インプラントを除去しなければならないケースと除去後の対処法!

インプラントを除去しなければならないケースと除去後の対処法!

こんにちは。横浜市緑区にある歯医者「礒部歯科医院」です。

インプラントを除去しなければならない説明

インプラントは適切なメンテナンスを行なえば機能性・審美性に優れた歯を長期間維持できます。

しかし、インプラントの破損や感染などのトラブルにより、除去しなければならないことがあります。「除去しなければならないのはどんなケース?」「インプラントを除去する場合の費用は?」などの疑問をお持ちの方もいるのではないでしょうか。

インプラント治療を検討する際は、除去が必要になるケースがあることを理解しておくことが大切です。

今回は、インプラントを除去しなければならないケースや除去する方法、費用、除去後の対処法について解説します。インプラント治療を受けた方や、インプラント治療を検討している方は、ぜひ参考にしてください。

インプラントを除去しなければならないケースとは?

インプラントのイメージ

インプラントの寿命は約10〜15年と長く、しっかり噛めて見た目も美しい歯を長期間使用できます。

しかし、治療後のトラブルによりインプラントを除去しなければならないことがあります。

インプラントの除去が必要になるケースは、以下のとおりです。

  • インプラント周囲炎
  • 細菌感染
  • 周辺組織の損傷
  • インプラントの破損
  • 金属アレルギー

それぞれくわしく解説します。

インプラント周囲炎

インプラント周囲炎とは、インプラントの周囲組織に発症する炎症性の疾患です。インプラント周囲炎になるとインプラントの除去が必要になる可能性があります。インプラントは適切なケアを行えば非常に寿命が長い治療法です。

しかし、毎日の歯磨きや歯科医院でのメンテナンスを怠ると、汚れが蓄積してインプラント周囲炎の発症リスクが高まります。

喫煙習慣のある方や糖尿病などの持病で免疫力が低下している方、インプラント手術前に歯周病にかかっている方はインプラント周囲炎を発症しやすくなるため注意が必要です。

インプラント周囲炎は初期では自覚症状が出ないことも多いですが、進行すると歯茎からの出血や膿が出るなどの症状が現れ、歯茎が下がってインプラント体が露出することもあります。

治療を受けずに放置すると歯槽骨の破壊が進み、最終的にはインプラントが抜け落ちることもあります。インプラントを支える顎の骨が溶けるため、再度インプラント治療を受けることが難しくなるでしょう。

細菌感染

インプラント手術後の細菌感染でインプラントの除去が必要になるケースもあります。術後のメンテナンスが不足している方や喫煙習慣がある方、糖尿病などの持病がある方、インプラント手術前に歯周病にかかっている方は術後感染を起こしやすいです。

また、歯科医院の感染対策が不十分だった場合、術中に細菌が入り込んでインプラント埋入部位が術後感染を起こすリスクが高くなります。

細菌感染を起こすと強い痛みや腫れ、膿が出るなどの症状が現れるだけでなく、インプラント体と顎の骨が結合せずインプラントが抜け落ちるおそれがあるのです。

インプラント治療を受ける歯科医院を選ぶときは、院内の環境や衛生面もチェックしておくことが大切です。

周辺組織の損傷

インプラント手術の際に周辺組織を損傷した場合は、インプラントの除去が必要になる可能性があります。

インプラントが適切な位置・深さ・角度に埋入されないと神経や血管、周囲の歯の歯根を傷つけたり、上顎洞を貫通して上顎洞炎を引き起こしたりするおそれがあります。

これらのトラブルはインプラント手術前に十分な検査を行うことで防ぐことができますが、損傷した場合はインプラントを除去しなければならないでしょう。

インプラントの破損

インプラントが破損した場合もインプラントの除去が必要になる可能性があります。

ただし、必ずしも除去が必要になるわけではありません。顎の骨に埋め込んだ人工歯根が破損した場合は除去が必要になりますが、人工歯やアバットメント(インプラント体と人工歯根の連結部)が破損した場合は修理・交換で対処できるケースが多いです。

インプラントの人工歯根はチタンなどでできているため、破損することはほとんどありません。破損のおもな原因は長期間の使用による経年劣化や、製造上の問題であると考えられています。

人工歯根が破損した状態で放っておくとインプラント周囲炎などのトラブルの原因になるため、できるだけ早く歯科医院を受診しましょう。

金属アレルギー

インプラント治療では、生体親和性が高く金属アレルギーが起こりにくいチタンという金属を使用するため、金属アレルギーの方でも治療を受けられます。

しかし、ごく稀にチタンでアレルギー反応を起こす方もいます。インプラント埋入後に金属アレルギーを発症し、口内炎や扁平苔癬などのアレルギー症状がみられる場合は、インプラントを除去しなければなりません。

金属アレルギーが心配な方は、インプラント治療を受ける前に必ず歯科医師に相談しましょう。

インプラントを除去する方法

インプラント除去の手術

インプラントを除去するときは、埋入時と同じように外科手術が必要です。局所麻酔のもと歯茎を切開して骨を露出させ、専用のドリルを用いて除去します。

インプラントはドリルを回転させて顎の骨に埋入します。ドリルで埋入するときと逆回転の力を加えることで、顎の骨に埋め込んだインプラントを除去できるのです。

ただし、除去するインプラントがブレードタイプや骨膜下インプラントなどの古いタイプの場合は、骨を大きく削らなければ除去できません。

また、インプラント体が上顎洞に入り込んでいる場合や、通常の方法では除去できない場合は、口腔外科などの専門機関での治療が必要です。

インプラントを除去する場合の費用

インプラントを除去する費用イメージ

インプラントを除去する場合の費用は、保険診療か自費診療かで大きく異なります。

インプラントの除去が保険適用となるのは、インプラント治療を受けた歯科医院とは別の歯科医院で治療を受ける場合です。インプラント治療を受けた病院で除去する場合は保険が適用されません。

インプラントを除去する場合の費用は、以下のとおりです。

保険診療の場合

歯科医師がインプラントの除去が必要であると診断した場合は保険が適用されます。費用は埋入されているインプラントの種類により異なり、初診料や再診料、検査費用、処方箋料などが別途必要となります。

インプラントの種類ごとの費用は、以下のとおりです。

人工歯根タイプ

現在最も広く普及しているタイプのインプラントです。人工歯根タイプのインプラントを除去する場合の費用は、3割負担の場合で1本あたり1,400円程度です。

ブレードタイプ

ブレードタイプのインプラントは、板状の金属製の土台を埋め込んで人工歯を装着するタイプのインプラントです。ブレードタイプのインプラントを除去する場合の費用は、3割負担の場合で1本あたり3,750円程度です。

骨膜下インプラント

骨膜下インプラントは、骨の上に置いた金属製のフレームを骨膜と歯茎で覆い、フレームの柱に人工歯を固定する治療法です。現在ではほとんど行なわれていません。骨膜下インプラントを除去する場合の費用は、3割負担の場合で1本あたり5,100円程度です。

自費診療の場合

自費診療でインプラントを除去する場合の費用は歯科医院によって異なりますが、全額自己負担になるため高額です。

ただし、インプラントの保証が適用されるケースでは、無料や一部自己負担で除去できる可能性があります。インプラント治療を受ける際は、事前に保証内容や適用条件について確認しておくと安心です。

インプラントを除去したあとはどうする?

インプラントを除去したあとの選択肢

インプラントを除去したあとは、再度インプラント治療を受けるか、ほかの治療法を選択することになります。

インプラントを除去したあとの治療の選択肢は、以下のとおりです。

  • 再度インプラント治療を受ける
  • 入れ歯で治療する
  • ブリッジで治療する

それぞれくわしく解説します。

再度インプラント治療を受ける

除去したインプラント周囲の骨がしっかり残っている場合は、再度インプラント治療を受けられる可能性があります。インプラントでの再治療を希望しても、顎の骨の状態によっては再治療が受けられないことを理解しておきましょう。

入れ歯で治療する

除去したインプラント周囲の顎の骨が残っていない場合は、入れ歯で失った歯を補うことができます。

入れ歯には残っている歯に金具をかけて固定する部分入れ歯と、歯が残っていない場合に適応となる総入れ歯があります。保険適用の入れ歯を選択すれば、インプラントより大幅に費用を抑えて治療が可能です。

しかし、入れ歯は装着時に痛みや違和感が生じやすく、しっかり噛めない、食べかすが挟まりやすいなどのデメリットがあります。

保険診療の入れ歯の場合は食べ物や飲み物の温度を感じにくく、味わいに影響が出るのがデメリットですが、自費診療の金属床の入れ歯であれば熱がしっかり伝わります。入れ歯には多くの種類があるため、自分に合ったものを選択しましょう。

ブリッジで治療する

除去したインプラントが1本で両側の歯が残っている場合はブリッジで治療が可能です。ブリッジとは、失った歯の両隣の歯を土台にして、橋を渡すように被せ物を装着する治療法です。

ブリッジも入れ歯と同じように保険が適用されるため、インプラントで再治療するよりも費用を抑えることができます。また、入れ歯よりも違和感が少なく、しっかり噛めるのがメリットです。

ただし、ブリッジでは土台となる両隣の歯を削らなければなりません。噛んだときに土台の歯に負担がかかり、歯の寿命を縮める原因にもなります。

どの治療法にもメリット・デメリットが存在するため、歯科医師に相談して最適な治療法を選択しましょう。

まとめ

インプラントの器具

インプラントは適切なメンテナンスを行なえば、機能性・審美性に優れた歯を長期間使用できます。

しかし、日々の口腔ケアやメンテナンスを怠るとトラブルが生じ、インプラントの除去が必要になることがあります。

インプラントの除去が必要となるケースは、インプラント周囲炎や細菌感染、手術の際の周辺組織の損傷、インプラントの破損、金属アレルギーなどさまざまです。インプラントを除去する際は埋入したときと同じように外科手術が必要になります。

インプラント治療を受けた歯科医院で除去すると自費診療になりますが、別の歯科医院で治療を受ける場合は保険が適用され、1本あたり1,400円程度で除去が可能です。

インプラントにトラブルが起きたときは放置せず、早めに歯科医院を受診して診察を受けましょう。

インプラントを検討されている方は、横浜市緑区にある歯医者「礒部歯科医院」にお気軽にご相談ください。

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