インプラントと入れ歯の違いとは?特徴や費用など比較して解説!

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インプラントと入れ歯の違いとは?特徴や費用など比較して解説!

こんにちは。横浜市緑区にある歯医者「礒部歯科医院」です。

インプラントと入れ歯の比較をする女性

何らかの理由で歯を失ってしまった際は、歯科医師より入れ歯やブリッジ、インプラントなどの選択肢を提示されるでしょう。患者さまの体や口腔の状態によっては入れ歯かブリッジしか選べませんが、患者さまが望めば自由診療のインプラントも選べる場合が多いです。

インプラントと入れ歯、どちらがいいのか迷う方は多いのではないでしょうか。費用面、機能面、見た目など、大きく差があります。

今回は、それぞれの特徴やメリットとデメリットを比較しながら、解説します。

インプラントとは?

インプラント

インプラントとは、歯を失った箇所に人工歯根(インプラント体)を埋入し、その上に人工歯をかぶせる治療です。基本的には自由診療の治療であり、費用の相場は1本15万~50万円です。

インプラント体を埋入するための外科手術が必要で、費用も高額な治療です。ハードルが高いかもしれませんが、以下のように多数のメリットがあります。

天然歯のように噛める

インプラントは入れ歯やブリッジとは異なり、直接骨にインプラント体を埋入します。歯根部分から再現するため、入れ歯やブリッジのようにずれてしまうことがなく噛みやすいです。

天然の歯のような噛み心地にこだわる場合は、インプラントが適しているかもしれません。

見た目が自然で目立たない

インプラントの被せ物は、セラミックなど天然の歯のような白さのものが使用されます。そのため、見た目は非常に自然で目立ちません。

隣接した歯に負担をかけない

ブリッジや入れ歯の場合、隣接している歯に金属の金具をひっかけて固定します。そのため、周囲の歯に負担がかかってしまいます。

しかし、インプラントは自立しているため、周囲の歯に負担をかけません。

顎の骨が痩せるのを予防する

歯を失うと、顎の骨は徐々に痩せてしまいます。インプラント体を埋め込むことで骨に刺激を与えるので、顎の骨は痩せにくくなります。

入れ歯とは?

入れ歯

入れ歯には、保険診療のものと自由診療のものがあります。それぞれ以下のような特徴があります。

保険診療の入れ歯

保険診療の入れ歯の素材はレジンです。総入れ歯は歯茎にのっているだけですが、部分入れ歯には、固定するための金具があります。

保険診療の入れ歯は分厚いため、着け心地がよくありません。また、食べ物や飲み物などの温度が感じにくくなってしまいます。

金属部分が目立つので、見た目もよくありません。

最大のメリットは費用で、総入れ歯は1万5,000円前後、部分入れ歯が5,000~1万5,000円です。また、修理がしやすい点も特徴でしょう。

自由診療の入れ歯

自由診療の入れ歯には、さまざまな素材が使用されます。形もそれぞれ異なります。自分に合ったものを選択できることが、保険診療の入れ歯にはないメリットといえるでしょう。

床部分が金属になっている金属床義歯は、フィット感がよく熱伝導も優れているので、飲食した際の温度もわかりやすいです。他には、金属ではなく、歯茎に近い色のレジンでバネが作られており、見た目のよいノンクラスプデンジャーなどがあります。

自由診療の場合、総入れ歯は20万~50万円、部分入れ歯は15万~30万円です。保険診療よりも見た目や機能性、装着感も優れていますが、治療費は高くなります。

インプラントと入れ歯の違いとは?

インプラントと入れ歯の違いを比較

インプラントと入れ歯の違いについてまとめました。

<インプラントと入れ歯の違い>

治療法 インプラント 入れ歯
費用 1本15万~50万円 保険診療:5,000~1万5,000円
自由診療:15万~30万円
治療期間 2~3ヶ月 1ヶ月
噛みやすさ 天然歯のように噛める 天然歯より噛みにくい
見た目 天然歯とあまり変わらない 金属のバネを使用している場合は目立つ
治療の負担 外科手術が必要 外科手術の必要はない
味覚への影響 影響なし 温度が感じにくいものもある
お手入れ インプラント周囲炎への注意は必要 取り外して手軽にお手入れ可能

インプラントが適している方とは?

歯並びが気になる女性

インプラントと入れ歯では、費用や治療の負担、使い勝手などが非常に異なります。そのため、自分にとってどちらが適しているか熟考して選択しましょう。

インプラントを選択する方は、以下の特徴があります。

口腔機能を重視する方

インプラントは人工歯根を直接顎の骨に埋入して固定します。そのため、天然の歯のように噛みやすいです。

また、発音もしやすく、歯を失ったことによる口腔機能への悪影響を軽減できます。しっかり噛める・話せることは、健康寿命にもつながる重要な要素です。

口腔機能、ひいては健康面を考慮する方は、インプラントを選択する傾向があります。

口元の美しさにこだわる方

入れ歯は口を開けた際に目立ってしまうため、それが気になる方も少なくないでしょう。入れ歯が気になって、口を開けて話をしたり笑ったりするのをためらうようになる場合もあります。

歯を失う以前と変わらない美しい口元でいたいと考えている場合、インプラントが適しているかもしれません。

食事を楽しみたい方

温度を感じやすい入れ歯もありますが、保険診療の入れ歯の場合は温度を感じにくいです。そのため、入れ歯にしてから味が変わったような気がするという方も少なくありません。

天然の歯の時と変わらずに食事を楽しみたい方は、インプラントを選ぶことが多いです。

健康な天然の歯を維持したい方

インプラントは自立しているため、周囲の健康な歯に負担がかかりません。できる限り健康な天然の歯を維持したい場合は、インプラントを選ぶとよいかもしれません。

顎の骨を守りたい方

歯を失うと顎の骨は痩せていってしまいますが、インプラントを埋入することでそれを防げます。大切な歯の土台となる顎の骨を守るためにも、インプラント埋入は有効といえます。

入れ歯が適している方とは?

費用を抑えるイメージ

入れ歯を選択する方には、以下の特徴があります。

費用を抑えたい方

特に保険診療の入れ歯を選択した場合、費用を抑えられます。インプラントが1本15万円以上かかるのに対し、入れ歯の場合は1万円前後です。

インプラントは高いため「インプラントにすべきか不安を感じる」「とりあえず入れ歯で使い心地を確認したい」という方も、入れ歯を選択する傾向があります。

外科手術を受けられない方

インプラントの埋入手術に抵抗を感じる方もいるでしょう。手術への恐怖心が強い方は、笑気麻酔や静脈鎮静法を選択できる歯科医院で手術を受けることも検討するとよいかもしれません。

また、糖尿病や高血圧など、全身状態がよくない方などは、リスクを考えてインプラント手術を避けることもあります。インプラントを埋入するには骨に厚みが必要なため、骨粗しょう症の方もインプラントを埋入できないことがあります。

すべての歯を失った方

すべての歯を失って即急に口腔機能を取り戻したい場合は、入れ歯を選択する方が多いです。すべての歯をインプラントにするには費用の負担が大きく、治療期間もかかってしまうためです。

すべての歯を失った場合は、早く口腔機能を回復できる総入れ歯を第一選択にする傾向があります。治療期間の面から、1本の歯であっても入れ歯のほうが早く終わり、修理も簡単にできるというメリットもあります。

まとめ

インプラントと入れ歯の違いを説明する女性

歯を失った際の選択肢としてインプラントと入れ歯がありますが、費用、機能、見た目などが大きく異なります。機能面や見た目、将来的な健康を考えれば、インプラントが優れているといえるでしょう。

しかし、費用や治療期間、外科手術が必要という点で迷う方は多いです。

入れ歯やインプラントは人工物ではありますが、天然の歯の代わりとなって長い間使い続けるものです。治療後だけではなく将来を見越して考えましょう。

インプラントや入れ歯を検討されている方は、横浜市緑区にある歯医者「礒部歯科医院」にお気軽にご相談ください。

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喫煙している方は注意?インプラントに及ぼす影響を詳しく解説!

こんにちは。横浜市緑区にある歯医者「礒部歯科医院」です。

喫煙

過去に歯科医師から歯や歯茎の黒ずみ、歯周病の進行が喫煙と関係していると指摘された人もいるかもしれません。タバコが及ぼす身体への害は広く知られていますが、インプラントにも影響はあるのでしょうか。

もし喫煙がインプラントに悪影響を与えるのなら、インプラントの治療を開始する前に正しい知識を得て、適切に対処する必要があります。

今回は、喫煙がインプラントに与える影響について詳しく解説します。インプラントのメリット・デメリットについてもまとめているので、インプラントを検討中の方は、ぜひ参考にしてください。

インプラントとは?

インプラント治療のイメージ

インプラントとはどのような治療法なのか、メリット・デメリットを含め確認しましょう。

インプラントの特徴

インプラントは、失われた歯を補うために顎の骨に人工歯根を埋め込み、その上に人工歯を取り付ける治療法です。

同じく失った歯を補うための治療法である入れ歯は、口の中に装着するだけです。食事中にずれることがありますが、インプラントはしっかりと固定されます。

入れ歯に比べると、自分の歯のような自然な使い心地が得られ、メンテナンスによって長期間使用できます。

インプラントが骨と結合するメカニズム

インプラントが骨と結合するのは、オッセオインテグレーションという生体学的な反応によるものです。インプラントの表面と骨が直接接触し、骨細胞がインプラント表面の微細な凹凸に入り込み、骨とインプラントが生体学的に結合する現象のことをいいます。

金属の中でも、特にチタンには骨と結合する性質があることが発見されました。さらに、インプラントの表面には特殊な研磨加工が施されるので、骨細胞が付着しやすいのです。

インプラントの手術直後からインプラント表面に骨細胞が付着し始め、インプラントと骨が一体化していきます。

インプラントの構造

インプラントは大きく分けて、顎の骨に埋め込む人工歯根と、人工歯根と人工歯をつなぐアバットメント、その上に取り付けられる人工歯の3つのパーツで成り立っています。人工歯根はチタンでできており、歯の部分には、セラミックやレジンなどが使われます。

こうした構造によって、インプラントは歯根と歯冠の両方を人工的に再現でき、自然な歯に近い機能と見た目を回復が期待できるのです。

インプラントのメリット

インプラントの大きなメリットは、機能性と審美性の高さです。

自分の歯のように使える

人工歯根と顎の骨が結合するので、自分の歯のようにしっかりと噛む力が得られます。入れ歯やブリッジでは、噛む力が弱くなることや、物が挟まることがありますが、インプラントはそうした問題が起こりません。

自然に会話や食事を楽しめるのはインプラントのメリットです。

審美性の向上

インプラントでは、人工歯にセラミックやジルコニアなどの素材を使います。自然で美しい歯を作ることが可能です。

入れ歯は金属の部分が見えることがありますが、インプラントは本物の歯と見分けがつかないほど自然に仕上がります。笑顔に自信が持てるようになり、精神面にもポジティブな影響を及ぼすでしょう。

他の歯に負担をかけない

インプラントは周囲の健康な歯を削ったり、負担をかけたりすることがありません。長期的にお口の健康を維持できるでしょう。

例えば、ブリッジの場合は、被せ物を装着するために歯を削る必要があります。歯の寿命を縮める可能性がありますが、インプラントでは歯を削る必要はありません。

しっかり噛むことによる健康増進

インプラントによって噛む力が回復するので、咀嚼機能が向上します。食べられる食品の種類が増えるため、栄養バランスを保ちやすいです。

しっかり噛むことは脳の活性化にもつながるでしょう。

インプラントのデメリット

インプラントにはデメリットもあります。外科的な手術を伴うので怖いと感じる人もいるでしょう。また、治療費が比較的高額で、長持ちさせるためにはメンテナンスが必要です。

手術が心理的な負担になる

インプラントでは、顎の骨に人工歯根を埋め込む手術を行います。手術は局所麻酔のもとで行われ、顎の骨には痛覚がないため、手術中に痛みを感じることはほとんどありません。

ただし、ドリルを使う外科手術のため、手術中に生じる音や振動が伝わることや、出血することがあります。手術後に痛みや腫れが生じる可能性もあります。

人によっては、手術が心理的な負担になることもあるでしょう。

治療費が高額になる

インプラントは保険適用外の治療です。保険適用の入れ歯やブリッジと比べて、経済的な負担は大きくなります。希望する治療が予算内に収まるかどうか確認しなければなりません。

メンテナンスが必要になる

インプラントを長持ちさせるには、定期的なメンテナンスが必要です。歯科医院での専門的な洗浄や、インプラントの状態のチェックを定期的に行います。日々のセルフケアも大切です。

喫煙がインプラントに及ぼす影響

タバコを吸う人

喫煙に健康上のデメリットがあることは広く知られていますが、インプラントに対しても悪影響があります。

ニコチンの影響で血流が悪くなる

タバコに含まれるニコチンには、血管を収縮させる作用があります。血管収縮によって血流が悪くなると、体の各部位への酸素や栄養の供給が不足するのです。

口腔内では、血流の低下により歯肉への酸素や栄養の供給が不足し、細胞の活動が低下します。コラーゲンの生成が阻害されて、細胞の再生や傷口の治癒が遅くなるのです。

インプラントは、人工歯根を骨に埋め込み、骨と結合させることで安定します。血流が悪いと、人工歯根の周囲の骨へ酸素や栄養が十分に供給されません。骨の新生が阻害される可能性があります。

唾液が減少する

タバコに含まれるニコチンは、唾液腺の働きを抑制し、唾液の分泌を減少させます。

唾液には、口腔内の清掃作用や抗菌作用、酸性を中和する作用などがあります。喫煙により唾液の分泌が減少すると、これらの機能が低下するでしょう。

例えば、酸性を中和する唾液の働きが弱まれば口腔内が酸性に傾き、歯のエナメル質が溶けやすくなるのです。唾液の抗菌作用が弱まれば、口腔内の細菌の増殖が抑えられず、むし歯や歯周病のリスクが高まります。

免疫力が低下する

タバコに含まれる有害物質は、免疫系にダメージを与えます。タバコの煙にはニコチンのほかにも、一酸化炭素やタールなどの有害物質が含まれます。白血球の機能を低下させることが大きな問題です。

白血球は体内の異物を排除する役割を担っていますが、喫煙によって機能が低下すれば体の防御機能が弱まります。炎症を起こしやすくなり、感染症にもかかりやすくなります。

インプラントの手術における感染リスクが高くなる可能性があるのです。

歯周病が進行しやすい

喫煙は歯周病の進行を促進します。上述したように、喫煙により口腔内の血流が悪化し、免疫力が低下するためです。

歯周病が進行すると、インプラント周囲炎のリスクが高まります。インプラント周囲炎は、インプラントの周りの組織が歯周病菌によって炎症を起こした状態です。

重症化するとインプラントが抜け落ちる可能性があります。インプラントを引き抜いて洗浄する必要が生じることもあるので注意しましょう。

人工歯の変色につながる

タバコに含まれるタールなどの有害物質が人工歯の表面に付着して、変色する可能性があります。人工歯が変色すると、見た目の美しさが損なわれます。

ただし、変色するかどうかは素材によって異なります。例えば、ハイブリッドセラミックは変色しやすく、オールセラミックはほとんど変色しないといわれています。

インプラント治療後も喫煙は控えたほうがいい?

禁煙について考える男性

インプラントの治療後も、喫煙は控えたほうがいいでしょう。先述したように、タバコに含まれるニコチンには血管を収縮させる性質があり、歯ぐきや骨への栄養や酸素の供給を阻害します。

さらに、喫煙は口腔内の環境を悪化させ、細菌感染や歯周病のリスクを高めます。インプラントで特に問題となるのが、インプラント周囲炎です。悪化すればインプラントを維持できなくなるでしょう。

インプラント周囲炎の原因は、歯周病菌です。歯周病のリスクを高める喫煙は、インプラントを長持ちさせるためにも避けたほうがよいでしょう。

まとめ

禁煙を進める人

喫煙は、口腔内によくない影響をもたらします。唾液が減少する、血流が不足する、免疫力が低下する、などはその一例です。

唾液が減れば、口の中を清潔に保つ働きや、抗菌作用が十分に発揮されなくなります。血流が不足すれば、口腔内の傷口の回復が遅くなります。免疫力が低下すれば、炎症や感染が起こりやすくなるでしょう。

インプラント治療を受けた人にとって、インプラント周囲炎は注意すべき疾患です。インプラント周囲炎は歯周病菌が原因なので、歯周病が進行しやすい喫煙者は非喫煙者に比べてリスクが高くなります。

インプラントの治療を成功させるためにも、また、治療後にインプラントを長持ちさせるためにも、喫煙は避けることが望ましいです。

インプラント治療を検討されている方は、横浜市緑区にある歯医者「礒部歯科医院」にお気軽にご相談ください。

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インプラント治療で歯茎が下がる原因と歯茎のトラブルを予防する方法

こんにちは。横浜市緑区にある歯医者「礒部歯科医院」です。

インプラントの説明

インプラント治療後、どのような理由から歯茎が下がるのでしょうか。歯茎が下がるとどのような悪影響があるのか気になる方もいるでしょう。

今回は、インプラント治療後に歯茎が下がる原因や、歯茎が下がらないようにする方法などを解説します。インプラント治療に関わるほかの歯茎のトラブルもご紹介するので、ぜひ参考にしてください。

インプラント治療によって歯茎が下がる原因

インプラントのイメージ

インプラント治療を受けたことによって、歯茎が下がることがあります。原因は、以下のとおりです。

インプラント周囲炎になったため

歯茎が下がるだけではなく、インプラントを失う原因となるのがインプラント周囲炎です。人工歯根であるインプラント体も被せ物も人工物ですが、インプラント周辺の歯茎は歯周病に感染してインプラント周囲炎になることがあります。

インプラント周囲炎は、天然歯の歯周病と比較して進行が早いです。また、初期段階では痛みや出血が生じにくく、気づきにくいため悪化しやすいといえます。

通常の歯周病でも同様ですが、インプラント周囲炎も歯茎が下がる原因となるでしょう。

抜歯したあと、歯茎が回復しなかったため

インプラント治療を行う際は、抜歯をすることもあります。抜歯を行うと歯茎が傷つきますが、通常3〜4日で回復してもとの状態に戻ります。

うまく回復できなかった場合、歯茎が下がる原因になるのです。

噛み合わせが悪くなったため

インプラント治療を行ったことによって、噛み合わせが悪くなるケースがあります。歯茎に大きな力がかかり、歯茎が下がることがあるでしょう。

歯ぎしりや食いしばりのため

インプラント治療を受けていなくても、歯ぎしりや食いしばりが強い場合は大きな負担がかかって歯茎が下がることがあります。歯ぎしりや食いしばりを改善することは難しいため、就寝時にはナイトガードを装着して歯や歯茎を守る必要があるでしょう。

歯磨きで歯茎にダメージを与えているため

歯茎に歯ブラシを当てるなど、歯磨きの仕方によって歯茎にダメージを与えていることがあります。しっかり磨けているかだけではなく、歯茎を傷つけていないかも意識して歯磨きを行いましょう。

インプラント治療で歯茎が下がることによる悪影響

インプラント治療で悩む人

歯茎が下がると、お口全体に大きな悪影響を及ぼします。

歯茎が下がって歯根部分が露出すると、歯が長く見えるなど審美性が低下します。歯茎がダメージを受けているので、残った歯茎も不健康に見えるでしょう。

歯茎が下がって最も困ることは、歯がぐらぐらと不安定になることです。しっかり噛めなくなり、最終的にはインプラントが抜け落ちるリスクも高まります。

十分に歯茎を回復させることができないと、インプラントの再治療は受けられないでしょう。入れ歯やブリッジを使っても、しっかり噛めなくなる可能性が高いです。

歯茎が下がると、見た目だけではなく、口腔機能に大きな悪影響を及ぼす可能性があります。インプラント治療後に限らず、歯茎の状態は常に注視しましょう。

インプラント治療によるそのほかの歯茎のトラブル

インプラントでトラブルになった人

歯茎が下がること以外にも、インプラント治療によって以下の歯茎のトラブルが生じることがあります。

歯茎が黒くなる

インプラント治療後に歯茎が黒くなることがあります。原因として挙げられるのは、インプラント周囲炎です。

また、素材にもよりますが、インプラント体の金属が透けて黒く見えることもあります。歯茎が薄いことや、歯茎の表面に近い位置にインプラント体が埋入されたことが原因です。

歯茎が腫れる

インプラント治療は外科手術を伴うので、治療直後は歯茎が出血する、腫れるなどの症状が現れます。通常の手術後の反応であり、一定の期間内に改善されることが多いです。

しかし、2週間以上経過しても腫れが落ち着かない場合は、術後の感染などが考えられるでしょう。早急に歯科医師に相談してください。

手術後の傷口が白くなる

インプラント治療後の傷口が膜のような白いものに覆われて、ぶよぶよすることがあります。口内炎や汚れの場合もあるでしょう。

歯茎を押すと痛む

インプラント周辺の歯茎を押した際に、痛みを感じることがあります。理由としては、インプラント周囲炎が挙げられるでしょう。

インプラント周囲炎の場合、出血や腫れなどの症状も現れることが多いです。進行すると歯茎が痩せて、インプラントが抜け落ちるでしょう。

歯茎のトラブルを予防する方法

インプラント治療のために歯磨きする人

インプラント治療は外科手術を伴うため、痛みや腫れなどの症状が現れるのが一般的です。治療後数週間が経過しても続く場合は、放置せずに速やかに歯科医師に相談しましょう。

トラブルを予防するための方法は、以下のとおりです。

毎日のブラッシングと定期メンテナンスを徹底する

歯茎の健康を守るためには、食後は正しい方法でブラッシングをすることと、歯科医師の指示に従って定期メンテナンスを受けることが大切です。口腔内を清潔に保ち、問題が発生する前に歯科医師にチェックしてもらうことで、トラブルを予防できます。

トラブルが起こっていても早期に対応できるでしょう。歯茎が下がる、インプラントが抜け落ちるなど、重症化する前に対応してもらえるので、定期メンテナンスは必ず受けてください。

ナイトガードを使う

歯ぎしりや食いしばりがある場合は、歯茎を守るためにナイトガードを使用しましょう。日中も強く歯ぎしりや食いしばりをする場合は、衝撃を緩和するマウスピースの使用も検討してください。

生活習慣を見直す

喫煙の習慣がある場合は、歯茎の血行が悪くならないようにできる限り禁煙しましょう。細菌への抵抗力を高めるために、栄養のバランスのよい食事や十分に睡眠を取ることも重要です。また、ストレスを溜めないように心がけましょう。

歯周組織再生療法を受ける

歯茎が下がって顎の骨が溶け出している場合でも、歯周組織再生療法を受けることで、歯茎を取り戻せるかもしれません。歯茎が下がって歯が露出している状態が改善し、歯周病の進行も抑えられます。

歯周組織再生療法には複数の治療方法があり、歯科医院によって対応している治療法が異なります。歯周組織を再生させる成分であるエムドゲインを注入する方法や、患者さまご自身の骨を移植する方法、骨の代わりとなる骨補填材を使用する方法などが一般的です。

歯茎の再生療法を受ける

患者さまの上顎の結合組織や上皮組織を採取して、痩せた歯茎に移植する方法もあります。インプラントが安定するだけではなく、ご自身の組織を用いるため見た目が自然に仕上がることも大きなメリットです。

まとめ

口腔ケアのイメージ

インプラント治療後に、歯茎が下がることはあり得ます。インプラント周囲炎や、歯ぎしり・食いしばりなど、さまざまな要因がリスクとして挙げられます。

インプラント周囲炎によって歯茎が下がる症状は、セルフケアを徹底しながら定期メンテナンスに通い、歯茎に悪影響のある生活習慣を見直すことで予防可能です。食いしばりや歯ぎしりなどが原因の場合も、ナイトガードやマウスピースを装着することで予防できます。

歯茎が下がると、見た目が悪いだけではなく、歯が不安定になり噛みにくくなるでしょう。歯やインプラントが抜け落ちる可能性もあります。

インプラントだけではなく、すべての歯を守るために、日頃からご自身の歯の状態を確認してトラブルを予防しましょう。

インプラント治療を検討されている方は、横浜市緑区にある歯医者「礒部歯科医院」にお気軽にご相談ください。

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インプラントがぐらつくときはどうしたらいい?対処法と注意点を解説

こんにちは。横浜市緑区にある歯医者「礒部歯科医院」です。

インプラントがぐらつく人

インプラントは、失った歯を補う治療法のひとつです。しっかりと噛める安定感のある歯が手に入ることから、近年、治療を希望する方が増加しています。

しかし、インプラントに不具合を感じている方もいます。具体的には、インプラントがぐらつく、脱落するなどが挙げられるでしょう。

今回は、インプラントがぐらつく原因や対処法などについて解説します。インプラントのぐらつきを放置してはいけない理由や、ぐらつくときの注意点・対処法、予防法もご紹介しますので、ぜひ最後までご覧ください。

インプラントがぐらつく4つの原因

インプラントがぐらつく4つの原因イメージ

インプラントがぐらつく4つの原因について解説します。

人工歯の接着力が弱まっている

人工歯を接着剤で固定させるインプラントの場合、接着剤が流れ出ることで接着力が弱まり、インプラントがぐらつくケースがあります。インプラント本体に問題がなく、人工歯の接着力にのみ問題がある場合は、再度接着剤をつけて人工歯を装着して対処することが多いです。

短時間で終了し、治療費もあまりかかりません。

アバットメントが緩んでいる

アバットメントとは、歯茎の中に埋め込んだインプラント体の上に取り付けられる部品のことです。アバットメントのネジが緩むと、インプラントがぐらつくのです。

食いしばりなどが原因で、繰り返し強い力が加わるとネジが緩む可能性があります。

骨との結合がうまくできていない

通常、インプラントを骨に埋め込んだあと、ゆっくりと時間をかけて骨と結合します。

しかし、骨と結合している最中にインプラント周囲に炎症が生じると、骨との結合が妨げられる可能性があるでしょう。うまく骨と結合できなかった場合、インプラントがぐらつくことがあります。

歯科医師の技術やインプラントの材質、患者さまの骨の質などが影響し、骨との結合がしっかりと行われないケースがあります。骨との結合が不十分な状態では、インプラントがぐらつく可能性が高いです。

インプラント周囲炎を発症している

インプラントは人工物なので、虫歯になることはありません。そのため、セルフケアを怠る方もいるでしょう。

しかし、セルフケアや歯科医院でのメンテナンスを怠ると、インプラント周囲に炎症が起こる可能性があります。インプラント周囲の炎症の進行度は、大きく2段階にわけられます。

1段階目が、インプラント周囲粘膜炎といわれる状態です。インプラント周囲粘膜炎とは、天然歯における歯肉炎のことです。炎症は歯茎のみに限定されており、骨には及んでいません。

2段階目のインプラント周囲炎は、インプラントのぐらつきにつながります。インプラント周囲炎は、炎症がインプラントを支える骨にまで広がった状態です。

症状の進行を放置するとさらに深刻な状態になるため、早めに対処する必要があります。

インプラントがぐらつく状態で放置してはいけない理由

インプラントがぐらつくまま放置してはいけないイメージ

「インプラントがぐらつくけど、少しなら問題ないのでは?」と感じる方もいるでしょう。

しかし、ぐらつくインプラントを放置してはいけません。症状がさらに悪化する可能性があるからです。

周りの歯や組織に悪影響を及ぼし、口内環境が悪化する可能性もあるため、早めに対処しましょう。

また、インプラントがぐらつく原因がインプラント周囲炎だった場合、放置するとインプラントが抜け落ちる可能性があります。インプラントを長く使い続けるためには、なるべく早めに治療したほうがよいといえます。

インプラントがぐらつくときの注意点

インプラントがぐらつくときの注意点イメージ

インプラントがぐらつくときの注意点は、以下のとおりです。

ご自身で改善しようとしない

インプラントがぐらつくことが気になって早く改善したいと考え、直接手で触ろうとする方もいるでしょう。

しかし、医療の知識がない一般の方では、インプラントがぐらつく原因を特定することができません。原因がわからない状態でインプラントに触れば、症状が悪化する可能性があります。

そのため、決してご自身では直さないでください。

外れた部品を捨てない

人工歯が外れた場合、ご自身で接着しようとする方もいるでしょう。医療の知識がない状態で人工歯を接着することは、非常に危険です。人工歯を誤って飲み込む可能性もあるため、必ず歯科医院で対処してもらいましょう。

「外れた人工歯は捨ててもいい?」と思う方がいるかもしれませんが、捨てずに保管してください。外れた人工歯を装着するだけで問題が解決するケースも多いです。

インプラントがぐらつくときの対処法

インプラントの器具

インプラントがぐらつくときの対処法をご紹介します。

人工歯を再接着する

人工歯の接着力が弱まってぐらつく場合、人工歯を再接着することで問題は解決します。専用の接着剤を使用して人工歯を接着するだけなので、治療費もさほどかかりません。

ネジを締め直す

インプラントの種類にもよりますが、人工歯をネジで留めている場合は、ネジが緩んでぐらつくケースがあります。ネジを締め直せばぐらつきは改善されるでしょう。

非常に簡単な処置で、治療費の負担も少ないです。

人工歯を外して炎症を抑える

インプラント周囲炎が原因の場合、人工歯を外して炎症が落ち着くのを待つことがあります。特に、インプラント周囲炎の初期段階であれば、人工歯を外してインプラント周囲を清掃・消毒することで炎症が治まるケースが多いです。

インプラント周囲炎を放置すると症状が進行し、インプラントが抜け落ちる可能性もあるため適切に対処しましょう。

インプラントを除去する

インプラント周囲が細菌に感染したことで、顎の骨が溶かされている場合もあります。インプラントを維持することは難しいので、インプラントを除去する必要があるでしょう。

インプラントのぐらつきを予防する方法

歯ブラシセット

インプラントがぐらつく原因は数多くありますが、口腔内の衛生状態が悪くなって細菌に感染したことや、インプラント周囲炎によってインプラントを支えている骨が溶けたことが原因のケースが多いです。

そのため、インプラントのぐらつきを予防するために重要なことは、セルフケアといえます。毎日のブラッシングやフロスによるケアをしっかりと行い、口腔内の衛生状態を良好にしましょう。

特に、夜の歯磨きを怠ると口腔環境が急速に悪化する可能性があります。就寝前のブラッシングはしっかり行ってください。

また、定期的に歯科医院を受診し、歯垢や歯石を徹底的に除去してもらうことも大切です。

インプラント治療を受ける歯科医院を慎重に選択することも重要でしょう。あまり多くはありませんが、歯科医師の診断が適切ではないことが原因でインプラントがぐらつくケースもあります。インプラント治療を受ける際は、技術の確かな歯科医師のいる歯科医院を選ぶことが大切です。

まとめ

インプラント治療

今回は、インプラントがぐらつく原因や、ぐらつくときの注意点・対処法、インプラントのぐらつきを予防する方法について解説しました。

インプラントがぐらつく原因は数多くあるため、医療の知識がない一般の方ではぐらつく原因を特定できません。原因がわからない状態でご自身で直そうとすることは大変危険なので、決して触ろうとせず早期に歯科医院を受診しましょう。

歯科医院を受診すれば、歯科医師が原因を特定して必要な処置をしてくれます。

また、インプラントがぐらつく主な原因は細菌感染であるため、日頃からセルフケアを徹底し、口腔内の衛生状態を悪化させないよう努めましょう。

インプラント治療を検討されている方は、横浜市緑区にある歯医者「礒部歯科医院」にお気軽にご相談ください。

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インプラントを長持ちさせる!メンテナンスの内容を詳しく解説!

こんにちは。横浜市緑区にある歯医者「礒部歯科医院」です。

インプラント治療後の説明

インプラントは、入れ歯やブリッジよりも機能的・審美的に優れている治療法です。

インプラントの平均寿命は10~15年程度といわれていますが、メンテナンスを怠ると平均寿命よりも早く寿命を迎える可能性があります。インプラントを長く使い続けるためには、毎日の歯磨きを丁寧に行うことに併せて、定期的なメンテナンスが欠かせません。

そこで今回は、インプラントを長持ちさせるためのメンテナンスについて詳しく解説します。インプラントのメンテナンスの必要性やセルフケア方法についても解説しますので、インプラント治療を検討している方だけでなく、インプラント治療を受けたことがある方も、ぜひ参考にしてください。

インプラント治療後にメンテナンスを受ける理由

インプラントの説明

インプラントの平均寿命は10~15年程度といわれていますが、これは定期的にメンテナンスを受けていることが前提です。「インプラントは一生もの」と考えている方もいるでしょう。

しかし、定期メンテナンスを怠ると、平均寿命よりも早く寿命を迎えることがあるのです。そのため、インプラントの治療後は定期的なメンテナンスが欠かせません。

そこでここでは、インプラント治療後にメンテナンスを受ける4つの理由を解説します。

インプラント周囲炎の予防のため

インプラントは人工物のため虫歯にはなりませんが、インプラント周囲炎にかかる可能性があります。インプラント周囲炎とは、インプラントの周りの歯茎や顎の骨が炎症を起こす、歯周病に似た病気のことです。

初期のインプラント周囲炎は自覚症状に乏しいため症状が悪化しやすく、気付いたときにはインプラントがぐらつき、最悪の場合にはインプラント自体が抜け落ちることもあります。

インプラント周囲炎の原因は、磨き残しである歯垢や歯石です。毎日歯磨きを丁寧に行なっていても、お口の中にあるすべての汚れを取り除けるわけではありません。

定期的にメンテナンスを受けることでお口の中を清潔に保て、インプラント周囲炎を予防できるのです。

噛み合わせの調整のため

インプラントを長く使い続けるためには、全体の噛み合わせのバランスが整っていることが大切です。

インプラントとご自身の歯との噛み合わせが悪いと、インプラント部分に過大な負荷がかかり、人工歯部分の欠けや破折、インプラント自体のぐらつきにつながる可能性があります。

また、噛み合わせの悪さはお口の中だけでなく、顎関節症や頭痛、肩こり、めまいなど、全身の健康にも悪影響を及ぼすため、定期的な噛み合わせのチェックが欠かせません。また、インプラント治療後は、年齢とともにインプラント部分だけでなくご自身の歯も徐々にすり減っていきます。

そのため、定期的にメンテナンスで噛み合わせを確認・調整することが重要なのです。

虫歯・歯周病の予防ため

定期的なメンテナンスを怠ると、ほかの歯が虫歯や歯周病になるリスクが高くなります。特に、インプラントは歯の根元に汚れが溜まりやすいため、毎日の歯磨きだけでは汚れを完全に取り除くことは難しいです。

そのため、定期的なメンテナンスを怠るとインプラント周囲炎になりやすいだけでなく、ほかの歯が虫歯や歯周病になるリスクが高くなるといえます。

これ以上歯を失わないためにも、定期的にメンテナンスを受けましょう。

インプラントの保証を受けるため

インプラント治療を扱う多くの歯科医院では、インプラントにトラブルがあった場合に受けられる保証を設けています。

保証の内容や期間は、歯科医院やインプラントのメーカーによって異なりますが、保証を受けるためには定期的にメンテナンスを受けていることが前提となっているのが一般的です。

つまり、インプラント治療が終わったからといって歯科医院のメンテナンスに通わなくなると、インプラントの保証が受けられない場合があるということです。

インプラントの保証を受けるためにも、定期的にメンテナンスを受けましょう。

インプラント治療後のメンテナンスでは何をする?

インプラント治療後のメンテナンス

インプラント治療後のメンテナンスではどのようなことを行うのでしょうか。

ここでは、一般的なインプラント治療後のメンテナンスの内容について解説します。

お口の状態の確認

インプラントのメンテナンスでは、まずはお口全体の状態を確認します。

一般的なインプラントのメンテナンスでの確認項目は、以下のとおりです。

  • 全体的な虫歯・歯周病の有無
  • 全体的な噛み合わせの確認
  • インプラントの上部構造の欠けや破損の有無
  • インプラントのねじのゆるみ
  • 歯周ポケットの深さ
  • 歯茎の腫れや出血などの炎症の有無
  • インプラント・歯の揺れの有無

インプラントを長持ちさせるためには、インプラントが全体の歯並びや噛み合わせと調和していることが大切です。

そのため、インプラント部位の確認はもちろん、虫歯や歯周病の有無、噛み合わせの確認など、全体的にお口の中を検査します。検査の際に虫歯や歯周病が見つかれば、優先的に治療を行います。

磨き残し確認・ブラッシング指導

インプラントを長持ちさせるためには、定期的にメンテナンスを受けるだけでなく、毎日の歯磨きによるセルフケアが欠かせません。

毎日の歯磨きによる磨き残しをプロがチェックし、正しい歯ブラシの当て方やフロス・歯間ブラシの使い方などを教えてもらえます。

特に、インプラントは歯の根元に汚れが残りやすいため、正しい歯磨きの仕方を覚え、磨き残しをなくすことが大切です。また、正しい歯磨きの仕方を身につけることで、虫歯・歯周病予防にもつながります。

スケーリング

スケーリングとは、歯科医師や歯科衛生士などのプロが行う歯のクリーニングのことです。

毎日歯磨きをどれだけ丁寧にしていても、すべての汚れを取り除くことは難しいといわれています。特に、硬くこびりついた歯石は歯ブラシで取り除くことはできず、歯科医院で除去してもらう必要があるのです。

スケーリングではスケーラーという専用の器具を使い、歯に付着した汚れを徹底的に除去します。

仕上げ磨き

スケーリングでお口全体の汚れを除去したあとは、専用の器具を使って歯の表面を仕上げ磨きします。歯の表面を磨くことで、細菌の塊であるバイオフィルムや着色汚れなどを除去できるのです。

また、仕上げ磨きには汚れを落とすだけでなく汚れをつきにくくする効果もあります。そのため、メンテナンス後の虫歯や歯周病、インプラント周囲炎の予防にも効果的です。

このように、定期的にメンテナンスを受けることでインプラントやご自身の歯を清潔に保て、お口全体の寿命を延ばすことができるでしょう。

メンテナンスはどれくらいの頻度で受ける?

メンテナンスの頻度イメージ

インプラントのメンテナンスを受ける頻度は、3~6か月に1回が一般的です。歯科検診も3~6か月に1回が推奨されているため、インプラントの有無に関わらず、この頻度でメンテナンスを受けましょう。

3~6か月に1回とメンテナンスの頻度にバラつきがあるのは、お口の状態によって異なるためです。例えば、お口の中に磨き残しが多く、インプラント周囲炎になるリスクが高い場合は3か月に1回、場合によってはこれよりも短い頻度で通うこともあります。

一方で、セルフケアができており口内環境が良好であれば、6か月に1回の頻度で十分という場合もあるでしょう。このように、インプラントのメンテナンスを受ける頻度は3~6か月に1回が一般的ですが、お口の状態によって異なるのです。

インプラントのセルフケア方法

インプラントのケア

インプラントを長持ちさせるためには、定期的なメンテナンスだけではなくセルフケアも欠かせません。メンテナンスを受ける頻度は3~6か月に1回のため、次のメンテナンスまでトラブルなく過ごすためには毎日の歯磨きが大切なのです。

インプラントのセルフケアで使用する歯ブラシは、インプラント用の歯ブラシもしくはやわらかめの歯ブラシを選びましょう。

ブラッシングのポイントは、以下のとおりです。

  • やさしい力で細かく磨く
  • 研磨剤が入っていない歯磨き粉を使用する
  • インプラントと歯茎の境目は45度の角度で歯ブラシを当てる

それぞれ解説します。

やさしい力で細かく磨く

インプラントを磨く際は、毛先が曲がらないほどの軽い力で歯ブラシを持ち、やさしい力で細かく磨きましょう。ゴシゴシと力強く磨くと、インプラントの上部構造に細かな傷がつく場合や、歯茎が下がる場合があるため注意してください。

研磨剤が入っていない歯磨き粉を使用する

研磨剤が入った歯磨き粉もインプラントを傷つける可能性があるため、研磨剤が入っていない歯磨き粉を選びましょう。

インプラントと歯茎の境目は45度の角度で歯ブラシを当てる

インプラントの周りを磨く際は、上部構造はもちろん、インプラントと歯茎の境目を丁寧に磨くことが重要です。インプラントと歯茎の境目に45度の角度で歯ブラシを当てて磨くことで、しっかりとインプラントの根元に歯ブラシが当たるため、効率的に汚れを取り除くことができます。

歯磨きの補助用具

デンタルフロスを使う女性

歯ブラシだけではお口の中のすべての汚れを取り除くことは難しいでしょう。

以下の補助用具を使用することで、歯ブラシでは届かない部分の汚れを取り除くことができます。

フロス・歯間ブラシ

磨きにくい歯と歯の間にはフロスや歯間ブラシを使用するとよいでしょう。

フロスは糸状、歯間ブラシはブラシ状になっています。フロスと歯間ブラシを使用することで歯と歯の間の汚れを取り除くことができるのです。

インプラントと歯の間にすき間がない場合はフロス、すき間がある場合は歯間ブラシを使用するとよいでしょう。

タフトブラシ

タフトブラシとは、毛束が1つしかない通常の歯ブラシよりも小さいブラシのことです。タフトブラシは小回りがきくため、インプラントと歯茎の境目や歯と歯の間などを効率的に磨けます。

歯ブラシでは届きにくい奥歯などを磨くときにタフトブラシを使用するとよいでしょう。

デンタルリンス

歯磨きをしたあと、デンタルリンスで口をゆすぐことで口内の殺菌・消毒ができ、インプラント周囲炎や虫歯などを予防できます。

就寝中は唾液の分泌量が減るため、口内が細菌繁殖しやすいです。就寝前は丁寧に歯を磨き、デンタルリンスでよく口をゆすぎましょう。

まとめ

インプラント治療後の説明

今回は、インプラントを長持ちさせるためのメンテナンスについて詳しく解説しました。

インプラントを長持ちさせるためには、毎日の歯磨きでできるだけ磨き残しをなくし、定期的にメンテナンスを受けることが重要です。

インプラントのメンテナンスでは、インプラントの状態を確認し、必要に応じて処置を行います。メンテナンスを怠ると、インプラント周囲炎になる場合や噛み合わせが悪くなる場合があるでしょう。

そのため、3~6か月に1回の頻度でメンテナンスを受けることが重要なのです。

インプラントを検討されている方は、横浜市緑区にある歯医者「礒部歯科医院」にお気軽にご相談ください。

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顎の骨が少ない人のインプラント治療!骨を増やす治療法を解説!

こんにちは。横浜市緑区にある歯医者「礒部歯科医院」です。

インプラント治療

「顎の骨が少ないけれど、インプラント治療は受けられるのか?」という疑問をおもちの方がるのではないでしょうか。顎の骨が少ない場合でも、骨を増やす治療(骨造成)を行えばインプラント治療を受けられる可能性があります。

今回は、顎の骨が少ない方がインプラント治療を受ける場合に必要となる治療について詳しく解説します。顎の骨を増やす治療のリスクや注意点についても解説しますので、ぜひ参考にしてください。

顎の骨が少ないとインプラント治療は受けられないのか?

顎の骨が少ない人

顎の骨が少ない方でも、インプラント治療は可能です。

インプラント治療では、顎の骨にインプラントを埋め込み、失った歯を補います。顎の骨に埋め込んだインプラントが歯根の役割を果たすのです。

しかし、顎の骨が少ない場合、インプラントが適切に固定されず、場合によっては抜け落ちる危険性があります。そのため、インプラント治療前に顎の骨を増やす治療を受ける必要があるのです。

顎の骨が少ない患者さんには顎の骨の量を増やす「骨造成」という治療法が用いられます。

しかし、骨造成を行う場合、手術はより複雑になります。治療期間が延長になる・追加で費用がかかる・合併症のリスクが高まるなどのデメリットも考慮しなければなりません。

顎の骨が少なくなる原因

顎の骨が少なく悩む女性

顎の骨が少なくなる原因はさまざまです。多くの場合、定期的に歯科検診を受けることで防ぐことができるでしょう。

顎の骨が少なくなる原因は、以下の4つです。

歯周病になった

歯周病は、プラークの蓄積が原因で発生し、顎の骨が少なくなる原因のひとつです。

プラークが除去されずに残ると、歯周ポケットが形成され、細菌が増殖しやすくなります。増殖した細菌が炎症を引き起こし、炎症が長期にわたると歯を支える骨にダメージを与え、骨量を減少させるのです。

さらに歯周病が進行すると、顎の骨の破壊が進み、骨が失われるリスクが高まります。この結果、顎の骨が大幅に減少すると、最悪の場合は歯が抜け落ちる可能性があるのです。

歯が抜け落ちたあとの顎の骨の再生は困難であり、以前の状態に復元することは難しいでしょう。

歯を失ってから長期間放置していた

歯を失ってから長期間放置すると、顎の骨が少なくなることがあります。通常、歯は咀嚼する際に顎の骨に刺激を与え、骨の密度を保ちます。

しかし、歯が失われると咀嚼による刺激がなくなるため、骨の新陳代謝のバランスが崩れるのです。結果として、古い骨が新しい骨に置き換わる過程が遅くなり、顎の骨が少なくなります。

特に、歯を失ったあとに適切な治療を受けない場合、骨の吸収は急速に進む可能性があります。そのため、歯を失った際には、顎の骨の健康を維持するために、迅速かつ適切な治療を受けることが重要なのです。

合わない入れ歯を使い続けた

入れ歯は咀嚼機能を補う役割を果たしますが、顎の骨に悪影響を与えることもあります。特に、合わない入れ歯を使用していると、顎の骨に十分な刺激が加わらず、徐々に骨が吸収されて骨量が減少するのです。

また、入れ歯は定期的に調整や交換が必要です。適切なメンテナンスが行われないと、入れ歯と顎の骨の間に不適切な圧力が発生し、骨吸収をさらに進行させるでしょう。

腫瘍ができた

腫瘍ができた場合も、顎の骨が少なくなることがあります。

腫瘍は細胞の異常増殖により発生します。口腔内や顎の近くに腫瘍ができると、周囲の組織や骨を侵食し、損傷を引き起こす可能性があるのです。進行した腫瘍を除去する際は、治療の一環として骨を部分的に切除することもあります。

また、腫瘍の種類によっては骨代謝の乱れや骨密度の低下を引き起こし、顎の骨が脆くなることや薄くなることがあるのです。

顎の骨が少ない人に必要な治療とは?

顎の骨が少ない人に治療を説明

前述のとおり、顎の骨が少ない人は、インプラント治療前に顎の骨を増やす治療を行う必要があります。

ここでは、顎の骨が少ない人に必要な治療について詳しく解説します。

GBR法(骨組織誘導再生法)

GBR法(骨組織誘導再生法)は、顎の骨の高さや幅が不足している場合に用いられる治療法です。GBR法では、人工膜の「メンブレン」を使用して骨が再生できる空間を作り、その空間に人工骨を充填することで、骨組織の再生を促進します。

GBR法は、インプラント治療の前段階で行われることが多いです。治療期間には個人差がありますが、通常は6~9か月程度で顎の骨が再生し、インプラントの安定性が確保されるとされています。

治療に時間はかかりますが、インプラントは数十年にわたって使用するものです。耐久性と安定性を確保するためには、インプラント治療前に確実な治療を行うことが非常に重要といえます。

サイナスリフト

サイナスリフトは、上顎の歯が多数欠損している場合や顎の骨の厚みが5mm未満の場合に用いられる治療法です。

サイナスリフトでは、まず上顎の歯茎の側面を切開し、骨を露出させます。次に、シュナイダー膜(上顎洞粘膜)が見えるように、約10~30mmの範囲で歯槽骨を四角に切り取ります。シュナイダー膜を慎重に歯槽骨から剥がしたあと、新たに生まれた空間に骨を移植するのです。

移植した骨が固まるまでには3~6か月程度かかります。固まった骨は新しい土台となり、その上にインプラントを埋め込むことで、機能的な歯を取り戻すことができるのです。

全体の治療期間は9か月程度でしょう。

ソケットリフト

ソケットリフトは、インプラント治療を行う際に骨量が不足している場合に用いられる治療法です。

ソケットリフトでは、歯が抜けた部分(ソケット)に移植骨を加え、シュナイダー膜を徐々に押し上げて、インプラントが安定して固定できるようにします。シュナイダー膜までの骨の高さが5mm以上ある場合に、ソケットリフトが適応されます。

ソケットリフトは、サイナスリフトに比べて傷口が小さいため、処置時間が短く、痛みや腫れも少ないという点がメリットです。治療期間は3~4か月程度で、この期間内に移植された骨が固まり、インプラントに適した土台が形成されます。

ソケットプリザベーション

ソケットプリザベーションは、抜歯後の骨吸収を予防し、骨の健全な状態を維持するための治療法です。通常、抜歯と同時に行います。

抜歯によって生じた歯の穴(抜歯窩)を放置すると、時間が経つにつれて周囲の骨が吸収されます。骨の吸収が進行すると、将来的にインプラントを埋め込むことが困難になるでしょう。また、インプラントを埋め込んだあとでも、骨が吸収され続ける可能性があるのです。

そこで、抜歯後の骨の吸収を防ぐためにソケットプリザベーションが行われます。ソケットプリザベーションでは、抜歯時に人工骨や骨補填材を抜歯窩に充填し、骨の吸収を効果的に抑制します。これにより、インプラントを埋め込みやすい基盤を形成するのです。

遊離自家骨移植術(ボーン・グラフト)

遊離自家骨移植術(ボーン・グラフト)は、重度の歯周病やほかの疾患によって骨量が減少した部分に適応される再生治療法です。遊離自家骨移植術では、患者さん自身の顎の骨を利用します。

遊離自家骨移植術では、まず顎の骨からブロック状の骨を採取し、骨が欠損している部分に移植します。その後、スクリューやほかの方法を用いて固定し、欠損部分の骨の再生を促進するのです。

遊離自家骨移植術の特徴は、患者さん自身の顎の骨を移植するため、拒絶反応のリスクが極めて低い点です。また、骨の質が自然であるため、結合や再生がスムーズに進む点もメリットといえるでしょう。

移植した骨が新しい位置で適切に組織として機能するまで、4~6か月程度かかります。

顎の骨を増やす治療のリスク・注意点

顎の骨を増やす治療のリスク

顎の骨を増やす治療にはいくつかリスクや注意点があることを理解しておきましょう。

顎の骨を増やす治療のリスク・注意点は、以下のとおりです。

痛みや腫れが生じる可能性がある

骨造成手術後は、痛みや腫れが発生することがあります。痛みがある場合は、我慢せずに鎮痛剤を服用してください。また、抗生物質も処方されるため、飲み忘れないようにしましょう。抗生物質を飲み忘れると細菌感染のリスクが高まります。

腫れは手術後2~3日でピークに達し、通常は1週間〜10日程度で痛みや腫れは治まるでしょう。

しかし、痛みや腫れが治らない場合は、早めに歯科医院に相談してください。

柔らかい食べ物を摂取する

顎の骨を増やす治療を受けてから1週間程度は、柔らかい食べ物を摂取しましょう。おかゆ・スープ・ゼリー・うどんなどがおすすめです。また、熱いものや辛い刺激物は避け、治療を受けた部位を避けて噛みましょう。

飲酒と喫煙を控える

顎の骨を増やす治療を受けてから1週間程度は、飲酒と喫煙は控えましょう。アルコールを摂取すると血行がよくなり、出血や痛みを引き起こす原因になります。

また、喫煙はタールやニコチンなどの有害物質が歯肉の血行を悪化させ、傷の治りを遅らせるのです。さらに、歯周病のリスクも高まるため、インプラント治療を検討している方は禁煙したほうがよいでしょう。

運動や入浴は避ける

運動や入浴は血行をよくするため、出血や痛みを引き起こす原因になります。そのため、ウォーキングやストレッチといった軽い運動も避ける必要があります。顎の骨を増やす治療を受けてから1週間程度は安静に過ごし、お風呂はシャワーのみで済ませましょう。

注意して口腔ケアを行う

抜糸までの間、患部のブラッシングは控えましょう。歯ブラシが当たると傷口が開く可能性があり、痛みを増強させる原因にもなります。また、うがいをするときは傷口が開かないよう優しく行いましょう。

歯磨きやうがいをまったく行わないのは、口腔内が不潔になるため好ましくありません。傷口が開かないよう注意しながら、口腔内を清潔に保つことが重要です。

顎の骨を増やす治療にかかる費用

顎の骨を増やす治療にかかる費用

顎の骨を増やす治療は、ほとんどの症例において保険が適用されません。

顎の骨を増やす治療にかかる費用は、以下のとおりです。

<顎の骨を増やす治療にかかる費用>

治療方法 費用
GBR法(骨組織誘導再生法) 30,000~150,000円程度
サイナスリフト 150,000~300,000円程度
ソケットリフト 30,000~100,000円程度
ソケットプリザベーション 50,000~100,000円程度
遊離自家骨移植術(ボーン・グラフト) 50,000~300,000円程度

まとめ

インプラント治療の説明

今回は、顎の骨が少ない方がインプラント治療を受ける場合に必要となる治療について詳しく解説しました。

顎の骨が少なくなる原因は、歯周病・腫瘍・長期間の歯の喪失・不適切な入れ歯の使用などです。顎の骨が少ない方がインプラント治療を受ける場合、十分な骨量に増やす必要があります。

顎の骨を増やす治療法はGBR法(骨組織誘導再生法)・サイナスリフト・ソケットリフト・ソケットプリザベーション・遊離自家骨移植術(ボーン・グラフト)の5つです。

また、顎の骨を増やす治療にはリスクと注意点があるので、事前にしっかりと確認しましょう。

顎の骨が少なくインプラント治療を検討されている方は、横浜市緑区にある歯医者「礒部歯科医院」にお気軽にご相談ください。

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治療前に知っておくべきインプラント治療のリスクと副作用を解説!

こんにちは。横浜市緑区にある歯医者「礒部歯科医院」です。

インプラント

インプラント治療を検討中の方のなかには「インプラント治療にはどのようなリスクや副作用があるの?」「インプラント治療をする前に知っておいたほうがいいことはある?」などの疑問をおもちの方もいるかもしれません。

インプラント治療では、機能的かつ自然な見た目が叶うため、何らかの理由で歯を失った方にはメリットの大きい治療法です。

ただし、メリットだけでなく、リスクや副作用が出現する可能性ももちろんあります。インプラント治療を受けるにあたってリスクや副作用についてもきちんと把握し、治療法を選択することが大切です。

今回は、インプラント治療を始める前に知っておいたほうがよいリスクや副作用について解説します。また、インプラント治療に適さない方もご紹介しますので治療を検討中の方は、ぜひ参考にしてください。

インプラントとは?

歯の模型と歯の治療器具

インプラントとは、体内に埋め込む人工物の総称です。インプラントと聞くと、歯科治療を思い浮かべる方も多いのではないでしょうか。

しかし、実際には骨折の治療で使われるボルトなどもインプラントなのです。近年では歯科治療におけるインプラントが一般的になっており、歯科治療を指して「インプラント」と呼ぶことも多いでしょう。歯科領域でのインプラント治療は、さまざまな理由によって歯が失われたときに行う治療法の一つです。

インプラントは、以下の3つのパーツで構成されています。

  • インプラント本体(人工歯根)
  • アバットメント(土台)
  • 上部構造(人工歯)

顎の骨にインプラント本体である人工歯根を埋め込み、セラミックの人工歯をかぶせるため、天然の歯に近い美しさと強度を兼ね備えた治療法といえるでしょう。また、インプラント本体はチタン製で、アレルギーが起きにくいです。

差し歯との違いは、自分の歯根が残っているかどうかです。差し歯は歯根が残っていなければ治療できません。

一方、インプラントは人工の歯根をつくって再建します。

インプラント治療のリスクと副作用

倒れるドミノを手で止めている

インプラント治療の最大のメリットは、自分の歯と同じように噛むことができる点です。1本1本人工歯根を埋め込むため、入れ歯やブリッジのように周りの歯に負担がかかりません。

一方で、インプラント治療には、以下のようなリスクや副作用があります。

  • 術後に腫れ・痛みを伴う
  • 麻痺が残る
  • インプラントと骨がうまく結合しない
  • 感染によりインプラントが脱落する

一つずつ詳しく解説します。

術後に腫れ・痛みを伴う

手術直後には腫れや痛み、出血、違和感などが生じることがありますが、ほとんどの場合は2~3日ほどで落ち着くでしょう。

また、顎の骨の量が少ない方は、まず顎の骨の量を増やしてからインプラント治療を行います。顎の骨の量を増やす治療を行うケースでは、特に術後の腫れや痛みなどが出現しやすいでしょう。

麻痺が残る

下顎の骨には、神経や血管が通っている「下顎管」と呼ばれるトンネルのようなものがあります。神経の圧迫や損傷によって麻痺が残る可能性があるのです。

基本的には、CT撮影で神経の位置を確認してからインプラント治療を開始します。

しかし、まれにCTでうまく撮影されない神経もあるため、あらかじめリスクについて理解しておくことが大切です。万が一、麻痺が出現した場合には、投薬による治療を行います。

インプラントと骨がうまく結合しない

顎の骨の量が少ない場合や厚みが足りない場合は、インプラントと骨がうまく結合しないことがあります。顎の骨の状態はあらかじめCT撮影などによって確認しますが、まれに骨の質が悪いなどの理由で結合しない場合もあるのです。

また、インプラントを入れる際には、水を注入しながらドリルを使って穴をあけます。インプラントを入れる際に水の量が少ないと、オーバーヒートといってやけどしたような状態を引き起こします。オーバーヒートを引き起こすと、インプラントがうまく結合しない場合があるのです。

感染によりインプラントが脱落する

手術直後は、インプラント部分の歯磨きができません。殺菌効果のあるうがい薬で、口の中をゆすぐように指導されます。うがいをきちんと行わないと、口の中の細菌が増殖し、感染を引き起こす可能性があるのです。

歯周病を起こすと、インプラントがうまく固定されずに脱落することがあります。インプラント周囲に起こる歯周病のことを「インプラント周囲炎」と呼びます。インプラント周囲炎の根本的な原因はプラーク(歯垢)であるため、口の中を清潔に保つよう心がけましょう。

インプラント治療を受けられない方・向かない方

歯のレントゲン写真を見ている歯科医師

インプラント治療では、外科手術を行います。そのため、なかには治療を受けられない方や治療に向かない方もいます。

インプラント治療を受けられない可能性のあるケースは、以下のとおりです。

  • 顎の骨が薄い・少ない
  • 虫歯や歯周病がある
  • 持病がある
  • 未成年である
  • 妊娠している

一つずつ詳しく解説します。

顎の骨が薄い・少ない

顎の骨が薄いまたは少ない方の場合、骨の密度や量が不足しているといった理由からインプラント治療ができないケースがあります。骨がもろい状態で人工歯根を埋め込んでも、抜ける可能性や折れる可能性が高いからです。

対処法としては、骨再生治療や人工骨の移植を行います。

虫歯や歯周病がある

虫歯や歯周病によって、手術の際に口腔内感染を引き起こすことがあります。口腔内感染によって、インプラント周囲炎を起こす可能性や、インプラントが骨と結合せずに脱落する可能性が高まります。

虫歯や歯周病がある場合には、インプラント治療よりも虫歯・歯周病の治療を優先しなければなりません。炎症などの症状がおさまってから、インプラント治療を受けることになるでしょう。

持病がある

糖尿病や高血圧、骨粗しょう症、心疾患などの持病があると、インプラント治療を断られることがあります。持病のない方に比べて、手術中や手術後にトラブルが発生する可能性が高いためです。

ただし、かかりつけの歯科医師と相談して問題がなければ、インプラント治療を受けることが可能です。なかには休薬が必要となるケースもあるため、まずはかかりつけの歯科医師に相談しましょう。

未成年である

年齢が低い方、特に未成年の方の場合には、顎の骨がまだ成長段階である可能性があります。この時期にインプラント治療を受けると、顎の骨の成長によって歯並びなどに影響を及ぼすことが考えられます。

そのため、顎の骨が成長するまでは、入れ歯などで歯を失った部分を補うことになるでしょう。成人して顎の骨が成長したら、インプラント治療を受けることが可能です。

妊娠している

インプラント治療は、妊娠中だから行えないというわけではありません。

しかし、インプラント治療では手術や投薬が必要であり、安全性を考慮して妊娠中の場合は断られるケースも多いです。妊娠中は入れ歯などで対応し、産後の体調が落ち着いた段階でインプラント治療を受けるとよいでしょう。

まとめ

手鏡で歯を見る女性

今回は、インプラント治療前に知っておきたいリスクや副作用について解説しました。

インプラントは安定性がよく、周りの歯に負担をかけずに自分の歯のように噛めるのがメリットです。また、審美性に優れているのも大きなポイントでしょう。

大変優れた治療法である一方で、外科手術が必要となるため、さまざまなリスクや副作用が考えられます。未成年や妊婦、持病のある場合には治療が難しいなど、治療に際しての制限もあります。

歯を失った場合の治療にはいくつかの選択肢がありますが、インプラントは原則保険適用外で自由診療となるため、ほかの治療方法と比べると費用も高額です。また、インプラント治療終了後にも定期的なメンテナンスが必要となるなど、治療期間も長い傾向にあります。

インプラント治療のメリットやリスク・副作用などをきちんと理解したうえで検討しましょう。

インプラントを検討されている方は、横浜市緑区にある歯医者「礒部歯科医院」にお気軽にご相談ください。

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インプラントは金属アレルギーの人でも大丈夫?注意点を解説!

こんにちは。横浜市緑区にある歯医者「礒部歯科医院」です。

水色の背景の前に置かれたインプラントの模型

インプラント治療を検討しているけれど、金属アレルギーの人でも受けられるのか気になっている方がいるのではないでしょうか。

インプラント治療で使用する部品は、金属で構成されています。そのため「金属アレルギーがある場合は、治療を受けることができるのか?」「インプラント治療後にアレルギー症状が出たらどうしたらいいのか?」と疑問に思う方もいるでしょう。

今回は、インプラントと金属アレルギーについて解説します。金属アレルギーの人がインプラント治療を受けたい場合にはどうしたらよいのか、またインプラント治療後に金属アレルギーの症状が出たらどうしたらよいのかについて詳しく解説しますので、ぜひ最後までお読みください。

インプラントは金属アレルギーの人でも大丈夫?

顎に手を当てて悩んでいる女性

結論から申し上げると金属アレルギーの人でもインプラント治療を受けることはできます。

歯科治療で使用される代表的な金属は、ニッケル・クロム・パラジウム・コバルト・金です。これらの金属は、金属アレルギーを引き起こす可能性が比較的高いといわれています。

一方で、インプラント治療ではチタンと呼ばれる金属を使用します。チタンは体が異物として認識しにくい生体親和性が高い金属です。一般的に金属が金属イオンとして溶け出すことにより金属アレルギーを引き起こします。

しかし、チタンには空気に触れるとすぐに酸化し膜を形成するという性質があるため、金属アレルギーを引き起こしにくいのです。

金属アレルギーとは?

鼻をかむ女性

人間の体には、細菌やウイルスなどから身を守るために病原体を除去する免疫反応という仕組みがあります。アレルギーとは、免疫反応が過剰に反応した場合や本来病原体ではないものに対して反応した場合に、くしゃみや発疹などの症状が出ることです。

アレルギーは、Ⅰ〜Ⅳ型まで存在し、金属アレルギーはⅣ型に分類されます。金属アレルギーは、金属から溶け出た金属イオンが体内のタンパク質と結合し、それを体が異物とみなすことによって引き起こされます。金属アレルギーの特徴は、アレルギー症状が出るまでに少し時間がかかるという点です。

金属アレルギーには、金属接触アレルギーと全身型アレルギーの2種類あります。金属接触アレルギーは、金属のネックレスやアクセサリーなどが長時間触れることで皮膚が赤くただれる、痒くなるといった症状を引き起こします。

一方で全身型アレルギーは、歯科治療で使用された金属や食品などに含まれる金属などが体に入ることで症状を引き起こすのです。

お口の中に起こるアレルギー症状には、以下のものが挙げられます。

口唇炎・口角炎・水疱

金属アレルギーでは、口唇炎・口角炎が起こります。口唇炎・口角炎とは、唇や口角が赤く腫れ、皮が剥ける・亀裂が入る疾患です。また、頬の粘膜に赤いブツブツや水疱が出ることもあるでしょう。

口内炎・舌炎

金属アレルギーでは、口内炎もできやすいです。また、舌の表面がピリピリと痛む舌炎も起きます。舌に存在する味蕾(みらい)と呼ばれる味覚を認識する部位に炎症が起きると味覚障害を引き起こすこともあるでしょう。

口腔扁平苔癬(こうくうへんぺいたいせん)

口腔扁平苔癬とは、アレルギー反応によってお口の中の粘膜に白いレース状の模様や粘膜に赤みを帯びる疾患です。基本的には触ると痛みが出ますが、無症状のこともあります。

掌蹠膿疱症(しょうせきのうほうしょう)

掌蹠膿疱症とは、手のひら・足の裏などに水膨れや膿の袋が繰り返しできる疾患です。爪の変形や関節や骨にも炎症が起こることもあるでしょう。

インプラントの構造と使用される素材

黄色の背景の前に置かれたインプラントの部品

インプラントは、インプラント体・アバットメント・人工歯の3つの部品で構成されます。

それぞれについて、以下に詳しく解説します。

インプラント体

インプラント体とは、インプラント治療で顎の骨の中に埋め込む構造物のことで、歯の根っこに相当する部位です。

インプラント体に使用される素材は、チタンのみで構成される純チタン、チタンとニッケルから構成されるチタン合金、強化セラミックであるジルコニアなどがあります。

アバットメント

アバットメントとは、インプラント体と人工歯を接続する構造物のことです。

アバットメントの素材は、純チタン・チタン合金・セラミック・ジルコニアなどがあります。セラミックやジルコニアは、金属ではないので金属アレルギーの人も安心して使用することが可能です。

人工歯

人工歯とは、アバットメントに装着する歯の部分のことです。

代表的な人工歯の種類は、オールセラミック・ジルコニアセラミック・ハイブリッドセラミック・ゴールドクラウン・メタルボンドなどがあります。ゴールドクラウン・メタルボンドには金属が使用されているため、金属アレルギーの人は避けたほうがよいでしょう。

金属アレルギーの人がインプラント治療を受けたい場合は

歯科医師に相談をする患者

ここまでインプラントの構造について説明しました。

次に金属アレルギーの人がインプラント治療を受けたい場合はどうしたらよいか解説します。

金属アレルギーの検査を受ける

はじめに金属アレルギーの検査を受けましょう。金属アレルギーの検査にはパッチテストがあります。

パッチテストは、金属アレルギーの原因と考えられる物質の成分が付いたテープを2日間貼り、アレルギー反応が出るかを調べる検査です。パッチテストの結果をもとに、アレルギー反応が出ない金属を選択できます。

金属アレルギー反応が出にくい素材を選択する

先述したようにインプラントは、インプラント体・アバットメント・人工歯の3つの部品で構成されます。金属アレルギーがある場合は、これらの部品に金属成分を含まないセラミックやジルコニアなどの素材を選択しましょう。

歯科医師に相談する

インプラントに使用されるチタンは金属アレルギー反応が出にくいといわれています。

しかし、インプラント治療後に金属アレルギーを引き起こさない可能性はゼロではありません。そのため、金属アレルギーがある場合は必ず治療前に歯科医師に相談しましょう。

歯科医師に相談することで、金属アレルギーに配慮した治療を受けることができます。また、皮膚科の医師と連携することで、より安全に治療を受けることが可能です。

インプラント治療後に金属アレルギーの症状が出たときは

歯の治療器具を持っている

インプラント治療後に金属アレルギーの症状が出た場合は、金属アレルギーの検査を受けましょう。インプラントが原因でアレルギー症状が出ているのかを確認するためです。

金属アレルギーの検査結果からインプラントが原因であると判明した場合は、インプラントを除去します。インプラントを除去したあとは、入れ歯やブリッジなどの別の治療法にて失った歯を補います。

まとめ

女性歯科助手が片手を挙げている

今回は、インプラントと金属アレルギーの関係について説明しました。

金属アレルギーは、金属から溶け出した金属イオンとタンパク質が結合し、それを体が異物とみなすことで引き起こされます。お口の中に起こる金属アレルギーの症状は、粘膜のただれや赤みなどです。場合によっては、手のひらや足の裏に痒みや水疱が出ることもあるでしょう。

インプラントは、インプラント体・アバットメント・人工歯の3つの部品で構成されます。インプラントの部品は基本的にチタンが使用されており、チタンは生体親和性が高く、酸化膜を形成するため、一般的には金属アレルギーが出にくいといわれています。

しかし、チタンによって金属アレルギーを引き起こさない可能性はゼロではありません。そのため、金属アレルギーがある場合は、必ず歯科医師に相談しましょう。事前に歯科医師に相談することで皮膚科医との連携や金属アレルギーに配慮した治療を受けることができます。

インプラントを検討されている方は、横浜市緑区にある歯医者「礒部歯科医院」にお気軽にご相談ください。

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インプラントは虫歯にならない?注意したい口腔トラブルとケア方法

こんにちは。横浜市緑区にある歯医者「礒部歯科医院」です。

虫歯

インプラントは人工物なので、虫歯にはなりません。

しかし、虫歯以外の口腔トラブルが起きる可能性はあります。

今回は、インプラントの概要や、治療後に注意したい口腔トラブルについて解説します。インプラントを長く使うための正しいケア方法もご紹介するので、ぜひ参考にしてください。

インプラントとは?

インプラント

インプラントとは、体に入れる人工の材料や部品のことです。歯科においては、人工歯根を顎の骨に埋め込んで歯を補う治療のことを指します。

歯科分野におけるインプラントは、生体親和性の高いチタンやチタン合金でできた人工歯根を顎の骨に埋め込む治療です。顎の骨に埋め込む部分をインプラント体、人工歯とインプラント体を連結させる部分をアバットメントといいます。

インプラントは、歯を失った場合でもご自身の歯のように使用できる画期的な治療法です。

しかし、デメリットがない治療法ではありません。メリットとデメリット、それぞれ確認しましょう。

インプラントのメリット

インプラントのメリットは、以下のとおりです。

  • ご自身の歯と同じようにしっかりと噛める
  • 入れ歯のような異物感や違和感がない
  • ほかの健康な歯に影響を与えない
  • ご自身の歯に近い自然な見た目が手に入る

歯を失った場合の治療法として、取り外し式の入れ歯や、橋をかけるように歯を補うブリッジが挙げられます。

しかし、入れ歯やブリッジは周囲の歯に負担をかける治療法です。入れ歯はほかの歯に金属のバネをかけて固定し、ブリッジは失った歯に隣接する歯を削って土台としなければなりません。

インプラントは独立して治療できるので、ほかの歯に負担をかけることなく歯を補えます。また、人工歯に使用するのは、天然歯の色調や透明感、艶を再現できる素材です。自然な見た目が手に入ることもメリットでしょう。

インプラントのデメリット

インプラントのデメリットは、以下のとおりです。

  • 保険適用外なので費用が高額になる
  • 外科手術を行うので身体に負担がかかる
  • 持病などによって治療を受けられないことがある
  • 顎の骨が十分にない場合は骨造成が必要になる
  • 埋入後はメンテナンスを継続する必要がある

費用の目安は1本あたり300,000〜500,000円で、歯科医院によって異なります。骨の量を増やす骨造成を行う場合は、追加で費用がかかるでしょう。

外科手術を行うので、負担が大きいこともデメリットです。全身の健康状態によっては、治療を受けられない場合があるでしょう。

インプラントは虫歯にならない?

インプラントに疑問がある女性

インプラントは人工物であり、金属でできているので虫歯になりません。

しかし、周囲の組織が炎症を起こすことはあります。インプラントの周囲が歯周病菌に感染した状態を、インプラント周囲炎といいます。

インプラント周囲炎については後述するので、参考にしてください。

インプラント治療後に注意したい口腔トラブル

インプラントの説明を受ける女性

インプラントは、入れたらそのまま問題なく使用できるわけではありません。適切に使用していれば問題なく使えますが、稀にトラブルが起きることがあります。

インプラント治療後に注意したい口腔トラブルは、以下のとおりです。

インプラントが固定されない

インプラント手術を行っても、インプラント体と顎の骨がうまく結合せず、固定されないことがあります。インプラントが骨と結合しなければ、噛むことはできません。

インプラントを埋め込む位置や深さが適切でなければ、骨と結合しないことがあります。また、インプラント体を埋め込む際に顎の骨にダメージを与えると、うまく結合できないでしょう。

インプラントがしっかりと固定されるためには、インプラントの実績の多い歯科医院で治療を受けることが重要です。手術のトラブルによって骨と結合しなかった場合の補償などについても、事前に確認しましょう。

インプラント周囲炎に感染する

インプラントは人工物なので感染症にかかることはありませんが、天然歯における歯周病になることはあります。インプラントの歯周病を、インプラント周囲炎といいます。

日頃の歯磨きや歯科医院でのクリーニングなどのメンテナンスが不十分な場合、汚れが溜まって細菌が増殖し、インプラント周囲炎になる可能性が高いです。歯周病がある状態でインプラント治療を受けた場合も、インプラント周囲炎になるリスクが高まるでしょう。

インプラント周囲炎になると、インプラント周囲の歯茎が炎症を起こします。進行するとインプラント周囲の骨が溶け、最悪の場合はインプラントが脱落します。

インプラント周囲炎にならないためには、自宅でのケアと歯科医院での定期的なメンテナンスが欠かせません。

腫れや痺れ、痛みなどの症状が続く

インプラントの手術後に、腫れや痺れ、痛みなどの症状が出ることがあります。術後2〜3日でピークを迎えて徐々に落ち着くのが一般的ですが、長期的に続く、または悪化する場合は問題があります。

インプラントが適切に埋入されておらず、神経を損傷している、ほかの歯を圧迫している可能性があるでしょう。患部が細菌に感染している可能性もあるので、早めに歯科医院を受診してください。

人工歯が破損する・外れる

インプラントは、定期的にメンテナンスを受けていれば長く使用できます。

しかし、使用していると人工歯が外れる・破損するなどのトラブルが起きることがあるでしょう。噛み合わせが適切でないことや、人工歯が徐々に緩んできたことなどが原因として考えられます。メンテナンスでは、噛み合わせのチェックなども行うので必ず受診してください。

また、インプラントの破損は、メーカーの補償によって無償もしくは一部有償にて修理できる場合があります。定期的にメンテナンスを受けていることが補償の条件となっている場合が多いです。

インプラントの正しいケア方法

歯の模型

インプラントのケアは、自宅で行うセルフケアと、歯科医院で受けるプロフェッショナルケアの両方が大切です。日々の衛生ケアはご自身で行う必要がありますが、自宅でのケアでは完全に汚れを除去することはできないでしょう。

基本的に、インプラントは天然歯と同様にケアします。毎日歯磨きをして、清潔に保ちましょう。

インプラントは、人工歯根部から少しくびれたような形をしています。くびれた部分に汚れが溜まりやすいので、特に注意して磨いてください。汚れが溜まると、インプラント周囲炎を引き起こすかもしれません。

プロフェッショナルケアでは、ふだんの歯磨きでは落とせない汚れを、専用の機械を使って除去します。どれだけ丁寧に歯磨きをしても、セルフケアだけでは完全に汚れを除去できません。

定期的にメンテナンスを受けて、クリーニングしてもらうことが重要です。

インプラント治療後はメンテナンスを受けよう!

インプラントのケアを受ける女性

インプラント治療後は、定期的にメンテナンスを受けましょう。インプラント周囲炎の予防としても重要ですが、インプラントが破損した場合に補償を受けるためにも、メンテナンスは受ける必要があります。

メンテナンスで確認される項目は、以下のとおりです。

  • インプラント周囲炎の症状の有無
  • インプラントや全体の噛み合わせ
  • インプラントの動揺度
  • インプラントの歯周ポケットの深さ

必要に応じて、レントゲン写真を撮影する場合もあります。インプラントのメンテナンスは3〜6か月に一度を目安にしている歯科医院が多いでしょう。口内の状態によって適切な時期は異なるので、歯科医師の指示に従って受診してください。

定期的に上記の項目を確認することで、問題が起きていた場合に早期に気づくことができます。インプラントが脱落するなど、大きなトラブルにつながる前に対応できるので、インプラントを長く使い続けられるでしょう。

まとめ

鏡を見る女性

インプラントは、虫歯になりません。

しかし、治療後にトラブルが起きることはあります。代表的なのは、インプラント周囲炎です。進行すると、インプラントが脱落する場合や、維持できなくなり抜去しなければならない場合があります。

インプラント周囲炎を防ぐためには、自宅での丁寧なセルフケアと、歯科医院でのプロケアが大切です。歯科医師と相談し、指示された期間を守ってメンテナンスを受けてください。

インプラントを検討されている方は、横浜市緑区にある歯医者「礒部歯科医院」にお気軽にご相談ください。

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インプラントの平均寿命と寿命を延ばすコツを解説!

こんにちは。横浜市緑区にある歯医者「礒部歯科医院」です。

インプラントのイメージず

インプラントは、ブリッジや入れ歯よりも寿命が長く、見た目も美しいことから人気の治療法です。

しかし、生活習慣の影響やメンテナンス不足が原因で、平均寿命よりも短くなることもあるでしょう。

今回は、インプラントの平均寿命や、寿命を延ばすコツなどを解説します。寿命が短くなる原因などもご紹介するので、ぜひ参考にしてください。

インプラントの平均寿命

机に置かれたカレンダーと白い時計

インプラントの寿命とは、人工歯が破損する、インプラント体が抜け落ちるなど、インプラントが使えなくなるまでの期間のことです。厚生労働省の調査によると、インプラントの平均寿命は10~15年といわれています。

部位別に確認すると、上顎のインプラントの使用者の約90%、下顎のインプラントの使用者の約94%の方が、インプラント治療後10~15年経っても問題なく使用できています。上下ともに90%以上の方が、10年以上インプラント問題なく使用しているのです。

しかし、インプラントを長く使い続けるには、歯磨きなどのセルフケアや定期メンテナンスが欠かせません。

歯を補う治療法として、インプラント以外にブリッジや入れ歯が挙げられます。ブリッジの平均寿命は約7年、入れ歯の平均寿命は約4年といわれています。インプラントの寿命は非常に長いことがわかるでしょう。

特に、入れ歯の場合は使い続けるうちにバネが弱まることや、歯茎とのフィット感がなくなることが多いです。平均寿命よりも短い頻度で作り直しが必要になることも珍しくありません。

ブリッジや入れ歯は、隣の歯を削る、隣の歯を支えとするなど、周囲の歯に負担をかけます。保険適用で治療できるため費用は抑えられますが、残っている歯の寿命を短くする可能性があるのです。

インプラントは自費診療のため費用がかかるものの、インプラント体を顎の骨に埋め込むことで独立した1本の歯を作れます。隣の歯に負担をかけずにしっかり噛めるようになることがメリットでしょう。

インプラントの寿命が短くなる原因

机に置かれた虫眼鏡と?のブロック

インプラントの平均寿命は10~15年とお伝えしましたが、生活習慣やセルフケア・メンテナンス不足などが原因で、寿命が短くなることがあります。

インプラントの寿命が短くなる原因は、以下のとおりです。

定期メンテナンスに通っていない

インプラントの寿命が短くなる原因の多くは、インプラント周囲炎とされています。インプラント周囲炎とは、インプラントの周りの歯茎が腫れる・出血するなど、歯周病に似た症状が現れる病気です。

インプラントは、天然歯と比べると細菌への抵抗力が低いです。形状的にも、歯茎のすき間に汚れが溜まりやすく、ケアを怠るとインプラント周囲炎を引き起こしやすいといわれています。

インプラント周囲炎の症状が進行すると、歯茎から顎の骨にまで炎症が広がります。インプラントがぐらつき、最悪の場合抜け落ちることもあるでしょう。

インプラントは人工物のため、インプラント周囲炎になっても気付きにくいです。インプラント治療が終わったからと定期メンテナンスを怠ると、気付かない間にインプラント周囲炎が進行し、インプラントの寿命が短くなるかもしれません。

インプラントの寿命を延ばすには、毎日の歯磨きにくわえ、定期的なメンテナンスが欠かせないのです。

噛み合わせに問題がある

全体的な噛み合わせが悪くインプラントに負担が集中すると、人工歯の破損やインプラントのぐらつき・脱落につながります。特に、歯ぎしりや食いしばりの癖がある方は注意してください。

歯ぎしりや食いしばりは、集中しているときや就寝時など無意識下で行うことが多く、食事の際などの噛む力の3~5倍ほどの負担が歯にかかるといわれています。歯ぎしりや食いしばりで歯に負担がかかり続けると、インプラントだけでなく、残っている歯の寿命も短くなるでしょう。

全体的な噛み合わせが悪い場合、歯ぎしりや食いしばりを誘発しやすいです。インプラント治療後は定期的にメンテナンスを受け、噛み合わせを確認してもらいましょう。

喫煙習慣がある

喫煙する方としない方を比べると、喫煙する方のほうが歯周病にもインプラント周囲炎にもなりやすいといわれています。タバコに含まれるニコチンやタールによって血流が悪くなり、免疫力が低下するからです。喫煙していると、インプラントの寿命が短くなりやすいといえるでしょう。

また、タバコは顎の骨とインプラントの結合を阻害します。インプラントの埋入手術後、顎の骨とインプラント体が結合するのを待つ期間がありますが、喫煙しているとインプラントがしっかり顎の骨に定着しないかもしれません。

インプラントの寿命を延ばすコツ

黄色い背景に浮かぶtipsの吹き出し

インプラントはブリッジや入れ歯よりも平均寿命が長いですが、日頃のケアを怠れば寿命が短くなる可能性があります。日頃からケアを適切に行っていれば、15年、20年と平均寿命を超えて長く使い続けられる場合もあります。

インプラントの寿命の長さは、患者様の日頃の努力次第といっても過言ではないでしょう。インプラントの寿命を延ばすための5つのコツをご紹介します。

定期メンテナンスを欠かさない

インプラントを長く使い続けるには、何も症状がなくても定期的に歯科医院でメンテナンスを受けることが大切です。

定期的に歯科医院に通ってメンテナンスを受けることで、歯磨きだけでは除去できない汚れを徹底的に取り除けます。インプラント周囲炎の予防、残っている歯の虫歯・歯周病の予防にも効果があるでしょう。

特に、インプラントは人工物のため、何かトラブルがあっても気付きにくいです。定期的なメンテナンスで歯科医師に確認してもらうことは、トラブルの早期発見・早期治療につながります。

定期メンテナンスでは、全体の噛み合わせのチェックや歯磨き指導なども行います。全体的なトラブルの有無や日頃のケア方法もチェックすることで、インプラントだけでなく、周りの歯の寿命を延ばすことができるでしょう。

セルフケアを徹底する

インプラントのぐらつき・脱落の原因であるインプラント周囲炎を予防するには、定期的なメンテナンスと、毎日のセルフケアが欠かせません。毎日の歯磨きが適切にできておらず汚れが残った状態では、定期的にメンテナンスを受けていても、インプラント周囲炎になることがあるのです。

特に、インプラントは形状的に歯と歯茎の境目に汚れが溜まりやすいです。ワンタフトブラシや歯間ブラシ、フロスなどを使用して、しっかりと汚れを除去しましょう。

噛み合わせを調整する

インプラントは、顎の骨にインプラント体を埋め込んで独立した1本の歯を作る治療です。ブリッジや入れ歯よりも、しっかり噛めることが特徴でしょう。

しかし、全体的な噛み合わせが悪い場合、インプラント部分に負担が集中し、インプラントが破損するかもしれません。最悪の場合、インプラントを除去しなければならないこともあります。噛み合わせが悪い場合は、噛み合わせを調整しましょう。

インプラントの治療直後は噛み合わせに問題がなくても、長く使っていると噛み合わせが変化することがあります。インプラントはすり減りませんが、天然歯がすり減ることでインプラント部分が高くなるのです。

定期的に噛み合わせをチェックし、調整することが重要です。ご自身では噛み合わせの状態を判断できないこともあるので、定期メンテナンスで確認してもらうとよいでしょう。

ナイトガードを使用する

歯ぎしりや食いしばりの癖がある場合、インプラント部分に過大な負担がかかり、インプラントの寿命が短くなります。就寝時には、ナイトガードを使用するとよいでしょう。

ナイトガードを使用すると上下の歯が直接当たることを防げるので、インプラントにかかる負担を軽減できます。ナイトガードを装着したまま眠ることに違和感があるかもしれませんが、慣れれば問題なく使用できるでしょう。

歯ぎしりや食いしばりの自覚がなくても、朝起きたときに顎や頬にだるさがある場合や、頬や舌に噛んだ跡がついている場合は、歯ぎしりや食いしばりをしているかもしれません。定期メンテナンスでは、歯ぎしりや食いしばりの有無も確認できるので、一度歯科医師に相談しましょう。

禁煙する

喫煙している方はインプラント周囲炎を患いやすいため、インプラントの寿命が短くなりやすいです。顎の骨とインプラント体の定着を阻害するため、インプラント治療の失敗につながることもあります。

インプラント治療を受ける方やインプラントの寿命を延ばしたい方は、可能であれば禁煙しましょう。1日の喫煙本数を減らすことから始めるのが一般的です。

ご自身で禁煙するのが難しい場合は、禁煙外来を受診するとよいでしょう。

インプラントの寿命がきたらどうする?

顎に手を当てて考える女性

インプラントはほかの治療法に比べて寿命が長いですが、永久に使えるわけではありません。人工歯が破損する、インプラントが抜け落ちるなど、寿命がくることもあるでしょう。

インプラント体に問題がなく人工歯部分だけが破損した場合は、人工歯部分のみを作り直すことで対処できます。インプラント体が抜け落ちた場合は、インプラントの治療のやり直しが必要です。

インプラント治療は自費診療のため、保証を設けている歯科医院が多いです。保証の内容や期間は歯科医院によって異なりますが、保証期間内であれば無料、もしくは安価に治療をやり直せるでしょう。

ただし、条件を満たしていないと、保証は受けられません。特に、インプラント治療後に自己判断で通院をやめた場合や、歯科医師の指定した頻度でメンテナンスを受けていなかった場合、保証が受けられないことがあります。

インプラントの寿命を延ばすだけでなく、保証を受けるためにも、定期メンテナンスは重要です。インプラント治療が終わったからと自己判断で通院をやめず、定期的にメンテナンスを受けましょう。

まとめ

歯型を持ってインプラントの説明をする人

インプラントの平均寿命は約10~15年といわれています。毎日の歯磨きや定期メンテナンスを怠ると、平均寿命よりも短い年数で寿命を迎えることもあるでしょう。

日頃からケアを欠かさなければ、15年、20年と平均寿命よりも長く使い続けることも可能です。インプラントの寿命には、日々のケアが大きく関わるのです。

インプラントの寿命を延ばすために、毎日の歯磨きで磨き残しをできるだけなくし、定期的にメンテナンスに通いましょう。噛み合わせのチェックや歯ぎしり・食いしばりの対策、禁煙など生活習慣を見直すことも大切です。

インプラント治療を検討されている方は、横浜市緑区にある歯医者「礒部歯科医院」にお気軽にご相談ください。

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