小児矯正の種類を対象年齢ごとに徹底紹介!種類ごとの費用と期間の比較も

小児矯正の種類を対象年齢ごとに徹底紹介!種類ごとの費用と期間の比較も

こんにちは。横浜市緑区にある歯医者「礒部歯科医院」です。

小児矯正の診察の様子

小児矯正には、成長段階に応じたさまざまな治療法があります。特に、6歳から12歳の混合歯列期に行われる1期治療が重要とされており、この時期に適切な矯正を行えば、将来の歯並びや噛み合わせを良好に保つことが可能です。

この記事では、小児矯正の種類やそれぞれの特徴を、対象年齢ごとに解説します。費用と治療期間や小児矯正の種類を選ぶときのポイントなどもご紹介するので、小児矯正を検討している方は、ぜひ参考にしてください。

小児矯正の種類[〜12歳]

12歳以下の子どもに行う拡大床の装置

12歳までの小児矯正では、主に子どもの成長を活かして顎の発育をサポートする治療が行われます。この時期の矯正は1期治療とも呼ばれ、将来の歯列や噛み合わせの土台作りを目的としています。

1期治療で使用される装置の種類は、可撤式矯正装置と固定式矯正装置、顎外固定装置の三つに大きく分けられます。それぞれについて解説します。

 可撤式矯正装置(取り外し可能な装置)

可撤式矯正装置は取り外しが可能なため、食事や歯磨きをふだん通り行えます。口腔内を清潔に保ちやすく、虫歯などのトラブルのリスクを低減できる点はメリットです。

しかし、子どもが嫌がって装置を外すなど、装着時間が短くなると治療効果が得にくくなるため、装着時間の管理が重要です。代表的な可撤式矯正装置には、以下の7つが挙げられます。

  • 拡大床
  • リップバンパー
  • バイオネーター
  • ムーシールド
  • プレオルソ
  • ツインブロック
  • インビザライン・ファースト

拡大床は顎を広げるための装置で、ネジの力で顎の幅を徐々に拡張します。装着時間は症状に応じて異なりますが、12~15時間が一般的な目安です。

リップバンパーは、下顎を広げるのを目的としています。唇の前にあるパッドが唇を押す力によって奥歯を後方に動かしてスペースを作り、歯並びや噛み合わせを効率的に整える仕組みです。

バイオネーターは、下顎の成長が不足している場合に使用されます。ワイヤーとプラスチックでできており、ネジで装置の幅を調整することによって力を加え、下顎が前方に成長するよう促します。

ムーシールドやプレオルソは、受け口の矯正に用いられるマウスピース型の装置です。舌や口周りの筋肉を鍛えて顎のバランスを整えます。

ツインブロックは装置が上下に別れており、噛む力を利用して顎を正しい位置に導きます。出っ歯など、上下の顎のバランスが悪い場合に使用される装置です。

インビザライン・ファーストは透明なマウスピース型の矯正装置です。1日20時間以上装着し、1〜2週間ごとに次の段階のものに交換しながら、顎の成長と歯の位置をコントロールします。

 固定式矯正装置(取り外し不可能な装置)

固定式矯正装置は、歯に固定して治療する装置です。取り外せないため、紛失や装着時間の不足による治療の遅れなどの心配はありません。

しかし、装置の手入れが難しく、虫歯のリスクが高くなる可能性があるでしょう。代表的な固定式矯正装置には、以下の4つが挙げられます。

  • 急速拡大装置
  • リンガルアーチ
  • タングガード
  • 部分ワイヤー

急速拡大装置は、上顎の幅を広げて永久歯が生えるスペースを確保するための装置です。子どもの成長を利用して顎の横幅を広げるので、上顎の成長が止まる8~12歳までに使用するのがよいとされています。

リンガルアーチとは、左右の奥歯を支えにして前歯の裏側に装着し、歯が生えるスペースを確保するための装置です。主に受け口の治療に使用され、矯正装置が目立ちにくいというメリットがあります。

タングガードは、舌で前歯を押さないようにするための装置です。舌癖による嚙み合わせのズレを予防・改善する効果が期待できます。

部分ワイヤーは、前歯の歯並びを部分的に矯正する装置です。奥歯を土台として前歯にブラケットとワイヤーを装着し、出っ歯や反対咬合などを矯正します。症例によっては、他の装置を併用することもあるでしょう。

顎外固定装置

顎外固定装置は、主に顎の骨の成長バランスが崩れている場合に使用される矯正装置です。頭や顎など、口の外に装着するため見た目が気になるかもしれませんが、就寝中や家の中での装着を指示されることが多いです。

代表的な固定式矯正装置は、以下のとおりです。

  • ヘッドギア
  • 上顎前方牽引装置
  • チンキャップ

ヘッドギアは顎の成長を抑え、歯並びのバランスを調整するために使われる矯正装置です。主に上顎が成長しすぎていることが原因の、上顎前突(出っ歯)などに用いられます。

上顎前方牽引装置は、上顎骨を前方へ成長させるために使用される装置です。フェイシャルマスクに付いているフックと口腔内装置のフックを矯正用ゴムで連結し、上顎に前方への牽引力をかけます。反対咬合(受け口)の改善を目的として使われることが多いでしょう。

チンキャップは下顎の過剰な成長を抑制するための装置で、主に受け口の症状が出ている場合に使用されます。帽子のように被り、下顎の先端にカップ状の部分を当てて固定することで、下顎の成長を抑える効果があります。

 小児矯正の種類[13歳以降]

ワイヤー矯正を行う女の子

13歳以降の小児矯正は2期治療とも呼ばれ、永久歯が生え揃った段階で行われる治療です。この時期の矯正治療は、大人とほぼ同じ方法で歯を動かして歯並びや噛み合わせを整えることを目的としています。

2期治療の代表的な矯正方法は、以下のとおりです。

ワイヤー矯正

ワイヤー矯正とは、歯の表面にブラケットを装着し、ワイヤーを通して歯を動かす矯正方法です。ワイヤー矯正は、表側矯正と裏側矯正に大きく分けられます。

表側矯正は、歯の表側にブラケットとワイヤーを装着し、歯を動かしていく矯正方法です。歯の表側に装置があるため目立ちやすい点はデメリットですが、費用を抑えやすく発音に与える影響が少ないなどのメリットもあります。

裏側矯正は、ブラケットとワイヤーを歯の裏側に装着します。表側から装置が見えないため、外見を気にすることなく治療が進められる点は、大きなメリットでしょう。裏側に装置を装着するため調整には高い技術が必要とされており、費用が高額になりやすいです。

マウスピース矯正

透明なマウスピース型の装置を使った矯正方法で、目立ちにくく取り外しが可能な点がメリットです。マウスピースを1日20時間以上装着し、数週間ごとに交換しながら歯並びを整えていきます。

食事や歯磨きの際には取り外せるため、口腔内の清潔を保ちやすいです。装着時間が不足すると効果を十分に得られないため、自己管理が苦手なお子さまには向いていないかもしれません。

小児矯正の種類ごとの費用と期間

小児矯正にかかる費用と期間のイメージ

以下に、矯正装置の種類ごとの費用と治療期間の目安をご紹介します。

<小児矯正の種類ごとの費用と期間の目安>

小児矯正の種類 費用 治療期間
可撤式矯正装置 3万〜80万円 1年~3年
固定式矯正装置 3万〜5万円 1年~3年
顎外固定式装置 30万〜40万円 1年~3年
ワイヤー矯正 50万円〜150万円 1年半〜2年半
マウスピース矯正 60万円〜100万円 2年〜3年

お口の状態によっても適切な矯正装置が異なるため、詳しい費用について知りたい場合は、歯科医院にご相談ください。

また、小児矯正の一期治療にかかる期間は、1~3年程度が一般的です。その後、永久歯が生え揃った段階で2期治療が必要かどうかを検討します。

お口の状態によって治療期間は異なるので、気になる方は歯科医院を受診して相談すると良いでしょう。

小児矯正の種類を選ぶときのポイント

小児矯正を選ぶポイントを伝える女性のイメージ

小児矯正では、お子さまの性格や生活習慣、症例に応じて歯科医師と相談し、矯正装置を選ぶことが重要です。例えば、固定式矯正装置は取り外しの手間がかからないため、装着時間の管理が難しい小さなお子さまに選ばれる傾向にあります。

また、スポーツや楽器演奏を行うお子さまには、装置が口腔内で邪魔にならないよう、日中の装用を避けられる顎外固定装置などを選択するといいかもしれません。

成長段階や性格に合わせて、歯科医師と十分に相談しながらお子様に合った装置を選ぶことが大切です。適切な矯正装置を使用することで、治療効果を最大化して無理なく矯正を進められるでしょう。

まとめ

小児矯正でキレイな歯並びになった女の子

小児矯正は、お子さまの成長に合わせて行う治療です。

混合歯列期(6歳〜12歳)には、可撤式矯正装置や固定式矯正装置、顎外固定装置などの選択肢があります。それぞれの装置には特徴があり、治療効果や装着時間、費用も異なります。

13歳以降は永久歯を対象とした2期治療を行います。主な治療方法は、ワイヤー矯正やマウスピース矯正です。

小児矯正では、お子さまの性格や生活スタイルに合った装置を選ぶことが大切です。矯正装置を歯科医師と相談して選択し、適切な治療計画を立てることで効果的に矯正を進められるでしょう。

小児矯正を検討されている方は、横浜市緑区にある歯医者「礒部歯科医院」にお気軽にご相談ください。

当院は、虫歯・歯周病治療、インプラント、小児歯科、ホワイトニングなど、さまざまな診療に力を入れています。診療案内ページはこちらネット診療予約も受け付けておりますので、ぜひご活用ください。

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