こんにちは。横浜市緑区にある歯医者「礒部歯科医院」です。
カチカチ、ギリギリと不快な音を立てながら、無意識のうちに歯を擦り合わせることを、歯ぎしりと言います。睡眠中や、日中にストレスを感じた時、集中している時に起こることが多く、歯科用語ではブラキシズムと呼びます。
放置すると、歯の摩耗や欠損、顎関節症、頭痛、肩こりなど様々な症状を引き起こす可能性があります。 気づかないうちに悪化することも多いため、早めの対策が大切です。
本記事では、歯ぎしりの治療内容や費用、考えられる原因について解説します。歯ぎしりでお悩みの方は、ぜひ参考にしてみてください。
歯ぎしりは歯医者に相談するべき?
歯ぎしりの影響は、歯や顎関節だけにとどまりません。頭痛や肩こりなど、全身に及ぶこともあります。自覚症状がないまま悪化することも多いため、早期発見・早期対策が非常に重要です。
そのため、歯ぎしりを自覚している場合、もしくはご家族や友人などに指摘された場合、歯医者に相談するべきと言えるでしょう。
歯ぎしりが与える影響
一時的な歯ぎしりであれば大きな問題にはなりませんが、長期的に継続すると歯や顎関節に深刻なダメージを与えます。初期段階であれば、生活習慣の改善やマウスピースの使用などのセルフケアである程度抑制できる場合もあるでしょう。
しかし、重度の歯ぎしりには歯科医師による専門的な治療が不可欠です。以下のような症状がある場合は、速やかに歯医者に相談してください。
- 歯の痛みや違和感を感じる
- 噛み合わせが変化した
- 顎の痛みや雑音
- 頭痛や肩こりが慢性化している
歯ぎしりによる過度な力が歯に加わることで、歯の痛みや違和感が発生することがあります。放置すると、歯の磨耗や亀裂、欠損などに繋がる可能性があります。歯が磨耗すると、上下の歯の接触関係が変化します。噛み合わせが変わった場合、歯ぎしりが原因かもしれません。
また、歯ぎしりは顎関節に大きな負担をかけます。顎の痛みや開口時の雑音は、顎関節症の症状である可能性があります。顎周辺の筋肉にも過度な緊張を与えるため、頭痛や肩こりが慢性的に続くこともあるでしょう。
症状が軽度であっても、早めに歯医者に相談することで重症化を防げます。
歯医者での歯ぎしりの治療内容
歯ぎしりの治療は、原因や症状に応じて様々な方法が用いられます。代表的な治療法には、マウスピース療法と咬み合わせ治療があります。
歯ぎしりの治療法は、原因や症状、患者さまの状態によって異なります。歯科医師が口腔内の状態を入念に診察し、患者さまの生活習慣なども考慮した上で選択します。治療法の選択に迷ったら、遠慮なく歯科医師に相談しましょう。
それぞれの特徴や効果について見ていきましょう。
マウスピース(スプリント)療法
歯ぎしりの代表的な治療法が、マウスピース(スプリント)の使用です。歯列に装着することで、歯ぎしりの力を分散・緩和し、歯や顎関節への負担を軽減します。特に夜間の歯ぎしりに効果的で、睡眠の質の向上にも繋がるでしょう。
マウスピースには、大きく分けて既製品とオーダーメイドの2種類があります。既製品はドラッグストアなどで購入でき、安価です。熱湯で軟化させたマウスピースを、歯列に合わせて装着します。手軽に始められる反面、フィット感や耐久性が劣ります。
オーダーメイドのマウスピースは、歯科医師が患者さまの歯型を取って作製するため、ピッタリとフィットします。また、硬度や厚みなどを調整できるため、重度の歯ぎしりにも対応可能です。耐久性も高く、長期的な使用も可能ですが、費用は既製品に比べて高いです。
咬み合わせ治療
歯ぎしりの原因の一つに、上下の歯の噛み合わせの異常が挙げられます。歯並びが乱れていたり、歯が欠損していたりすると、正しい咬み合わせが得られません。その結果、無意識のうちに噛み合わせを修正しようとして、歯ぎしりが起こるのです。
こうした場合、矯正治療や補綴治療により、正しい咬み合わせに改善することで歯ぎしりの軽減が期待できます。
薬物療法
歯ぎしりの原因がストレスや睡眠障害である場合、一時的に筋弛緩剤などの薬を処方することがあります。筋肉の緊張を緩和し、歯ぎしりの頻度や強度を減らす効果が期待できます。
ただし、薬物療法はあくまで対症療法であり、根本的な解決にはなりません。また、長期的な使用は副作用の恐れもあるため、医師の指示に従って適切に使用することが重要です。
多くの場合、薬物療法は他の治療法(マウスピース療法や咬み合わせ治療など)と組み合わせて行われます。
歯医者での歯ぎしりの治療費用
歯ぎしりの治療費用は、治療内容によって大きく異なります。マウスピース療法と咬み合わせ治療の費用の目安や、保険適用の有無、医療費控除について解説します。
また、歯ぎしりの治療費用は、治療内容によって大きく異なります。以下に、代表的な治療の費用目安を示します。
マウスピース療法の費用
マウスピースの費用は、既製品とオーダーメイドで大きく異なります。既製品は数千円~1万円程度と安価ですが、フィット感や耐久性に劣ります。オーダーメイドのマウスピースは5万円~15万円程度と高額ですが、フィット感や耐久性に優れ効果も高いです。
長期的な使用を考えると、オーダーメイドのマウスピースへの投資は決して無駄ではありません。費用対効果を考慮し、患者さまの状態に合わせて選択することが重要です。
咬み合わせ治療の費用
咬み合わせ治療の費用は、治療内容や期間によって大きく異なります。矯正治療の場合、使用する装置の種類や治療期間によって費用が大きく変動します。一般的には30万円~100万円程度が目安です。
補綴治療の場合、詰め物か被せ物か、素材は何かなどで価格が左右されます。一般的には1歯あたり数万円~数十万円程度でしょう。
咬み合わせ治療は、歯ぎしりの根本的な原因を取り除くことができる点で優れていますが、費用が高額になることが多いです。治療計画と費用については、事前に歯科医師とよく相談することが大切です。
保険適用と医療費控除
歯ぎしりの治療は、原則的に自由診療になります。保険が適用されるのは、外傷や腫瘍などが原因で、顎の骨を1/3以上失った場合などに限られます。
ただし、医療費控除を利用すれば、支払った医療費の一部が戻ってくる場合があります。医療費控除とは、1年間に支払った医療費が一定額を超えた場合、超過分について所得税が還付される制度です。
歯ぎしりの治療を検討している方は、歯科医院の無料カウンセリングなどを活用して費用も相談してみましょう。支払い方法や分割払いの可否なども含めて、事前に十分に確認しておくことが大切です。
歯ぎしりの考えられる原因
歯ぎしりの原因は多岐にわたりますが、大きく分けてストレス、咬み合わせの異常、睡眠障害、生活習慣の4つが考えられます。それぞれの原因について詳しく見ていきましょう。
歯ぎしりの原因は人によって異なり、複数の要因が絡み合っていることも少なくありません。自分では原因を特定しづらいため、歯科医師に相談して適切な治療方針を立てることが大切です。
ストレス
仕事や人間関係、将来への不安などのストレスは、歯ぎしりの大きな原因の一つです。無意識のうちに歯を食いしばったり、噛みしめたりしてしまいます。
咬み合わせの異常
歯並びの乱れや歯の欠損があると、上下の歯が正しく噛み合わなくなります。その結果、無意識のうちに噛み合わせを修正しようとして、歯ぎしりが起こります。
睡眠障害
睡眠時無呼吸症候群などの睡眠障害は、睡眠中の歯ぎしりを引き起こす可能性があります。質の良い睡眠が取れていないことが、歯ぎしりの原因になっているかもしれません。
生活習慣
喫煙や飲酒、カフェインの過剰摂取などの生活習慣も、歯ぎしりのリスクを高めます。刺激物の摂取は、交感神経を優位にし、筋肉の緊張を高める作用があるためです。
歯ぎしりのセルフケア方法
歯ぎしりの根本的な解決には歯科医師による専門的な治療が欠かせませんが、日常生活でできるセルフケアを併用すれば症状の改善や予防に繋がります。ストレス管理として、リラックスできる趣味や運動を取り入れたり、十分な睡眠を心がけたりすることが大切です。
また、喫煙や飲酒、カフェインの過剰摂取は、歯ぎしりのリスクを高めます。これらを控えることも効果的でしょう。
マウスピースの使用もセルフケアの一つです。歯科医師に作ってもらうオーダーメイドのマウスピースが理想ですが、既製品でも歯ぎしりの力を緩和する効果があります。
ただし、セルフケアはあくまで補助的な役割であり、重度の歯ぎしりの場合は歯科医師による治療を優先することが大切です。症状が気になる方は早めに歯医者に相談し、適切な治療を受けましょう。
まとめ
歯ぎしりは、放置すると歯や顎関節に大きな負担をかけ様々な症状を引き起こします。重度の場合は、歯科医師による専門的な治療が必要です。
歯ぎしりの代表的な治療は、マウスピース療法と咬み合わせ治療です。ストレスや睡眠障害が原因の場合は、薬物療法を併用することもあります。治療費用は自由診療になることがほとんどですが、医療費控除を利用できる場合もあります。
歯ぎしりの原因は、ストレスや咬み合わせの異常、睡眠障害、生活習慣など様々です。セルフケアを心がけることで症状の改善や予防に繋がりますが、根本的な解決には歯科医師による治療が欠かせません。
歯ぎしりでお悩みの方は、早めに歯医者に相談しましょう。適切な治療を受けることで、歯や顎関節への負担を軽減し、健康的な口腔環境を取り戻せます。
歯ぎしりの治療を検討されている方は、横浜市緑区にある歯医者「礒部歯科医院」にお気軽にご相談ください。
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日付: 2024年8月28日 カテゴリ:歯のコラム and tagged 歯ぎしり, 顎関節症