです。
また、子どもの食習慣が形成される時期でもあるので、保護者の方に対して食事や間食の適切な与え方、効果的な歯磨き方法などをアドバイスすることができます。
一方、もっと早い時期から歯科検診を受けることにもメリットがあります。通常、乳歯が生え始めるのは生後6〜7か月頃です。この時期から歯科検診を受け始めることで、より効果的に虫歯の予防が可能です。
さらには、0歳から歯科検診を受ければ、離乳食の進め方についても専門的なアドバイスを受けられます。小さいうちから歯科検診を受けていれば、歯科医院という環境に慣れることができ、歯科治療への不安や恐怖心の軽減にもつながります。
子どもの歯科検診ではどのようなことを行うのでしょうか。ここでは、子どもの歯科検診の内容を確認しましょう。
子どもの歯科検診で行う基本的な項目は虫歯の検査です。歯科医師が目視や触診で虫歯の有無を確認します。
また、歯並びや噛み合わせもチェックします。歯並びが悪いと歯磨きが難しくなり、虫歯になるリスクが高まります。噛み合わせや歯並びの確認は虫歯を予防するうえでも重要です。
磨き残しが多い箇所を特定し、効果的なブラッシング方法を指導します。磨き残しが多い部分の正しい歯磨きの仕方を習得し、自宅で実践することで虫歯の予防につながります。
歯科検診では歯のクリーニングも行います。歯科医院では専用の器具を使用して普段のブラッシングでは取りきれないプラークや歯石を除去します。これにより、虫歯の予防につながります。
フッ素塗布は虫歯予防に効果的です。フッ素には歯質を強化し、虫歯菌の活動を抑制する効果があります。フッ素塗布は痛みもなく短時間で終わるため、小さい子どもでも受けられます。
シーラントとは、奥歯の溝をプラスチックの樹脂で埋める処置です。乳歯の奥歯の溝は深く、食べ物のカスなどの汚れが溜まって虫歯になるリスクが高まります。この溝を埋めることで、食べ物のカスなどが溜まりにくくなるため、虫歯になるリスクを軽減できるのです。
痛みもなく短時間で終わるため、小さな子どもでも無理なく受けられます。
子どもの歯科検診の費用と頻度について確認しましょう。
子どもの歯科検診の費用は、多くの場合、健康保険が適用されない自由診療になります。費用は歯科医院によって異なりますが、一般的には1回あたり1,000円~5,000円程度です。
簡単な口腔内チェックと歯磨き指導のみの場合は安価であることが多いです。クリーニングを含む場合やレントゲン撮影が必要な場合は追加で費用がかかります。
子どもの歯科検診は、3〜4か月に1回の頻度で受けることが推奨されています。上述のとおり、乳歯は虫歯になりやすいです。また、子どものお口の中は、乳歯が生え始めたり永久歯に生え変わったりすることで環境が変化していきます。
そのため、3〜4か月に1回の頻度で歯科検診を受けて、虫歯になっていないか、歯並び・噛み合わせに問題はないかなどを確認してもらう必要があるのです。
子どもが歯科検診を受けるときの注意点を確認しましょう。
歯科医院に対して強い恐怖心を持っている子どももいるでしょう。普段目にすることがない機械や慣れない音、自分の口の中を触られることに抵抗感があるためです。また、過去に歯科治療で痛みや不快な経験をした場合、恐怖心はさらに強くなります。
このような恐怖心を理解し、歯科医師と保護者の方が協力して、子どもをサポートすることが大切です。例えば、歯科医院で使われる器具や治療の流れについて、あらかじめ簡単に説明しておくと子どもの安心感につながるでしょう。
小さい子どもは、昼食後や午後になると疲れや眠気から機嫌が悪くなり、治療に集中できないことがあります。
反対に、午前中は子どもが元気なことが多く、診察台に座り続ける忍耐力を発揮しやすいです。午前中に歯科医院を受診すれば、歯科検診がスムーズに進む可能性があります。
歯科検診や治療に慣れないうちは、口の中に器具を入れられることで、気分が悪くなる子どももいます。特に食事の直後に受診すると、嘔吐しやすくなります。
嘔吐は子どもにとってつらい経験となり、歯科医院に対する恐怖心が強まります。歯科検診の直前はできるだけ食事を控えるか、もしくは軽い食事にとどめましょう。
歯科検診や治療では、子どもが予想以上に緊張して暴れたり、汗をかいたりすることがあります。そのため、着替えを用意しておくと安心です。
特に子どもが暑がりの場合は、通気性のよい服装にし、汗をかいたあとにすぐ着替えられるようにしておけば、受診後も快適に過ごせます。キッズスペースがある歯科医院の場合は、キッズスペースでリラックスして過ごせるように、動きやすい服装にしておくのもよいでしょう。
子どものうちから歯科検診を受けることで、将来にわたって健康的な口腔環境を保つのに役立ちます。歯科検診では、虫歯になっていないか、歯並び・噛み合わせに問題はないかなどをチェックします。また、歯のクリーニングやフッ素塗布などの予防処置も行われます。
歯科医院は怖いところというイメージをもつ子どももいます。少しずつ慣れていけるように配慮することで、継続的に歯科検診を受けられるようになるでしょう。
子どもの歯科検診を検討されている方は、横浜市緑区にある歯医者「礒部歯科医院」にお気軽にご相談ください。
当院は、虫歯・歯周病治療、インプラント、小児歯科、ホワイトニングなど、さまざまな診療に力を入れています。診療案内ページはこちら、ネット診療予約も受け付けておりますので、ぜひご活用ください。
日付: 2024年11月6日 カテゴリ:歯のコラム and tagged 小児歯科, 歯科検診
こんにちは。横浜市緑区にある歯医者「礒部歯科医院」です。
インビザラインは透明なマウスピースを使用した目立たない矯正治療として、近年注目されています。取り外しもご自身で簡単にできるため、食事や口腔ケアを通常どおり行える点も、インビザラインの大きな魅力です。
しかし「費用や期間はどれくらい?」「インビザラインで矯正できない症例もあるの?」など、疑問をお持ちの方も多いのではないでしょうか。
本記事では、インビザラインにかかる費用や期間、適応症例について解説します。メリット・デメリットや治療を失敗しないためのポイントなどもご紹介するので、ぜひ最後までご覧ください。
インビザラインとは、世界で1,500万人(2023年3月時点)以上の治療実績を持つ、アメリカのアライン・テクノロジー社が提供しているマウスピース矯正のことです。
独自の3Dシミュレーションシステムを使用することで、コンピューターで患者さまに合った治療計画の立案や、マウスピースを作製します。マウスピースを1〜2週間に1回のペースで交換しながら歯を動かし、矯正治療を進めていきます。
接客業や営業など人前に立つ機会が多い方の場合、矯正中の装置の見た目が気になる方も多いです。矯正装置が透明なデザインで目立たないインビザラインは、そのような悩みを解決できることから、多くのユーザーに支持されています。
インビザラインでの矯正には、メリットとデメリットの両方が存在します。以下で、それぞれについて具体的に解説します。
インビザラインのメリットは、以下のとおりです。
インビザラインのマウスピースは透明なので、装着しても目立たず周囲の人に気づかれにくいです。そのため、接客業や営業など、人前で話す機会が多い職業の方に支持されています。
ワイヤー矯正のようにブラケットやワイヤーを使用しないため、矯正装置が粘膜に当たって傷をつけるリスクが低いです。
さらに、インビザラインは、段階ごとにマウスピースを交換して歯を少しずつ移動させるため、ワイヤー矯正より歯を動かす際の痛みも少ないとされています。快適に治療を進められる点は、インビザラインの大きなメリットでしょう。
インビザラインは患者さま自身がマウスピースを交換して治療を進めるため、ワイヤー矯正のように歯科医院で装置を調整する必要がありません。そのため、低い通院頻度で治療を進めることができ、仕事や学業などで忙しい方でも継続しやすい矯正方法です。
インビザラインでは、歯を移動させるプロセスを事前に3Dシミュレーションで確認できます。どのように変化していくのかイメージがつかみやすいため、治療のモチベーションが保ちやすいでしょう。
メリット同様に、デメリットについてもしっかり把握しておきましょう。インビザラインのデメリットは、以下のとおりです。
インビザラインは、治療できない症例もあります。例えば、歯を大きく移動させないといけないケースや、顎の骨に問題があるケースです。
そのような場合は、ワイヤー矯正や外科的矯正など他の矯正方法で治療するか、インビザラインとワイヤー矯正を併用する必要があります。インビザラインで対応できるかどうかの基準は歯科医院によって異なるので、複数の歯科医院でカウンセリングを受けると良いでしょう。
気軽に取り外せるマウスピースは便利で快適な反面、自分でしっかり管理しなければなりません。食事や歯磨きで外した後の装着し忘れなどで装着時間が短くなると、歯が計画通りに動かず、治療期間が長引いたり満足のいく結果にならなかったりするため注意が必要です。
インビザラインは、最近ではかなり普及した矯正方法ではありますが、ワイヤー矯正に比べると新しい矯正治療です。そのため、インビザラインで治療を受けられる歯科医院が限られている点には注意が必要です。
インビザラインでの矯正治療を検討している方は、事前にインビザラインシステムを導入しているのかどうかを確認しておきましょう。
インビザラインにはいくつかのパッケージが存在し、重症度に合わせて選択されます。パッケージによって費用は異なります。
また、インビザライン矯正は自由診療のため、歯科医院によっても費用は異なります。
そのため、以下でご紹介する金額は、あくまで目安として参考にしてください。実際にかかる費用は、カウンセリングを受けて詳しく確認することが大切です。
インビザライン・コンプリヘンシブパッケージは、歯の噛み合わせから大きく動かす必要があるケースなど重度の症例に用いられます。
以前はインビザライン・フルと呼ばれていたパッケージで、数あるマウスピース矯正の中で最も多くの症例に対応でき、マウスピースの枚数制限もありません。また、5年間に限り無料でマウスピースを再作製できます。
費用の目安は約80〜120万円で、治療には2〜3年かかるのが一般的です。
インビザライン・モデレートは、抜歯の必要がないケースや奥歯の大きな歯の移動が不要なケースなど、中等度の症状の際に用いられます。片顎に26枚、両顎で52枚とマウスピースの枚数に制限があり、費用の目安は70〜90万円前後です。
治療期間は1年〜3年が目安とされています。
インビザライン・ライトは、すきっ歯や軽度の歯並びのズレを治したい方が対象です。費用は45〜60万円程度が目安とされています。治療期間の目安は7か月で、使用できるマウスピースは14枚です。
インビザライン・フルより安い価格で治療を受けられますが、治療計画通りに歯が動かなかった場合は、追加費用が発生する可能性があります。
前歯の部分矯正や矯正後の後戻りなどの症例に用いられ、費用の目安は30〜50万円程度が目安とされています。アライナーの上限は7枚で、治療期間の目安は3〜4か月です。
インビザラインの中で最もリーズナブルに治療が受けられるものの、適応症例の範囲が狭く、追加費用が発生する可能性があります。
以下では、治療可能な症例と治療できない症例について詳しく解説します。
インビザラインで治療できる症例は、以下のとおりです。
叢生とは、歯が重なり合って凸凹な状態の歯並びのことです。歯のサイズが顎に対して大きいことなどが、主な原因に挙げられます。
インビザラインでは、軽度から中度の叢生の治療が可能です。一般的には、IPRなどで歯を削ってスペースを作り、歯並びを整えていきます。
出っ歯の原因は、骨格が原因のものと歯自体に原因があるものに分けられます。歯の傾斜が原因の出っ歯の場合は、インビザラインで治療できるケースが多いです。
すきっ歯は歯と歯の間に隙間がある状態で、特に前歯に見られることが多いです。生まれつき歯が小さいなどの先天的な原因や、舌を歯に押し付ける・頬杖を突くなどの長年の悪習癖による後天的な原因があります。
すきっ歯は元々歯にスペースがあるため、徐々に力を加えながら適切に歯を動かすことで隙間を埋めていきます。
受け口は、下の歯が上の歯よりも前に出ている状態を指します。骨格に問題がある外科手術を伴うような重度の症例でなければ、インビザラインで矯正できることが多いです。
受け口は審美的な問題だけでなく、健康上の問題も出てくる可能性があるため、早めの治療が求められます。
過蓋咬合は、上の前歯が下の歯に深く噛み合わさる状態です。上の前歯を歯茎に押し込み下の歯を引き出す方法で、上下の嚙み合わせのバランスを調整します。
過蓋咬合は年々進行するため、症状がないからといって放置しておくのは危険です。歯や顎に負担をかけることがあるため、早期に改善したほうがよいでしょう。
インビザラインで治療できない症例は、以下のとおりです。
骨格が原因の出っ歯や受け口は、インビザラインでの矯正はできません。骨の形や大きさ、位置を整える外科的治療が必要です。
歯周病が重症化している場合は、インビザラインを含めたすべての矯正治療ができません。歯周病が進行して顎の骨が溶けていると歯が不安定な状態のため、矯正力に耐えきれずに抜ける可能性があるからです。
また、歯を移動できたとしても定着せず、後戻りする可能性が高いでしょう。歯周病に罹患している場合は、まず歯周病を治療しなければなりません。
複数本の抜歯が必要な場合は隙間が多くできるため、歯の移動距離が長くなります。インビザラインは大きな平行移動に向いていない矯正方法なので、抜歯を複数行う症例は治療できない可能性が高いでしょう。
以下は、インビザライン矯正で失敗しないためのポイントをご紹介します。
インビザラインを失敗しないためには、インビザライン認定医を選んで治療を受けるのもポイントの一つです。インビザライン認定医とは、インビザラインの治療経験数が50症例以上のドクターのことです。
実績が豊富な歯科医師であれば、今までの経験を元にさまざまな症例に対応できるため、成功率も上がるでしょう。
マウスピースの装着時間を守ることも、重要なポイントです。インビザラインでは、1日20〜22時間以上マウスピースを装着しなければ効果を十分に発揮できません。そのため、食事や歯磨きの後も装着し忘れないようにしましょう。
インビザライン矯正は、歯を移動させる矯正期間の後に、動かした歯を固定する保定期間があります。保定期間では、保定装置(リテーナー)を装着して歯の後戻りを防ぎます。
保定装置を付けなかったり装着時間が短かったりすると、歯が元の位置に戻って再矯正が必要になることもあるので、注意しましょう。
インビザライン矯正では、食事や歯磨き以外の時間は常にマウスピースを装着しなければなりません。そのため、マウスピースが合わず痛みや違和感を覚えた場合は我慢せず、速やかに医師に相談しましょう。
痛みや違和感の原因を放置しておくと、計画通りに治療が進まず、治療期間が延びたり思うような結果にならなかったりする恐れがあります。
インビザラインは、透明で目立ちにくいマウスピースを使用するため、快適に歯列矯正できる方法として注目されています。また、取り外しができて衛生的に保ちやすいという点や、事前に治療のプロセスをシミュレーションできる点も魅力です。
ただし、治療計画通りに矯正治療を終了するためには、1日20〜22時間以上の装着時間や交換頻度を遵守する必要があります。治療実績のある歯科医院を選ぶことも、インビザラインを成功させるための重要なポイントです。
インビザラインを検討されている方は、横浜市緑区にある歯医者「礒部歯科医院」にお気軽にご相談ください。
当院は、虫歯・歯周病治療、インプラント、小児歯科、ホワイトニングなど、さまざまな診療に力を入れています。診療案内ページはこちら、ネット診療予約も受け付けておりますので、ぜひご活用ください。
日付: 2024年10月30日 カテゴリ:歯のコラム and tagged インビザライン
こんにちは。横浜市緑区にある歯医者「礒部歯科医院」です。
歯に対する意識の向上にともない、大人になってから矯正を始める人の数は増加傾向にあります。中でも注目を集めているのは、矯正装置が透明で目立たずに治療できるマウスピース矯正です。
しかし「マウスピース矯正の名前は知っているけれど、具体的にどんな治療なのかわからない」という方も、いるのでははないでしょうか。
今回は、年々需要が増加しているマウスピース矯正の種類や治療の内容、メリット・デメリットについて詳しく紹介します。治療にかかる費用や期間の目安もご紹介するので、ぜひ参考にしてください。
マウスピース矯正は、歯列矯正の方法の一つです。ワイヤー矯正と異なり、透明で薄いマウスピースを段階ごとに交換しながら装着し、少しずつ歯を動かして歯並びを整えます。
マウスピース矯正が誕生したのは、今から100年前だという説もありますが、今のマウスピース矯正の形状が開発されたのは1990年代です。マウスピース矯正が急速に普及したのは、1997年にアメリカでインビザラインが開発されてからと言われています。
2006年には、日本でもインビザラインの提供が開始され始めました。その後、技術的進化を繰り返しながら、次第にマウスピース矯正が矯正治療の選択肢として本格的に浸透していったのです。
マウスピース矯正は、ワイヤー矯正と比べて目立ちにくいことや、取り外し可能で生活の中でストレスが少ないことが大きく評価され、世界中に広く普及しました。現在では、インビザライン以外にも多くのブランドが存在し、さまざまなマウスピース矯正の選択肢があります。
マウスピース矯正は、形状が少しずつ異なるマウスピースを段階ごとに交換しながら治療を進めていきます。歯とマウスピースの位置のズレを利用して、歯に圧力をかけて正しい位置に移動させるのです。
最初は現状の歯列に近いマウスピースからはじめ、最終的には理想の歯並びのマウスピースまで、ゆっくりとマウスピースの形に合わせて歯を移動させます。
使用するマウスピースの数は、元の歯並びの乱れ具合などによって異なります。歯並びの乱れが大きいほど、必要なマウスピースの枚数も増えるのです。
患者さまによって必要枚数は異なりますが、一般的に全体矯正の場合は40〜60枚ほどが目安とされています。マウスピースを交換するペースは1〜2週間ごとです。
また、マウスピース矯正は、1日20〜22時間以上マウスピースを装着しなければなりません。食事や歯磨きの時以外、就寝中も常に着用が求められます。
装着時間が不足すると矯正の効果を十分に得られず、満足のいく結果にならない可能性があるので、注意しましょう。
日本国内で提供されているマウスピース矯正には様々なブランドが存在し、国内外のメーカーが参入しています。ブランドによって、対応症例や治療にかかる費用・期間も異なります。
そのため、値段以外にも矯正範囲や治療の目的など様々な面を考慮して、ご自身の希望と合う特徴を持つブランドを選択するようにしましょう。以下に、日本で販売されている代表的なマウスピース矯正のブランドをご紹介します。
インビザラインは1997年にアメリカで誕生して以来、1700万件以上の利用実績がある、世界中で圧倒的なシェアを誇るマウスピース矯正のブランドです。3Dコンピューター技術で歯の動きをシミュレーションして治療計画を立て、それに基づいて矯正治療を進めていきます。
他のブランドでは、歯型の採取が複数回必要ですが、インビザラインでは歯型の採取が1回しか必要ありません。1回の歯型取りで、必要なマウスピースを全て設計・作製ができます。
3D光学スキャナーを使用して歯形を取ることで、緻密な型取りと高度なシミュレーションができます。そのため、難しい症例にも対応可能な場合が多いのです。
クリアコレクトは、インプラントを販売しているストローマングループのマウスピース矯正です。日本よりも歯列矯正が一般的なアメリカでは、インビザラインの次に人気があると言われています。
他のブランドのマウスピースと異なり、歯茎を2mm程度覆うように作られているので歯との密着感が高く、歯を動かす力が強いです。そのため、矯正力を補うアタッチメントの数を減らすことができるでしょう。
また、光沢が出ないように加工されているので、より目立ちにくいという特徴があります。部分矯正から全体矯正まで対応可能で、費用はインビザラインより安価に設定されていることが多いでしょう。
アソライナーは、アソインターナショナルが発売している矯正装置です。奥歯に問題がない前歯の部分矯正や矯正の後戻りなど、症状が軽いケースに対応できます。
抜歯が必要な症例や奥歯の噛み合わせが悪い重度の不正咬合などは、対応できないことがほとんどなので、注意しましょう。
アソアライナーは、ソフト・ミディアム・ハードの3タイプの硬さのマウスピースを矯正治療の段階によって使い分け、歯を動かしていく仕組みです。日本のメーカーなので、マウスピースの作成期間が短く、治療を早く開始できます。
キレイラインは、Sheep Medical Technologiesという会社が提供しているマウスピース矯正です。他のマウスピース矯正に比べて、かなり安価に治療できるという特徴があります。
前歯の部分矯正のみが対象で、奥歯の矯正を伴う全顎矯正や抜歯が必要な症例には対応できません。
機能面の改善より審美面の向上を目的としている方に、選ばれることが多いです。そのため、キレイラインは治療回数をご自身で決定でき、満足したところで治療を終えられます。
マウスピース矯正には、メリットとデメリットの両方が存在します。以下で、それぞれについて解説します。
マウスピース矯正の最大のメリットは、矯正装置が目立ちにくいことでしょう。マウスピースは薄く透明なため装着していても気づかれにくく、人と接する機械の多い方でも人目を気にせず治療を継続できます。
マウスピースはご自身で取り外せるので、食事や歯磨きを普段通りに行える点もメリットの一つです。矯正器具に食べ物が挟まることがなく歯磨きもしやすいので、虫歯や歯周病のリスクも抑えられます。
短時間であれば外しても問題ないので、写真を撮るときや人前に立つときなども外すことができるのも魅力的です。
また、ワイヤー矯正と違い矯正器具に金属を一切使用していないので、金属アレルギーの方でも安心して矯正治療ができます。ワイヤー矯正よりも歯にかかる力が小さいので、痛みや不快感も少ない点もメリットと言えるでしょう。
マウスピース矯正には、メリットだけでなくデメリットも存在します。
マウスピース矯正は全ての症例に対応できるわけではなく、適応症例が限られていることが、デメリットの一つです。大きな移動が必要な場合や骨格に問題がある症例の場合は、ワイヤー矯正や外科矯正が必要になります。
自己管理が必要な点もデメリットに挙げられるでしょう。
マウスピース矯正では、マウスピースの装着時間が1日20〜22時間以上必要とされています。つけ忘れなどで装着時間が短くなると、計画通りに歯が動かず望む結果にならない恐れがあるでしょう。
また、飲食の際は基本的にはマウスピースを外す必要があり、その都度洗浄しなくてはなりません。
マウスピース矯正は、治療結果は本人の努力が大きく関係します。そのため、自己管理が苦手な方には向いていないかもしれません。
ここからは、マウスピース矯正の費用と期間の目安をご紹介します。
マウスピース矯正は、基本的に保険適用外の自由診療のため、全額自己負担です。一般的には、部分矯正の場合10万〜60万、全体矯正で60万〜120万が目安とされています。
また、自由診療のため、歯科医院によって費用は異なります。一律ではないので、上記の値段はあくまで目安として参考にしてください。
歯科医院によっては、別途で検査費用や調整費用がかかることもあります。そのため、ご自身の場合総額でいくらかかるのか、事前にしっかりと確認することが重要です。
マウスピース矯正の治療期間は個人差がありますが、部分矯正の場合3ヶ月〜1年程度、全体矯の場合2〜3年程度が目安とされています。
しかし、マウスピースの装着時間が短くなったり、治療中に虫歯や歯周病になったりすると、矯正期間が長引く可能性が高いです。そのため、定期的な歯科医院でのメンテナンスやセルフケアを怠らず、指定された装着時間を守ることが重要です。
マウスピース矯正は開発当初から進化を続け、徐々に対応できる症例も多くなってきました。目立つことなく快適に治療を受けられるため、メリットの多い魅力的な矯正治療といえます。
マウスピース矯正には様々な種類があり、それぞれ特徴も異なります。歯科医師に相談し、自分に合った治療法を探してみましょう。
マウスピース矯正を検討されている方は、横浜市緑区にある歯医者「礒部歯科医院」にお気軽にご相談ください。
当院は、虫歯・歯周病治療、インプラント、小児歯科、ホワイトニングなど、さまざまな診療に力を入れています。診療案内ページはこちら、ネット診療予約も受け付けておりますので、ぜひご活用ください。
日付: 2024年10月23日 カテゴリ:歯のコラム and tagged マウスピース, マウスピース矯正
こんにちは。横浜市緑区にある歯医者「礒部歯科医院」です。
ワイヤー矯正は、歯並びを整えるための代表的な治療法です。長い歴史があり幅広い症例に対応できますが、装置が目立つなどデメリットのイメージが強い方も多いのではないでしょうか。
実際に、近年ではワイヤー矯正よりも矯正装置が目立たない、マウスピース矯正に注目が集まっています。
しかし、ワイヤー矯正でも、装置の種類によっては目立たせずに治療することも可能です。また、ワイヤー矯正ならではと言えるメリットもたくさんあります。
今回は、ワイヤー矯正のメリット・デメリットや、治療にかかる費用と期間の目安について解説します。
ワイヤー矯正とは、歯の表面にブラケットと呼ばれる装置を取り付け、そこにワイヤーを通して歯に力を加えることにより、徐々に歯を動かして歯並びを整える方法です。
歯の根っこの周りには、歯を支えている骨(歯槽骨)があり、歯と歯槽骨の間には歯根膜というクッションの役割を果たす膜があります。矯正器具によって歯に力を加えることで、歯根膜が圧迫されて縮み、歯を動かしたい方向にある歯槽骨を溶かします。
反対側の歯根膜は引っ張られて伸びるため、伸びた歯根膜がもとの厚さに戻ろうとして、もともと歯があった場所には骨が再生されます。矯正治療では、このように歯槽骨の吸収と再生を繰り返しながら、歯を少しずつ移動させて歯並びを整えるのです。
ワイヤー矯正には、以下の3つの種類があります。
詳しく解説します。
表側矯正とは、ブラケットとワイヤーを歯の表面に装着する方法です。ワイヤー矯正の最も一般的な方法であるため症例数も多く、さまざまな歯並びに対応できるという特徴があります。
しかし、表側に矯正装置を装着するため、矯正装置が目立ちやすい点はデメリットでしょう。
裏側矯正とは、歯の裏側にワイヤーとブラケットを装着する方法です。歯の裏側に矯正装置を装着するので、装置が目立たないことが最大の魅力でしょう。
しかし、装置が裏側にあることで舌の動きが制限されて話しにくく、発音に影響が出る場合があります。表側矯正よりも費用が高額になることもデメリットでしょう。
また、歯並びによっては対応できない場合があります。取付けや調整に高度な技術が必要なため、取り扱っていない歯科医院もあります。
裏側矯正を希望する場合は、事前に歯科医院に確認をしましょう。
ハーフリンガル矯正とは、表側矯正と裏側矯正を掛け合わせた矯正方法です。目立ちやすい上の歯を裏側矯正、下の歯は表側矯正で行うため、装置が目立ちにくく費用を抑えられます。
上の歯だけでも裏側矯正を行うことで、矯正中の見た目の印象は大きく変わります。そのため、見た目によるストレスも軽減できるでしょう。
ワイヤー矯正では、ブラケットとワイヤーの2つの装置を使用します。これらの装置にはそれぞれ種類があ理、特徴も異なるためご自身に合ったものを選択しましょう。
以下に、ブラケットの種類を3つご紹介します。
メタルブラケットは、最も一般的に使用されている金属で作られたブラケットです。金属製のため目立つデメリットがありますが、強度と耐久性が高く破損のリスクが低いというメリットがあります。
高く耐久性に優れているため、重度の歯並びの乱れにも対応できます。
プラスチックブラケットは、透明であるため目立ちにくいことが大きな魅力です。
しかし、プラスチックなので金属性のブラケットに比べると弱く、大きな力をかける必要のある歯並びの乱れが重度の場合には向きません。また、食べ物や飲み物による着色や、時間の経過によって変色を起こす可能性があります。
プラスチックブラケットは、装置の見た目を気にする方にとっては良い選択肢と言えるでしょう。
セラミックブラケットは、虫歯治療後の詰め物や被せ物でも使用される、セラミック素材のブラケットです。セラミックは着色や変色を起こしにくく、天然歯に近い色調を再現できるという特徴があります。そのため、審美性を重視する方に選ばれることが多いです。
また、高い強度と耐久性があるため、重度の歯並びの乱れの場合でも対応できるでしょう。
装置の目立ちにくさと耐久性を合わせ持ったブラケットですが、金属やプラスチックのブラケットに比べて、費用が高額になる点はデメリットです。
主なワイヤーの種類は以下の2種類です。
メタルワイヤーは、最も一般的に使用されている金属のワイヤーです。
ステンレススチールやチタンなど、強度が高く耐久性に優れた金属で作られており、歯に矯正力をしっかりと伝えることができます。そのため、メタルワイヤーは重度の症例の治療にも効果的です。
しかし、メタルワイヤーは金属であるため、目立ちやすいというデメリットがあります。歯列矯正を行っていることを他人に知られたくない方や、見た目を重視する方は、別の種類のワイヤーを検討したほうがいいかもしれません。
ホワイトワイヤーは2種類あります。メタルワイヤーを白く塗装したものと、ロジウムという白い金属でコーティングしたものです。どちらも白いワイヤーであるため、メタルワイヤーに比べて目立ちにくいです。
しかし、メタルワイヤーに白い塗装をしたものは、歯磨きや食事などの摩擦によって塗装が徐々に剥げて、銀色の金属ワイヤーが露出する可能性があります。ロジウムという金属でコーティングしたものは、金属塗装のため使用中に剥げてくることはほとんどありません。
目立ちにくいブラケットと使用することで、より自然な見た目を保ちながら矯正治療を進められるでしょう。
ワイヤー矯正のメリット・デメリットは以下の通りです。
ワイヤー矯正のメリットについて解説します。
ワイヤー矯正には、対応できる症例が多いというメリットがあります。マウスピース矯正では対応が難しいとされている、歯を大きく動かす必要がある歯並びや、複雑な歯の移動が必要な歯並びでもワイヤー矯正であれば対応できるでしょう。
ワイヤー矯正で使用する装置は固定されており、自分で取り外しができません。そのため、マウスピース矯正のように装着時間などを自己管理する必要がないのです。
自己管理が苦手な方や面倒な方にとっては、大きなメリットと言えるでしょう。また、装置の紛失の心配もありません。
ワイヤー矯正は、歯並びの状態や治療速度に合わせて細かく調整が可能です。ゴムを使って一部の歯により強い圧力をかけ、歯を動かすこともできます。
歯の動きやすさなどには個人差があるため、矯正治療は当初の計画通りに進まないことも珍しくありません。ワイヤー矯正は細かな点を修正しつつ調整できるので、予定している位置に歯を動かしやすい点はメリットでしょう。
ワイヤー矯正のデメリットについて解説します。
ワイヤー矯正のデメリットには、装置が目立ちやすいことが挙げられます。人前で話す機会が多いなど、見た目が気になる方にとっては歯列矯正に踏み出せない理由となることもあるでしょう。
しかし、このデメリットは裏側矯正や目立ちにくい種類の矯正装置を選択することで、解決できます。
ワイヤー矯正は装置が固定されており、自分で取り外しができません。食事や歯磨きの際も装置をつけたまま行わなくてはいけないため、食べ物が装置に詰まりやすく食事がしにくいと言われています。
また、装置があるため歯磨きもしにくく、磨き残しが多くなりやすいです。虫歯や歯周病のリスクが高まる点はデメリットでしょう。
ワイヤー矯正は、基本的には保険適用外の自費治療となるため、歯科医院によって費用が異なります。また、選択するワイヤーやブラケットによっても費用が異なるため、実際にかかる費用は歯科医院で確認しましょう。
ワイヤー矯正の費用目安は、以下の通りです。
ワイヤー矯正の治療期間は、一般的には全体矯正で1年半〜3年程度、部分矯正で3ヶ月〜1年程度が目安です。
ただし、元々の歯並びの状態や、個人の歯の動き具合などによってかかる期間は変動します。特に、重度の歯並びの乱れを治療する場合などは長くなりやすいでしょう。
また、治療後は歯が元の位置に戻らないように、保定装置を装着して固定する必要があります。保定装置(リテーナー)を矯正治療と同程度の期間、装着しなければならないことも知っておきましょう。
ワイヤー矯正は長い歴史があるため症例数も多く、幅広い歯並びの問題に対応できるメリットがあります。矯正装置が目立つというデメリットはありますが、裏側矯正や目立ちにくい種類の装置を選択することで、装置を目立たなくできます。
ワイヤー矯正をする際には歯科医師としっかり相談し、メリット・デメリットを理解したうえで、自分に合った矯正方法を選択しましょう。
ワイヤー矯正を検討されている方は、横浜市緑区にある歯医者「礒部歯科医院」にお気軽にご相談ください。
当院は、虫歯・歯周病治療、インプラント、小児歯科、ホワイトニングなど、さまざまな診療に力を入れています。診療案内ページはこちら、ネット診療予約も受け付けておりますので、ぜひご活用ください。
日付: 2024年10月16日 カテゴリ:歯のコラム and tagged ワイヤー矯正
こんにちは。横浜市緑区にある歯医者「礒部歯科医院」です。
入れ歯を初めて作る人は、保険の入れ歯でも十分なのか知りたいでしょう。保険の入れ歯でも十分だと感じるかどうかは、人によって異なります。保険・自費それぞれの入れ歯にどのようなメリットやデメリットがあるのか知れば、ご自身に合う入れ歯を選べるかもしれません。
この記事では、保険と自費の入れ歯のメリット・デメリットを解説します。保険と自費の入れ歯の違いの比較も行うので、入れ歯の作成を検討している方はぜひ最後までご覧ください。
保険の入れ歯で十分と感じるかどうかは、人によって異なります。入れ歯には、噛む機能を補う、ほかの歯への負担を減らす、審美性を良くするといった役割があります。
保険の入れ歯は、安価に歯の機能・審美性を改善する最低限の治療です。そのため、症状によっては保険の入れ歯が最適ではないケースもあります。
歯を失う前と同じ生活をしたいと思っても、保険の入れ歯が最もよい選択にならない場合は自費の入れ歯も視野に入れなければならないでしょう。保険・自費の両方にメリットやデメリットがあるので、理解した上で選択する必要があります。
保険で作製する入れ歯のメリットとデメリットをご紹介します。
保険の入れ歯のメリットは、以下のとおりです。
保険の入れ歯には、保険が適用されるので費用の負担を抑えられます。保険証に書かれた負担割合によって異なりますが、全体の1〜3割で治療を受けられるのです。
3割負担の方の場合、5,000円〜1万5,000円程度で入れ歯を作成できます。費用をかけたくない、初めての入れ歯で不安という方は、保険の入れ歯から作ってみるのも方法の一つです。
保険の入れ歯を使用すれば、最低限の機能を補えます。先述したとおり、保険治療には細かいルールが定められているため、保険で作った入れ歯は最低限の機能回復しか望めません。
保険の入れ歯でも満足している患者様がいるのも事実ですが、さらにハイクオリティな入れ歯を求める方の要望にお応えするのは難しいでしょう。
シンプルな構造をしている保険の入れ歯は、短期間で作製可能です。歯が抜けた状態が長期間続いた場合、隣の歯が寄ってきたり歯並びが崩れたりする恐れがあるため、早く入れ歯を入れる必要があります。
保険の入れ歯は、2〜3週間程度の製作期間で完成します。自費の入れ歯より早く完成することが多いので、口腔内への影響を最小限に抑えられます。
消耗品である入れ歯は調整や修理が必要です。ひび割れや破折などのトラブルが起こっても、早めに歯科医院を受診すれば早急に調整・修理できます。
また、入れ歯は長く使えば使うほど摩耗するため、作り直しも必要です。特に問題がない場合も、数年に1回は再作成しなければなりません。保険の入れ歯は簡単な構造をしているので、作り直しも容易です。
しかし、作製後半年以上たってからでないと、保険での再作製はできないというルールがあります。半年以内に破損して作り直しが必要でも、保険で入れ歯は作製できません。短い期間で壊れないように丁寧に扱いましょう。
保険の入れ歯のデメリットは、以下のとおりです。
保険の入れ歯の素材はプラスチックなので、変色・変形・破損しやすいです。経年劣化しやすいので、丁寧に扱っても定期的に作り直す必要があります。
保険で作った入れ歯では、硬いものがしっかり噛めない場合があります。保険の部分入れ歯にはクラスプという金属のばねがついており、これをほかの歯にかけて安定させます。固定されているものの、噛むとズレやすいので硬いものは噛みにくいでしょう。
噛みにくいからといって、噛むのが簡単な柔らかいお米やうどんが中心になると栄養が偏ります。栄養不足に陥る恐れも否定できません。
自費の入れ歯にくらべ、保険の入れ歯は天然歯との馴染みはよくありません。特に部分入れ歯の場合、ほかの歯にかけた金属のクラスプが口を開けたときに見える恐れがあります。
保険内だとクラスプは金属でしか作製できないため、見た目に影響を及ぼす可能性が高いです。
保険の入れ歯は、クラスプをほかの健康な歯にかけて固定させます。クラスプをかけた歯には継続的に負荷がかかるので、寿命が短くなることがあります。
次に、自費で作った入れ歯のメリットとデメリットをご紹介します。
自費の入れ歯のメリットは、以下のとおりです。
自費の入れ歯は精密に作るため、フィットしやすく安定感があります。保険の入れ歯のように噛むとずれる、しっかり噛めない、話している最中に外れるといったリスクが低いです。
自費の入れ歯は、使用する素材に制限がありません。天然歯により近い人工歯や自分の歯ぐきとなじみやすいピンク色の樹脂を使うなど、審美性が高い入れ歯の作成が可能なのです。
また、保険の入れ歯ではプラスチックと金属しか使えませんが、お伝えしたとおり自費の入れ歯では制限がないので、機能性を高めることも可能です。お口の中にフィットしやすいシリコンを使用したり、天然歯の見た目に近いセラミックで人工歯を作ったりできます。
自費の入れ歯では高性能の素材を使用できるため、お口の中になじみやすいです。痛みや違和感などを軽減できるでしょう。入れ歯の床を金属にすれば、食べ物の温度や味を感じやすくなり、食事の楽しみを失う恐れもありません。
自費の入れ歯は構造も自由に作成できるので、周囲の歯に負担をかけないように作れます。自費の入れ歯なら、部分入れ歯の場合でも金属のクラスプをかけずに固定できるので、周囲の歯の寿命も保てます。
自費の入れ歯のデメリットは、以下のとおりです。
自費の入れ歯は、オーダーメイドで患者様の希望に合わせて作製します。ハイクオリティな入れ歯を作るため、費用は高くなります。保険適用外のため、全額自己負担です。
ただし、医療費控除を受けられる場合があります。
自費の入れ歯は、特に丁寧に扱う必要があります。保険の入れ歯にくらべて耐久性に優れていますが、壊れないわけではありません。誤って硬いところに落とした場合、割れる恐れがあります。また、保管も正しく行わなければいけません。
誤った方法で保管していると、入れ歯の寿命が短くなる可能性があります。食事のあとは、流水で汚れを洗い流し、専用のブラシで磨きましょう。洗浄剤につけるときは、ぬるま湯を使用します。熱湯につけると変形する恐れがあるのでご注意ください。
ここでは、保険と自費の入れ歯の違いを、表で確認してみましょう。
<保険と自費の入れ歯の比較>
入れ歯の種類 | 保険の入れ歯 | 自費の入れ歯 |
---|---|---|
費用 | 低価格 | 高額 |
素材 | 歯科用プラスチックと金属 | 制限がない(シリコンや金属など自由に選べる) |
審美性 | やや劣る | 良い |
異物感 | 慣れるまで異物感がある | 薄いので異物感は少ない |
耐久性 | 低い | 高い |
治療期間 | 2週間〜1か月 | 1〜3か月 |
痛み | 慣れるまで痛む | 少ない |
修理 | 修理しやすい | 修理が困難の場合もある |
保険の入れ歯は、上記のとおり低価格かつ短期間で作製できます。慣れるまで異物感や痛みを感じやすいので、調整が必要です。自費の入れ歯は異物感や痛みが出にくいとされています。
人によっては、保険の入れ歯でも十分と感じる方もいます。保険の入れ歯は様々な制限があるので、歯の機能を最低限回復するのが目的です。審美性や異物感の軽減を叶えるのは難しい場合があります。
一方、自費の入れ歯には制限がありません。全額自己負担になりコストがかかりますが、審美性・機能性が高い入れ歯を作成できます。
それぞれのメリット・デメリット、違いを考慮して、ご自身にあう入れ歯を選択しましょう。入れ歯を検討されている方は、横浜市緑区にある歯医者「礒部歯科医院」にお気軽にご相談ください。
当院は、虫歯・歯周病治療、インプラント、小児歯科、ホワイトニングなど、さまざまな診療に力を入れています。診療案内ページはこちら、ネット診療予約も受け付けておりますので、ぜひご活用ください。
日付: 2024年10月9日 カテゴリ:歯のコラム and tagged 入れ歯
こんにちは。横浜市緑区にある歯医者「礒部歯科医院」です。
虫歯が悪化して神経にまで達すると、神経を抜く処置が必要になることがあります。放置すると、強い痛みや炎症が生じるケースも少なくありません。
「歯の神経を抜くメリットは?」「どのような流れで歯の神経を抜くの?」などといった疑問をおもちの方もいるでしょう。
本記事では、歯の神経を抜く必要があるケースや治療の流れ、メリット・デメリットについて解説します。歯がズキズキと痛んでお悩みの方や根管治療が必要だと診断された方は、ぜひ参考にしてください。
虫歯になると必ずしも神経を抜かなければならないわけではありません。軽度の虫歯の場合は、虫歯を取り除いたあとに詰め物をすることが可能です。
しかし、虫歯が進行し、神経にまで達した場合や神経に炎症が起こった場合には神経を抜くことがあります。神経を抜く治療のことを抜髄と呼びます。ここでは、抜髄が必要な具体的なケースをまとめました。
歯がズキズキと痛む場合、抜髄が必要になることがあります。歯の内部には血管や神経が通っています。虫歯が神経に達すると刺激が加わるため、炎症を起こし、ズキズキと激しく痛むことも少なくありません。
虫歯が進行して激しい痛みが出ている場合は、歯の神経を抜いたほうがよいと診断されるケースが多いでしょう。
虫歯以外でも、歯を強く打ったり破損して神経が露出したりしたときに強い痛みを感じることがあります。さらに、ストレスが原因で歯が痛むことも珍しくありません。痛みの種類によっては、しばらく様子を見ることで治るケースも多いです。
しかし、ズキズキとした痛みが続く場合や悪化する場合は、歯の神経を抜くことがあるのです。
虫歯が進行して神経にまで達している場合は、歯の神経を抜く必要があります。ズキズキとした痛みや腫れ、発熱などによって眠れないことも少なくありません。
痛みがなくても、すでに虫歯菌が神経に入り込み、炎症や感染を引き起こしている場合、自然に治癒するのは不可能です。虫歯が進行して細菌が根管内に入り込むと、細菌が根管内で増殖します。
そのため、細菌に感染した神経を取り除き、根管内を洗浄・消毒する必要があるのです。
知らないうちに歯の神経が壊死していることがあります。例えば、進行した虫歯を放置していたり、歯に強い刺激が加わったりしたときなどに起こります。
神経が死ぬと痛みを感じなくなりますが、歯根の先にまで炎症が広がり、顎の骨が溶けたり腫れたりする可能性があります。そのため、壊死した神経を取り除き、洗浄・消毒する必要があるのです。
歯の神経を抜くことに対して、抵抗がある方もいらっしゃるでしょう。
しかし、必要に応じて歯の神経を抜くことで、いくつかのメリットがあります。本項目では、歯の神経を抜くメリットについて解説します。
歯の神経を抜くことで痛みから解放されるというメリットがあります。虫歯が進行して神経にまで達すると、ズキズキとした痛みを感じることがあります。
冷たいものや熱いもの、甘いものを口にしたときや噛んだ拍子に痛みを感じることが多いです。食事をはじめとする日常生活に影響を及ぼす可能性があります。痛みの根本原因を取り除くことで、痛みがなくなり、日常生活を快適に送れるでしょう。
歯の神経を取り除くことで、歯を残せるというメリットもあります。神経にまで達した虫歯を放置すると、歯の内部が細菌に感染して歯全体が大きなダメージを受けるリスクが高くなるでしょう。
しかし、歯の神経を抜くことで、抜歯を回避でき、自分の歯を残せる可能性があるのです。
虫歯が進行した歯の神経を抜くことで、周囲の歯への感染を防ぐこともできます。
虫歯が神経に達した状態を放置すると、歯の内部で細菌が繁殖し、歯茎や骨などの周囲の組織に膿が溜まり、痛みや腫れが生じることがあるのです。特に骨が炎症を起こすと激痛を伴い、歯を失う可能性も高くなるでしょう。
隣接している歯が虫歯になる可能性もあります。周囲の歯周組織や隣接する歯に悪影響が出る前に神経を抜くことによって虫歯の進行を防げます。神経を抜く処置は、感染拡大を防ぎ、口腔内の健康を保つための大切な処置といえるでしょう。
歯の神経を取り除くことにはメリットがありますが、デメリットもあります。本項目では、歯の神経を抜くデメリットについて解説します。
歯の神経を抜くと、歯に栄養が行き渡らなくなります。歯の内部の根管という管には神経や血管が存在し、歯に必要な栄養や酸素を供給するという大切な役割があります。
しかし、歯の神経を取り除くと、歯に栄養が届かなくなり、もろくなるのです。何らかの力が加わることによって、破損したり欠けたりするリスクが高くなります。
神経を取り除くと、徐々に歯が変色する可能性があります。歯の神経を抜くと、血液が循環しなくなります。すると、残留した血液の成分やコラーゲンが代謝されずに変色することがあるのです。神経を抜いた歯だけが変色するため、見た目を気にする方も少なくありません。
歯の神経を抜くことで痛みがなくなることはメリットであると同時に、デメリットにもなり得ます。痛みなどの感覚がなくなると、再び虫歯になっても気づきにくくなるのです。痛みは体の異常を知らせるサインであり、痛みを感じることで問題を早期に発見できます。
虫歯などのトラブルの発見が遅れると、大掛かりな治療が必要になったり抜歯が必要になったりするリスクがあるでしょう。
歯の神経を抜いたあとにしっかりとメンテナンスをしなければ寿命が短くなる可能性があります。上記で解説したように、歯に栄養が行き渡らずもろくなったり、痛みなどの感覚がなくなるため虫歯に気づかなかったりするためです。
とはいえ、必ずしも寿命が短くなるというわけではありません。歯の神経を抜いたあとの歯の寿命は、5年〜30年と幅があります。しっかりと口腔ケアをしたり、定期検診を受けたりすることで、寿命を延ばせることも少なくありません。
虫歯で神経を抜く治療は、次の流れで行います。
上記のように、神経を抜く治療はいくつかのステップを経て進めます。
麻酔をするため、神経を抜くときに痛みはありません。虫歯部分を削って神経を露出させたら、専用の器具を使って神経を取り除きます。その後、根管内が無菌状態になるまで洗浄と消毒を繰り返します。
根管内が無菌状態になったら、薬剤を詰めて細菌が中に入り込まないように防ぎます。その後、歯の機能を回復させるために被せ物を装着したら治療は完了です。歯の神経を抜く治療にかかる期間は、1か月〜2か月程度です。
歯の神経を抜くデメリットを考えると、できるだけ神経を抜かずに残したいと希望する方も少なくありません。
歯の神経を残す治療のことを、歯髄温存療法と呼びます。歯髄温存療法では一般的に、覆髄法(ふくずいほう)という処置を施します。
覆髄法には、虫歯によって露出した歯髄に直接薬剤を塗布する直接覆髄法と、虫歯が神経の近くまで進行している場合に薬剤を使用して保護する間接覆髄法の2つの方法があります。
全ての症例で覆髄法が適応となるわけではありませんが、これによって歯の神経を残せるケースも少なくありません。できるだけ神経を残したいと希望する方は、歯科医師に相談してみましょう。
今回は、虫歯が進行し神経を抜く必要があるケースや、歯の神経を抜くメリット・デメリットについて解説しました。
虫歯が進行すると、神経がズキズキと痛むことがあります。放置すると周辺の歯や歯周組織にも影響を及ぼす可能性があるため、神経を抜いて感染拡大を防ぐ必要があります。神経を抜くことで痛みがなくなり、ご自身の歯を残せる可能性が高まります。
とはいえ、神経を抜いた歯は、栄養が行き渡らなくなるためもろくなります。また、痛みなどの感覚がなくなるため、虫歯の再発にも気づきにくくなるでしょう。歯の神経を抜いたあとは、今まで以上に口腔ケアを徹底する必要があります。
根管治療を検討されている方は、横浜市緑区にある歯医者「礒部歯科医院」にお気軽にご相談ください。
当院は、虫歯・歯周病治療、インプラント、小児歯科、ホワイトニングなど、さまざまな診療に力を入れています。診療案内ページはこちら、ネット診療予約も受け付けておりますので、ぜひご活用ください。
日付: 2024年9月25日 カテゴリ:歯のコラム and tagged 神経, 虫歯, 虫歯治療