インプラント治療中に痛みが出るタイミングと対処法を解説!

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インプラント治療中に痛みが出るタイミングと対処法を解説!

こんにちは。横浜市緑区にある歯医者「礒部歯科医院」です。

インプラントの模型を指差す歯科医師

インプラント治療中に痛みが出るタイミングは、手術中や麻酔の効果が切れた手術後です。インプラント周囲炎など、感染症にかかった場合も痛みを感じることがあります。

今回は、インプラント治療中に痛みが出るタイミングと対処法について解説します。

インプラント治療中に痛みはある?

顎に手を当てて考える女性

インプラントの手術中は局所麻酔を使用するため、基本的には痛みを感じません。麻酔の効き方には個人差がありますが、麻酔が途中で効かなくなった場合はすぐに追加できるので、過度な心配は不要です。

一部の歯科医院では、不安や緊張を緩和する静脈内鎮静法という方法も採用しています。治療予定の歯科医院が、どのような麻酔法を用いているか事前に確認するとよいでしょう。

インプラント治療中に痛みが出るタイミング

歯の痛みから顎を抑える女性

インプラント治療では、手術中以外にもさまざまなタイミングで痛みを感じることがあります。

インプラント埋入の手術中

上述したように、インプラントの手術中は麻酔が効いているため、痛みはほとんど感じられません。基本的に麻酔が手術中に切れる心配もないでしょう。

麻酔を打つときの注射の痛みはありますが、一時的なものなのですぐに和らぎます。

インプラント埋入の手術直後

インプラント手術後、麻酔の効果がなくなった際に痛みを感じることがあります。手術では歯茎を開いて骨に小さな穴をあけるため、麻酔の効果が切れたときに痛みを実感するのです。

手術後に処方される痛み止めで痛みはコントロールできるので、過度な不安は不要です。

手術後の痛みは、数日から1週間程度で自然と軽減します。1週間以上経っても痛みが続く場合は、何らかの問題が生じている可能性があるので歯科医師に相談しましょう。

手術後の抜糸時

インプラント手術から約7~10日後、歯科医院で抜糸を行います。抜歯の際、軽い痛みや違和感を覚える方もいるでしょう。痛みの感じ方は人それぞれで「ほんの少し違和感がある」と感じる方もいれば、「ちょっとチクチクする」と感じる方もいます。

痛みが強く感じられると予想される場合、前もって麻酔をしてもらうこともできるので、不安な方は担当の歯科医師に事前に相談しましょう。

抜糸後

抜糸後に痛みを感じることは少ないですが、患部に過度な刺激や衝撃が加わると、痛みを感じることがあります。例えば、手術した部位で硬い食べ物を噛む、歯ブラシで強く磨いたときなどです。

患部に大きな、または持続的な刺激が加わると、手術で縫合した部分が開くリスクがあります。そのため、少なくとも4週間は患部を強く刺激しないよう注意しましょう。

手術後しばらく経過してから

インプラントの手術からある程度の時間が経過したあと、痛みが生じる可能性があります。主な原因は、インプラント周囲炎です。

インプラント周囲炎とは、インプラントに近接する歯茎が炎症を起こしている状態のことです。適切に歯磨きを行わないと、インプラントと歯茎の間に歯垢が蓄積されて炎症が生じます。

インプラントは、天然の歯に比べて歯茎との接合が弱く、細菌が侵入しやすいです。炎症が進行すると、歯茎の腫れや出血だけでなく、インプラントを支える骨が徐々に失われ、最終的にはインプラントの脱落を引き起こす恐れもあります。

インプラント治療中の痛みへの対処法

患者の口の中を診察する男性歯科医師

インプラント治療中に生じる痛みは、予防・軽減することが可能です。インプラント治療中の痛みへの対処法をご紹介します。

局所麻酔法を用いる

インプラント治療で主に採用される麻酔方法は、局所麻酔法です。治療部位だけを麻酔することで、その部分の痛みを遮断します。全身麻酔と比較すると、局所麻酔法は麻酔の持続時間が短く全体的な体への影響も小さいので、治療後すぐに帰宅することが可能です。

局所麻酔にはいくつかの方法があります。浸潤麻酔法の場合、効果は約2~3時間持続します。伝達麻酔法では、約6~8時間の効果が期待できるでしょう。

局所麻酔は注射を用いるため、針を刺したときの痛みが心配な方も多いです。注射の痛みを軽減する方法として、表面麻酔法があります。麻酔薬を歯茎の上から塗布し、注射の痛みを軽減する方法です。

鎮静法を用いる

通常の局所麻酔と合わせて、鎮静法を使用する歯科医院もあります。鎮静法は、全身をリラックスした状態にし、手術中の緊張や不安を緩和します。手術に極度の恐怖を覚える方や、緊張感が強い方に用いられることが多いです。

特に、不安を感じやすい方は局所麻酔だけでは不安や恐怖を拭い去れず、突然の体調不良やパニック状態になることもあります。鎮静法を使用することで、安心して治療に臨むことが可能になるのです。

鎮静法には、複数の方法があります。吸入鎮静法では、ガス状の麻酔薬を吸入し、静脈内鎮静法では麻酔薬を点滴で静脈から注入します。どちらの方法も、完全に意識を喪失することはなく、眠るような安心感のある状態を作り出すのです。

鎮痛剤を使用する

手術後の痛みには、処方された痛み止めの服用が効果的です。手術後に処方される抗生物質を適切に服用すれば、痛みは最短で数日、長くても1~2週間で軽減します。

喫煙を控える

喫煙者は、タバコによる悪影響でインプラントに関する問題が非喫煙者よりも頻繁に発生するとされています。主な理由は、タバコに含まれるニコチンや一酸化炭素の影響が挙げられるでしょう。

ニコチンは免疫システムを弱めるため、感染に対する抵抗力が減少します。一酸化炭素は血液中の酸素運搬能力を妨げ、酸素や栄養が骨や歯に十分に供給されなくなるでしょう。

そのため、インプラントを固定する骨が弱まり、インプラントが安定しなくなる場合もあるのです。リスクを最小限に抑えるには、禁煙を目指しましょう。

飲酒を控える

アルコールは傷の回復を遅らせるため、インプラント治療後は飲酒を避けましょう。

傷は、周囲の血が凝固して止血され、次第に修復されます。アルコールを飲むと血流が活発になり、血液が固まりにくくなります。そのため、手術の傷がなかなか治らないという問題が発生するのです。

さらに、アルコールの摂取は感染のリスクも増加させる恐れがあります。飲酒は体の水分を奪うため、唾液の分泌量が減少します。唾液には細菌を排除する役割があるので、唾液量が減ることでインプラント周囲炎のリスクも高まるのです。

入浴を控える

インプラントの手術後、シャワーなら問題ありませんが、熱いお湯の浴槽に入るのは避けたほうがよいでしょう。熱いお湯で体を温めると血行がよくなり、出血や痛みが増すリスクが上がるからです。

手術後2~3日経てば、ゆっくりとお湯に浸かれるようになります。

しかし、患部に痛みや腫れがある場合は、お湯に浸かるのは避けたほうがよいでしょう。軽めの散歩レベルの運動でも血行が促進されるので、手術後2~3日は避けてください。

患部を安静にする

インプラントの治療後、抜糸までの間は、治療箇所に歯ブラシが当たらないように注意しましょう。歯ブラシが接触すると患部を傷つける恐れがあり、傷の治りが遅れるかもしれません。

歯磨き粉やマウスウォッシュも患部に刺激を与える可能性があるので、抜糸までの期間は使用を避けましょう。強くうがいをすることも出血の原因になるため、口をそっとすすぐ程度にしてください。

柔らかいものを食べる

インプラント治療後、最初の数日はお粥や豆腐、ヨーグルトなどの柔らかいものを食べましょう。硬いものを食べると、完全に治っていない手術部位を傷つけるリスクがあり、縫った部分が開く可能性があります。辛いものなど刺激の強い飲食物やお餅、ガムなどは痛みの原因になるので避けましょう。

食事の際は、手術した部分とは逆側の歯を使って、傷を避けるようにしてください。

手術後2~3時間は、局所麻酔の影響で感覚が鈍くなっています。ご自身の口や唇を噛む、温度がわからず熱い食べ物によって火傷するなどの危険があります。麻酔が切れるまで、食事は控えてください。

まとめ

歯型を持ってインプラントの説明をする人

インプラント治療中に痛みが出るタイミングは、手術中だけでなく手術後も考えられます。手術中は麻酔が効いているため、ほとんど痛みを感じません。痛みを感じるタイミングとして多いのは、麻酔が切れた手術後です。

しかし、帰宅前に痛み止めや抗生物質が渡されるため、適切に服用していれば2~3日で痛みは軽減するでしょう。

痛みを増強させる要因としては、患部への刺激や血行の促進が挙げられます。そのため、傷口が気になっても舌で触るなど、刺激を与えることは避けましょう。歯ブラシで磨くことも厳禁です。

血行を促進させる行動としては、喫煙、飲酒、入浴、運動などが挙げられます。医師の指示に従って、決められた期間中はこれらの行動は控えましょう。

痛み止めを飲んでも治まらない痛みがある場合や、痛みが長引く場合は、何らかの問題が起きているかもしれません。早めに担当の歯科医師に相談しましょう。

インプラント治療を検討されている方は、横浜市緑区にある歯医者「礒部歯科医院」にお気軽にご相談ください。

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