こんにちは。横浜市緑区にある歯医者「礒部歯科医院」です。
歯に対する意識の向上にともない、大人になってから矯正を始める人の数は増加傾向にあります。中でも注目を集めているのは、矯正装置が透明で目立たずに治療できるマウスピース矯正です。
しかし「マウスピース矯正の名前は知っているけれど、具体的にどんな治療なのかわからない」という方も、いるのでははないでしょうか。
今回は、年々需要が増加しているマウスピース矯正の種類や治療の内容、メリット・デメリットについて詳しく紹介します。治療にかかる費用や期間の目安もご紹介するので、ぜひ参考にしてください。
マウスピース矯正とは
マウスピース矯正は、歯列矯正の方法の一つです。ワイヤー矯正と異なり、透明で薄いマウスピースを段階ごとに交換しながら装着し、少しずつ歯を動かして歯並びを整えます。
マウスピース矯正の歴史
マウスピース矯正が誕生したのは、今から100年前だという説もありますが、今のマウスピース矯正の形状が開発されたのは1990年代です。マウスピース矯正が急速に普及したのは、1997年にアメリカでインビザラインが開発されてからと言われています。
2006年には、日本でもインビザラインの提供が開始され始めました。その後、技術的進化を繰り返しながら、次第にマウスピース矯正が矯正治療の選択肢として本格的に浸透していったのです。
マウスピース矯正は、ワイヤー矯正と比べて目立ちにくいことや、取り外し可能で生活の中でストレスが少ないことが大きく評価され、世界中に広く普及しました。現在では、インビザライン以外にも多くのブランドが存在し、さまざまなマウスピース矯正の選択肢があります。
マウスピース矯正の仕組み
マウスピース矯正は、形状が少しずつ異なるマウスピースを段階ごとに交換しながら治療を進めていきます。歯とマウスピースの位置のズレを利用して、歯に圧力をかけて正しい位置に移動させるのです。
最初は現状の歯列に近いマウスピースからはじめ、最終的には理想の歯並びのマウスピースまで、ゆっくりとマウスピースの形に合わせて歯を移動させます。
使用するマウスピースの数は、元の歯並びの乱れ具合などによって異なります。歯並びの乱れが大きいほど、必要なマウスピースの枚数も増えるのです。
患者さまによって必要枚数は異なりますが、一般的に全体矯正の場合は40〜60枚ほどが目安とされています。マウスピースを交換するペースは1〜2週間ごとです。
また、マウスピース矯正は、1日20〜22時間以上マウスピースを装着しなければなりません。食事や歯磨きの時以外、就寝中も常に着用が求められます。
装着時間が不足すると矯正の効果を十分に得られず、満足のいく結果にならない可能性があるので、注意しましょう。
マウスピース矯正の種類
日本国内で提供されているマウスピース矯正には様々なブランドが存在し、国内外のメーカーが参入しています。ブランドによって、対応症例や治療にかかる費用・期間も異なります。
そのため、値段以外にも矯正範囲や治療の目的など様々な面を考慮して、ご自身の希望と合う特徴を持つブランドを選択するようにしましょう。以下に、日本で販売されている代表的なマウスピース矯正のブランドをご紹介します。
インビザライン(Invisalign)
インビザラインは1997年にアメリカで誕生して以来、1700万件以上の利用実績がある、世界中で圧倒的なシェアを誇るマウスピース矯正のブランドです。3Dコンピューター技術で歯の動きをシミュレーションして治療計画を立て、それに基づいて矯正治療を進めていきます。
他のブランドでは、歯型の採取が複数回必要ですが、インビザラインでは歯型の採取が1回しか必要ありません。1回の歯型取りで、必要なマウスピースを全て設計・作製ができます。
3D光学スキャナーを使用して歯形を取ることで、緻密な型取りと高度なシミュレーションができます。そのため、難しい症例にも対応可能な場合が多いのです。
クレアコレクト(ClearCorrect)
クリアコレクトは、インプラントを販売しているストローマングループのマウスピース矯正です。日本よりも歯列矯正が一般的なアメリカでは、インビザラインの次に人気があると言われています。
他のブランドのマウスピースと異なり、歯茎を2mm程度覆うように作られているので歯との密着感が高く、歯を動かす力が強いです。そのため、矯正力を補うアタッチメントの数を減らすことができるでしょう。
また、光沢が出ないように加工されているので、より目立ちにくいという特徴があります。部分矯正から全体矯正まで対応可能で、費用はインビザラインより安価に設定されていることが多いでしょう。
アソアライナー(AsoAligner)
アソライナーは、アソインターナショナルが発売している矯正装置です。奥歯に問題がない前歯の部分矯正や矯正の後戻りなど、症状が軽いケースに対応できます。
抜歯が必要な症例や奥歯の噛み合わせが悪い重度の不正咬合などは、対応できないことがほとんどなので、注意しましょう。
アソアライナーは、ソフト・ミディアム・ハードの3タイプの硬さのマウスピースを矯正治療の段階によって使い分け、歯を動かしていく仕組みです。日本のメーカーなので、マウスピースの作成期間が短く、治療を早く開始できます。
キレイライン
キレイラインは、Sheep Medical Technologiesという会社が提供しているマウスピース矯正です。他のマウスピース矯正に比べて、かなり安価に治療できるという特徴があります。
前歯の部分矯正のみが対象で、奥歯の矯正を伴う全顎矯正や抜歯が必要な症例には対応できません。
機能面の改善より審美面の向上を目的としている方に、選ばれることが多いです。そのため、キレイラインは治療回数をご自身で決定でき、満足したところで治療を終えられます。
マウスピース矯正のメリット・デメリット
マウスピース矯正には、メリットとデメリットの両方が存在します。以下で、それぞれについて解説します。
メリット
マウスピース矯正の最大のメリットは、矯正装置が目立ちにくいことでしょう。マウスピースは薄く透明なため装着していても気づかれにくく、人と接する機械の多い方でも人目を気にせず治療を継続できます。
マウスピースはご自身で取り外せるので、食事や歯磨きを普段通りに行える点もメリットの一つです。矯正器具に食べ物が挟まることがなく歯磨きもしやすいので、虫歯や歯周病のリスクも抑えられます。
短時間であれば外しても問題ないので、写真を撮るときや人前に立つときなども外すことができるのも魅力的です。
また、ワイヤー矯正と違い矯正器具に金属を一切使用していないので、金属アレルギーの方でも安心して矯正治療ができます。ワイヤー矯正よりも歯にかかる力が小さいので、痛みや不快感も少ない点もメリットと言えるでしょう。
デメリット
マウスピース矯正には、メリットだけでなくデメリットも存在します。
マウスピース矯正は全ての症例に対応できるわけではなく、適応症例が限られていることが、デメリットの一つです。大きな移動が必要な場合や骨格に問題がある症例の場合は、ワイヤー矯正や外科矯正が必要になります。
自己管理が必要な点もデメリットに挙げられるでしょう。
マウスピース矯正では、マウスピースの装着時間が1日20〜22時間以上必要とされています。つけ忘れなどで装着時間が短くなると、計画通りに歯が動かず望む結果にならない恐れがあるでしょう。
また、飲食の際は基本的にはマウスピースを外す必要があり、その都度洗浄しなくてはなりません。
マウスピース矯正は、治療結果は本人の努力が大きく関係します。そのため、自己管理が苦手な方には向いていないかもしれません。
マウスピース矯正の費用と期間の目安
ここからは、マウスピース矯正の費用と期間の目安をご紹介します。
治療費用
マウスピース矯正は、基本的に保険適用外の自由診療のため、全額自己負担です。一般的には、部分矯正の場合10万〜60万、全体矯正で60万〜120万が目安とされています。
また、自由診療のため、歯科医院によって費用は異なります。一律ではないので、上記の値段はあくまで目安として参考にしてください。
歯科医院によっては、別途で検査費用や調整費用がかかることもあります。そのため、ご自身の場合総額でいくらかかるのか、事前にしっかりと確認することが重要です。
治療期間
マウスピース矯正の治療期間は個人差がありますが、部分矯正の場合3ヶ月〜1年程度、全体矯の場合2〜3年程度が目安とされています。
しかし、マウスピースの装着時間が短くなったり、治療中に虫歯や歯周病になったりすると、矯正期間が長引く可能性が高いです。そのため、定期的な歯科医院でのメンテナンスやセルフケアを怠らず、指定された装着時間を守ることが重要です。
まとめ
マウスピース矯正は開発当初から進化を続け、徐々に対応できる症例も多くなってきました。目立つことなく快適に治療を受けられるため、メリットの多い魅力的な矯正治療といえます。
マウスピース矯正には様々な種類があり、それぞれ特徴も異なります。歯科医師に相談し、自分に合った治療法を探してみましょう。
マウスピース矯正を検討されている方は、横浜市緑区にある歯医者「礒部歯科医院」にお気軽にご相談ください。
当院は、虫歯・歯周病治療、インプラント、小児歯科、ホワイトニングなど、さまざまな診療に力を入れています。診療案内ページはこちら、ネット診療予約も受け付けておりますので、ぜひご活用ください。
日付: 2024年10月23日 カテゴリ:歯のコラム and tagged マウスピース, マウスピース矯正