こんにちは。横浜市緑区にある歯医者「礒部歯科医院」です。
何らかの理由で歯を失ってしまった際は、歯科医師より入れ歯やブリッジ、インプラントなどの選択肢を提示されるでしょう。患者さまの体や口腔の状態によっては入れ歯かブリッジしか選べませんが、患者さまが望めば自由診療のインプラントも選べる場合が多いです。
インプラントと入れ歯、どちらがいいのか迷う方は多いのではないでしょうか。費用面、機能面、見た目など、大きく差があります。
今回は、それぞれの特徴やメリットとデメリットを比較しながら、解説します。
インプラントとは?
インプラントとは、歯を失った箇所に人工歯根(インプラント体)を埋入し、その上に人工歯をかぶせる治療です。基本的には自由診療の治療であり、費用の相場は1本15万~50万円です。
インプラント体を埋入するための外科手術が必要で、費用も高額な治療です。ハードルが高いかもしれませんが、以下のように多数のメリットがあります。
天然歯のように噛める
インプラントは入れ歯やブリッジとは異なり、直接骨にインプラント体を埋入します。歯根部分から再現するため、入れ歯やブリッジのようにずれてしまうことがなく噛みやすいです。
天然の歯のような噛み心地にこだわる場合は、インプラントが適しているかもしれません。
見た目が自然で目立たない
インプラントの被せ物は、セラミックなど天然の歯のような白さのものが使用されます。そのため、見た目は非常に自然で目立ちません。
隣接した歯に負担をかけない
ブリッジや入れ歯の場合、隣接している歯に金属の金具をひっかけて固定します。そのため、周囲の歯に負担がかかってしまいます。
しかし、インプラントは自立しているため、周囲の歯に負担をかけません。
顎の骨が痩せるのを予防する
歯を失うと、顎の骨は徐々に痩せてしまいます。インプラント体を埋め込むことで骨に刺激を与えるので、顎の骨は痩せにくくなります。
入れ歯とは?
入れ歯には、保険診療のものと自由診療のものがあります。それぞれ以下のような特徴があります。
保険診療の入れ歯
保険診療の入れ歯の素材はレジンです。総入れ歯は歯茎にのっているだけですが、部分入れ歯には、固定するための金具があります。
保険診療の入れ歯は分厚いため、着け心地がよくありません。また、食べ物や飲み物などの温度が感じにくくなってしまいます。
金属部分が目立つので、見た目もよくありません。
最大のメリットは費用で、総入れ歯は1万5,000円前後、部分入れ歯が5,000~1万5,000円です。また、修理がしやすい点も特徴でしょう。
自由診療の入れ歯
自由診療の入れ歯には、さまざまな素材が使用されます。形もそれぞれ異なります。自分に合ったものを選択できることが、保険診療の入れ歯にはないメリットといえるでしょう。
床部分が金属になっている金属床義歯は、フィット感がよく熱伝導も優れているので、飲食した際の温度もわかりやすいです。他には、金属ではなく、歯茎に近い色のレジンでバネが作られており、見た目のよいノンクラスプデンジャーなどがあります。
自由診療の場合、総入れ歯は20万~50万円、部分入れ歯は15万~30万円です。保険診療よりも見た目や機能性、装着感も優れていますが、治療費は高くなります。
インプラントと入れ歯の違いとは?
インプラントと入れ歯の違いについてまとめました。
<インプラントと入れ歯の違い>
治療法 | インプラント | 入れ歯 |
---|---|---|
費用 | 1本15万~50万円 | 保険診療:5,000~1万5,000円 自由診療:15万~30万円 |
治療期間 | 2~3ヶ月 | 1ヶ月 |
噛みやすさ | 天然歯のように噛める | 天然歯より噛みにくい |
見た目 | 天然歯とあまり変わらない | 金属のバネを使用している場合は目立つ |
治療の負担 | 外科手術が必要 | 外科手術の必要はない |
味覚への影響 | 影響なし | 温度が感じにくいものもある |
お手入れ | インプラント周囲炎への注意は必要 | 取り外して手軽にお手入れ可能 |
インプラントが適している方とは?
インプラントと入れ歯では、費用や治療の負担、使い勝手などが非常に異なります。そのため、自分にとってどちらが適しているか熟考して選択しましょう。
インプラントを選択する方は、以下の特徴があります。
口腔機能を重視する方
インプラントは人工歯根を直接顎の骨に埋入して固定します。そのため、天然の歯のように噛みやすいです。
また、発音もしやすく、歯を失ったことによる口腔機能への悪影響を軽減できます。しっかり噛める・話せることは、健康寿命にもつながる重要な要素です。
口腔機能、ひいては健康面を考慮する方は、インプラントを選択する傾向があります。
口元の美しさにこだわる方
入れ歯は口を開けた際に目立ってしまうため、それが気になる方も少なくないでしょう。入れ歯が気になって、口を開けて話をしたり笑ったりするのをためらうようになる場合もあります。
歯を失う以前と変わらない美しい口元でいたいと考えている場合、インプラントが適しているかもしれません。
食事を楽しみたい方
温度を感じやすい入れ歯もありますが、保険診療の入れ歯の場合は温度を感じにくいです。そのため、入れ歯にしてから味が変わったような気がするという方も少なくありません。
天然の歯の時と変わらずに食事を楽しみたい方は、インプラントを選ぶことが多いです。
健康な天然の歯を維持したい方
インプラントは自立しているため、周囲の健康な歯に負担がかかりません。できる限り健康な天然の歯を維持したい場合は、インプラントを選ぶとよいかもしれません。
顎の骨を守りたい方
歯を失うと顎の骨は痩せていってしまいますが、インプラントを埋入することでそれを防げます。大切な歯の土台となる顎の骨を守るためにも、インプラント埋入は有効といえます。
入れ歯が適している方とは?
入れ歯を選択する方には、以下の特徴があります。
費用を抑えたい方
特に保険診療の入れ歯を選択した場合、費用を抑えられます。インプラントが1本15万円以上かかるのに対し、入れ歯の場合は1万円前後です。
インプラントは高いため「インプラントにすべきか不安を感じる」「とりあえず入れ歯で使い心地を確認したい」という方も、入れ歯を選択する傾向があります。
外科手術を受けられない方
インプラントの埋入手術に抵抗を感じる方もいるでしょう。手術への恐怖心が強い方は、笑気麻酔や静脈鎮静法を選択できる歯科医院で手術を受けることも検討するとよいかもしれません。
また、糖尿病や高血圧など、全身状態がよくない方などは、リスクを考えてインプラント手術を避けることもあります。インプラントを埋入するには骨に厚みが必要なため、骨粗しょう症の方もインプラントを埋入できないことがあります。
すべての歯を失った方
すべての歯を失って即急に口腔機能を取り戻したい場合は、入れ歯を選択する方が多いです。すべての歯をインプラントにするには費用の負担が大きく、治療期間もかかってしまうためです。
すべての歯を失った場合は、早く口腔機能を回復できる総入れ歯を第一選択にする傾向があります。治療期間の面から、1本の歯であっても入れ歯のほうが早く終わり、修理も簡単にできるというメリットもあります。
まとめ
歯を失った際の選択肢としてインプラントと入れ歯がありますが、費用、機能、見た目などが大きく異なります。機能面や見た目、将来的な健康を考えれば、インプラントが優れているといえるでしょう。
しかし、費用や治療期間、外科手術が必要という点で迷う方は多いです。
入れ歯やインプラントは人工物ではありますが、天然の歯の代わりとなって長い間使い続けるものです。治療後だけではなく将来を見越して考えましょう。
インプラントや入れ歯を検討されている方は、横浜市緑区にある歯医者「礒部歯科医院」にお気軽にご相談ください。
日付: 2024年1月31日 カテゴリ:歯のコラム and tagged インプラント, 入れ歯