こんにちは。横浜市緑区にある歯医者「礒部歯科医院」です。
「歯ぎしりをするとセラミックの歯にどのような影響があるの?」「歯ぎしりからセラミックの歯を守るためにはどうしたらいいの?」など疑問をおもちの方もいるでしょう。
歯ぎしりの癖があるとセラミックの歯はもちろん、天然の歯や顎にも影響を及ぼすことがあるため、適切に対処する必要があります。
今回は、歯ぎしりがセラミックの歯に与える影響と歯ぎしりからセラミックの歯を守るための方法を解説します。セラミック治療を検討されている方は、ぜひ参考にしてください。
歯ぎしりとは?
歯ぎしりとは、就寝中や無意識のうちに上下の歯をギリギリとこすり合わせることをいいます。
歯ぎしりには以下のようにいくつか種類があります。
グラインディング
グラインディングとは、上下の歯を強く噛みながら横に擦り合わせるように動かすタイプの歯ぎしりです。多くの方が歯ぎしりとして認識しているのがこのタイプでしょう。ギリギリと音がするので、他人にも気づかれやすいです。
グラインディングによって、歯が削れることがあります。歯が平らになっている場合、グラインディングをしている可能性があります。
クレンチング
クレンチングとは、上下の歯を強く噛みしめることです。グラインディングとは異なり、横に擦り合わせることはしません。大きな力を使う時や衝撃を受けた時などに歯を噛みしめることもあるでしょう。
しかし、人が上下の歯を噛み合わせているのは通常5〜20分程度です。就寝中、無意識のうちにクレンチングをしている方は、20分を大幅に超えた時間、歯に強い力がかかり続けることになります。
タッピング
タッピングとは、寒くてガタガタ震えている時のように、上下の歯を小刻みにぶつけるタイプの歯ぎしりです。カチカチと音が鳴るのが特徴です。習慣的にタッピングをしている方は、他の歯ぎしりと比較すると多くはありません。
歯ぎしりの原因
なぜ歯ぎしりをするのでしょうか。
歯ぎしりの原因には、主に以下のようなものがあげられます。
ストレス
歯ぎしりの主な原因はストレスです。日ごろのストレスを解消するために、就寝中に歯ぎしりや食いしばりをしていると考えられます。
悪い歯並び
歯並びが悪いと、上下の歯の噛み合わせが悪くなります。噛み合わせが悪いと口内が安定しにくくなるため、歯ぎしりしやすくなるのです。
また、詰め物や被せ物の高さが合っていないことで噛み合わせが悪くなり、歯ぎしりをするケースもあるでしょう。
睡眠の質が悪い
睡眠の質が悪いことも、歯ぎしりの原因といわれています。枕が合っているかも重要です。高すぎる枕を使用すると、首に角度がつきやすくなります。うつむいたような向きになるので奥歯を噛みしめやすくなるでしょう。
長時間集中している
仕事や勉強など、長時間集中している時に食いしばりをすることもあるでしょう。日常的に集中力を要する作業を長時間行っていると、食いしばりのリスクが高いといえます。
歯ぎしりがセラミックの歯に与える影響
歯ぎしりをすると歯に大きな負担がかかります。就寝中に歯ぎしりをすると、ご自身の体重の2〜5倍ほどの力がかかるともいわれています。
セラミックの歯は陶器素材でできています。そのため、歯ぎしりによって強い力が加わると、欠けたり、割れたりする可能性があるのです。
歯ぎしりによるセラミックの歯以外への悪影響
歯ぎしりをするとセラミックの歯が割れるだけではなく、ほかにも悪い影響を及ぼす可能性があります。
歯ぎしりによってセラミックの歯以外に与える影響は、以下のとおりです。
天然歯が割れる可能性がある
歯ぎしりによって割れる可能性があるのは、セラミックの歯だけではありません。天然歯が割れる可能性もあります。歯の根っこのほうが割れることもあるでしょう。そうなると、歯を維持することが難しくなり、抜歯をせざるを得なくなる可能性もあるのです。
歯周病が悪化する可能性がある
歯周病とは、プラークの中にある歯周病菌が繁殖して、歯周組織が炎症を起こす病気です。
歯周病を患っている人が歯ぎしりをすると顎の骨に大きな負担がかかり、骨の吸収を促進する可能性があるでしょう。
顎関節症になる可能性がある
歯ぎしりによって顎に負荷がかかり続けると顎関節症になる可能性があります。
顎関節症とは、顎関節やその周辺組織に問題が生じる疾患です。口を開けた時に痛みや違和感がある・異音がする・口を開けにくくなるなどの症状が現れます。
歯ぎしりからセラミックの歯を守る方法
歯ぎしりからセラミックの歯を守るための方法は、以下のとおりです。
定期的に噛み合わせをチェックしてもらう
歯ぎしりからセラミックの歯を守るためには、定期的に歯科医院で噛み合わせを確認してもらうことが重要です。
歯ぎしりの原因のひとつに噛み合わせの悪さがあります。噛み合わせを確認したうえでセラミックの詰め物・被せ物を作製しますが、噛み合わせの状態は虫歯や歯周病、加齢などによって変化します。
知らず知らずのうちに噛み合わせが悪くなり、歯ぎしりを引き起こす可能性があるのです。噛み合わせの変化によって歯ぎしりを引き起こすのを防ぐためには、定期的に歯科医院で噛み合わせを確認してもらう必要があります。
噛み合わせが悪くなっている場合には調整してもらいましょう。噛み合わせを確認・調整してもらうことで歯ぎしりを防ぐことができ、セラミックの歯を守ることにつながります。
ナイトガードを使用する
起きている時にしている歯ぎしりを「覚醒時ブラキシズム」、就寝中の歯ぎしりを「睡眠時ブラキシズム」といいます。起きている時であれば意識して歯ぎしりをやめることができるでしょう。
しかし、就寝中の歯ぎしりは自分で意識してやめられないため、ナイトガードを装着するなどの対策が必要です。
ナイトガードとは、歯ぎしりや食いしばりによって歯に加わる力を軽減する専用のマウスピースです。ナイトガードは歯科医院で作製できます。歯ぎしりをする癖がある方は、一度歯科医院で相談するとよいでしょう。
割れにくい素材を選ぶ
割れにくい素材を選択するのも対策のひとつでしょう。
セラミックにはいくつか種類があり、それぞれ強度が異なります。特に大きな力がかかる奥歯には、強度の高いジルコニアやメタルボンド、e-maxなどの素材を選択するとよいかもしれません。
硬い物ばかり食べない
硬いものを食べたときにセラミックの歯に大きな力がかかり、割れることがあります。セラミック治療後は特に食事制限はありませんが、硬い物ばかり食べ過ぎないことでセラミックの歯を守ることができるでしょう。
ボトックス注射を打つ
ボトックス注射を咬筋に打つと筋肉の働きが弱まります。ボトックス注射を打つことで食いしばりや歯ぎしりなどの症状を軽減できる場合があるのです。
顔の筋肉をマッサージする
上述のとおり、歯ぎしりの原因にはストレスがあります。顔の筋肉をマッサージしてほぐすことでストレスが緩和されて、歯ぎしりが軽減されることがあります。
まとめ
セラミックは、見た目が天然歯のように白く、他の素材よりも耐久性が高い素材です。
しかし、歯ぎしりをする癖があるとダメージを受けて、割れる可能性があります。歯ぎしりの原因は、ストレスや噛み合わせの変化などさまざまです。
歯ぎしりからセラミックの歯を守る方法には、就寝中にナイトガードを装着することや、顔の筋肉をマッサージしてストレスを緩和することなどがあります。また、噛み合わせが原因で歯ぎしりをしている場合もあるため、定期的に歯科医院で確認してもらうことも重要です。
歯ぎしりはセラミックの歯だけでなく、天然歯や顎にも影響を及ぼす可能性があるため、改善したほうがよいでしょう。自分では歯ぎしりを改善することは難しいため、歯科医師に相談しながら大切な歯を守りましょう。
セラミック治療を検討されている方は、横浜市緑区にある歯医者「礒部歯科医院」にお気軽にご相談ください。