全部の歯をインプラントに!メリットや治療法、費用を解説!

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全部の歯をインプラントに!メリットや治療法、費用を解説!

こんにちは。横浜市緑区にある歯医者「礒部歯科医院」です。

インプラントイメージ

全部の歯を失った場合の治療法には、総入れ歯とインプラントがあります。すべての歯をインプラントにしようか悩まれている方もいるでしょう。全部の歯をインプラントにする場合、治療方法にはいくつかあります。

この記事では、全部の歯をインプラントにする治療方法について解説します。すべてをインプラントにするメリットと費用についても解説していますので、インプラント治療を検討している方は、ぜひ参考にしてください。

全部の歯をインプラントにするメリットは?

全部の歯をインプラントにするメリットイメージ

自分の歯をすべて失った場合の治療法にはインプラントか入れ歯の2つの選択肢があります。どちらの治療法にするか悩まれる方も少なくありません。

全部の歯をインプラントにするメリットは、以下の5つです。

  • 安定感がある
  • しっかり噛める
  • 見た目が自然できれい
  • 滑舌への影響が少ない
  • 顎の骨が痩せるのを防げる

それぞれのメリットについて詳しく解説します。

安定感がある

総入れ歯にした場合は、歯茎に入れ歯を固定するのが難しく、ガタつくことも少なくありません。ガタつくと痛みが生じたり、しっかり噛めなかったりと悩みが増えることになるでしょう。

一方、インプラントの場合、顎の骨に人工歯根であるインプラント体を埋め込みます。顎の骨にしっかり固定されるため、安定感があるのです。入れ歯のガタつくといった悩みでストレスを抱えることはないでしょう。

しっかり噛める

しっかりと噛めることもインプラントの特徴のひとつです。顎の骨にインプラント体が固定されるため、入れ歯では噛むのが難しい物でもしっかり噛めるようになります。天然歯と同じくらい噛めるようになるため、食事で悩むことはないでしょう。

見た目が自然できれい

インプラント治療では、インプラント体とよばれる人工歯根を顎の骨に埋め込みますが、見える部分は歯の形をした補綴物であるため、見た目が自分の歯のように自然で美しいです。口元を見ただけでは周囲にインプラントと気付かれることもないでしょう。

より自然な見た目を求めるのであれば、入れ歯よりもインプラントのほうが適しているかもしれません。

滑舌への影響が少ない

総入れ歯の場合、歯茎を覆うことで滑舌に影響が出ることがあります。

一方、インプラントの場合は、歯茎を覆うことはありません。顎の骨に埋め込んだインプラント体の上に自分の歯と同じような形の被せ物を装着するため、滑舌への影響はほとんどないでしょう。

顎の骨が痩せるのを防げる

顎の骨は刺激がなくなると痩せていきます。総入れ歯の場合は、噛む力が顎の骨に伝わりにくくなるため、顎の骨が痩せる可能性が高まります。

一方でインプラントの場合は、顎の骨にインプラント体を埋め込むため、刺激が伝わりやすいです。そのため、顎の骨が痩せにくくなります。

全部の歯をインプラントにするデメリットはある?

全部の歯をインプラントにするデメリットイメージ

全部の歯をインプラントにすると上記のようなメリットもありますが、デメリットもあります。

全部の歯をインプラントにするデメリットは、以下の4つです。

  • 治療費が高額になる
  • 手術が必要になる
  • 対応できる歯科医院が限られる
  • メンテナンスが必要になる

それぞれのデメリットについて詳しく解説します。

治療費が高額になる

入れ歯の場合は保険診療でも自由診療でも作製できます。そのため、一人ひとりの予算に合った治療が可能です。

一方、インプラントは保険が適用されません。自由診療となるため、高額な費用がかかります。全部の歯をインプラントにするとなるとインプラントを埋める本数が増えるため、治療費が高額になるのです。

手術が必要になる

入れ歯は型取りをして作製します。手術を行う必要はありません。

一方、インプラントの場合は、顎の骨にインプラント体を埋め込むために必ず手術をしなければなりません。手術が必要となると全身の健康状態や服薬状況によっては治療が難しいこともあります。

対応できる歯科医院が限られる

インプラント治療を受けられる歯科医院は増えてきましたが、全部の歯のインプラント治療に対応している歯科医院はそれほど多くありません。

全部の歯をインプラントにするのは、十分な知識と技術が必要です。インプラント治療の経験が豊富な歯科医院を探す必要があるでしょう。

メンテナンスが必要になる

インプラントは虫歯になることはありませんが、インプラント周囲炎になる可能性はあります。インプラント周囲炎とは、インプラントの周辺組織が炎症を起こす疾患です。

インプラント周囲炎が進行すると、インプラントが抜け落ちることもあるため、日々のセルフケアと定期的なメンテナンスで予防しなければなりません。インプラント治療後もていねいなケアと定期的な通院は必須と考えておきましょう。

全部の歯をインプラントにする方法

全部の歯をインプラントにする方法イメージ

全部の歯に1本1本インプラントを埋め込む場合、治療費は高額になり、手術も大変になります。費用の面でも身体的な面でも患者さまへの負担が大きすぎるため、現在では以下のような治療を行っている歯科医院が多いでしょう。

全部の歯をインプラントにする場合の治療方法は、以下の2つです。

  • インプラントオーバーデンチャー
  • オールオン4

それぞれの治療方法について詳しく解説します。

インプラントオーバーデンチャー

インプラントオーバーデンチャーとは、2〜6本程度のインプラントを顎の骨に埋入し、アタッチメントがついた入れ歯を固定する治療法です。

磁石で入れ歯を固定するため安定感があり、総入れ歯のようにガタつくことがなく、よく噛めます。また、取り外しができるためお手入れもしやすいです。インプラントと入れ歯、それぞれのメリットを兼ね備えた治療法といえるでしょう。

ただし、お手入れを怠るとインプラント周囲炎を引き起こすリスクが高まるため注意しなければなりません。

オールオン4

オールオン4とは、片顎4〜6本のインプラントで12本分の人工歯を支える治療法です。多くの歯を失い、1本1本インプラントを埋め込むとその分費用がかかります。

しかし、オールオン4の場合は、最小4本のインプラントで12本分の歯を補えるため、費用を抑えることができるのです。また、オールオン4の場合は、手術当日に仮歯を装着できるため、すぐに審美面や機能面を回復できるという特徴もあります。

なお、インプラントオーバーデンチャーは入れ歯と同じくご自身で着脱が可能ですが、オールオン4は固定式です。オールオン4の場合でも、従来のインプラント同様にインプラント周囲炎を引き起こす可能性があります。

そのため、天然の歯と同じようにしっかりと歯磨きをする必要があるのです。

全部の歯をインプラントにする場合の費用

全部の歯をインプラントにする場合の費用イメージ

全部の歯をインプラントにする場合の費用は治療方法によって大きく異なります。全部の歯をインプラントにする場合にかかる費用は、以下のとおりです。

  • インプラントオーバーデンチャー:50万〜150万円程度
  • オールオン4:片顎で200万〜300万円程度

インプラント治療は基本的に保険が適用されません。自由診療となるため、歯科医院によって料金設定は異なります。そのため、正確な金額が知りたい場合は、治療を受ける歯科医院で確認したほうがいいでしょう。

まとめ

全ての歯をインプラントにするイメージ

全部の歯を失った際の治療方法にはインプラントか入れ歯の2つの方法があります。

インプラントは治療費が高額であり手術も必要ですが、自分の歯と同じような見た目を再現できるというメリットがあります。また、入れ歯に比べて安定感があるため、しっかり噛めるようになるでしょう。

全部の歯をインプラントにする場合、インプラントオーバーデンチャーやオールオン4という治療法があります。それぞれに特徴やメリット・デメリットがあるため、よく理解したうえで検討してください。

いずれにせよ、全く歯がない方のインプラント治療は難易度が高いため、インプラント治療の経験を積んでいる歯科医師のもとで治療を受けましょう。

インプラント治療を検討されている方は、横浜市緑区にある歯医者「礒部歯科医院」にお気軽にご相談ください。

十日市場の歯医者|礒部歯科医院

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インプラント治療の年齢制限と高齢者のリスクとは

こんにちは。横浜市緑区にある歯医者「礒部歯科医院」です。

医師からの説明を受けている高齢者

インプラント治療には、高齢者特有のリスクが存在します。高齢者は、免疫力の低下や骨の脆弱化により、感染症やインプラントの安定性に関する問題が生じやすいです。

この記事では、インプラント治療の年齢制限と高齢者が直面するリスクについて詳しく解説し、安全かつ効果的な治療を受けるためのポイントを紹介します。

インプラント治療とは

インプラント治療イメージ

インプラントとは、人体に埋め込む人工物全般を指し、人工臓器の一部とされています。歯科診療におけるインプラントはデンタルインプラントと呼ばれますが、近年では単にインプラントと呼ばれることが多いです。

インプラント治療は、歯を失った部位に人工の歯根(インプラント体)を埋入し、その上に人工歯を装着することで歯を補う治療法です。従来の治療法であるブリッジや入れ歯と比べ、インプラントは審美性と機能性が高く、男女問わず多くの患者さまが希望しています。

インプラント治療のメリットとしては、隣接する健康な歯を削る必要がないことや、固定力が強いため咀嚼能力が高いことが挙げられます。また、見た目も自然で審美性に優れているため、自信を持って笑えるようになるでしょう。

インプラント治療に年齢制限はある?

インプラント治療に年齢制限はあるかイメージ

インプラント治療には外科手術が伴います。そのため、患者さまが手術に耐えられる健康状態であると判断された場合に限り、治療が行われます。

一般的には、20歳から70歳までの年齢層がインプラント治療の対象とされていますが、年齢だけで制限されるわけではありません。70歳以上の患者さまでも、健康状態が良好であればインプラント手術を受けることが可能です。

しかし、高齢者には特有のリスクが存在します。特に、持病を抱えている場合は注意が必要です。

例えば、高血圧や糖尿病といった生活習慣病を持つ患者さまは、外科手術の際に特別な配慮が必要となります。糖尿病の方は出血しやすく、高血圧の方は局所麻酔薬に制限があるため、手術のリスクが増加するのです。

インプラント治療を希望する際には、まず担当の歯科医師と詳細なカウンセリングを行い、自分の健康状態やリスクについて十分に理解することが重要です。

何歳からインプラント治療はできる?

何歳からインプラント治療はできるかイメージ

インプラント治療に適した年齢は、一般的には20歳前後からとされています。インプラントは、顎の骨に人工歯根であるインプラントを埋め込み、人工歯を装着して失った歯を補う治療法です。

しかし、天然歯と異なり、インプラントは顎の骨の成長に対応することができません。そのため、顎の骨がまだ成長途中の段階でインプラントを埋め込むと、歯並びや見た目に影響が出る可能性があります。

16歳頃には親知らずを除く永久歯が生え揃いますが、その後も顎の骨の成長は続きます。インプラント治療を開始する適切な時期を判断するためには、歯科医師の診察を受けて顎の骨の成長が止まっているか確認することが重要です。

顎の成長が止まっておらずインプラント治療を開始できない場合は、隣の健康な歯を利用して入れ歯や仮歯を装着し、一時的に対処する方法もあります。見た目や機能を一時的に補いながら、成長が完了するのを待つことができます。

インプラント治療ができないケース

インプラント治療ができないケースイメージ

インプラント治療は、全ての患者さまに適応可能なわけではありません。以下に、インプラント治療が難しい、または不可能なケースについて詳しく説明します。

年齢が低い(主に未成年の場合)

インプラント治療では、顎の骨に穴をあけて人工歯根を埋め込む必要があります。そのため、顎の骨の成長が完全に終了していることが重要です。

成長途中の顎にインプラントを埋め込むと、成長とともにインプラントがずれて歯並びや見た目に影響を及ぼす可能性があります。一般的に18歳以下や20歳未満の患者さまには、インプラント治療を行わないとする歯科医院が多いです。

骨量が不足している

インプラント治療では、歯茎の内側にある歯槽骨に人工歯根を埋め込みます。歯槽骨が十分な厚みと強度を持っていなければ、インプラントが安定しません。

骨粗鬆症などで歯槽骨が脆弱な場合、インプラントがしっかりと固定されず、抜けたり折れたりするリスクが高まります。そのため、インプラント治療を行う前に、歯槽骨の状態を詳細に評価し、必要に応じて骨造成などの手術を検討しなければなりません。

喫煙習慣がある

喫煙者、特にヘビースモーカーは、インプラント治療が難しい場合があります。喫煙するとニコチンが血管を収縮させるため、人工歯根と顎の骨の結合が妨げられます。

また、喫煙者は歯周病になりやすいため、インプラント手術後も特別な注意が必要です。このため、インプラント治療を希望する喫煙者には、禁煙が強く推奨されます。

虫歯や歯周病がある

口内に虫歯や歯周病がある場合、インプラント手術中に口腔内感染を引き起こすリスクがあります。特に、重度の歯周病があると、インプラント周囲炎と呼ばれるインプラントの周囲組織を破壊する病気が発生する可能性が高まります。

インプラント手術を行う前に、完治させる必要があるでしょう。

糖尿病を患っている

糖尿病を患っている場合、インプラント治療が困難になることがあります。血糖値のコントロールができている場合は可能と判断されるかもしれませんが、安定していない場合は難しいでしょう。

糖尿病の方は免疫力や抵抗力が低下しているため、手術後の傷口の回復が遅くなる傾向があります。また、歯周病のリスクも高いため、インプラント手術後にインプラント周囲炎を発症する可能性が高まります。

人工透析を受けている

腎疾患を抱えており人工透析を受けている患者さまも、インプラント治療は慎重に検討しなければなりません。免疫力が低下しやすく、手術後の回復が遅くなる傾向があるためです。

また、透析によって感染リスクが高まるため、インプラント手術中の傷口の管理が難しくなります。重度の腎疾患の場合は、インプラント治療は基本的に推奨されません。

妊娠している

インプラント治療は妊娠中に絶対にできないわけではありませんが、手術や投薬、レントゲン撮影が必要となるため、母子の安全を考えて避ける歯科医院が多いです。

また、妊娠中は身体面だけでなく精神面も不安定になりやすいです。インプラント治療によるストレスが妊娠に悪影響を与える可能性があります。

高齢者がインプラント治療をするリスク

高齢者がインプラント治療をするリスクイメージ

高齢者がインプラント治療を受ける場合、いくつかのリスクが伴います。以下に、主なリスクについて詳しく説明します。

インプラントと骨が結合しにくい

高齢者は、若年者と比較してインプラント体と骨が結合しづらいです。インプラント治療は、歯茎を切開し顎の骨を削った後に、人工歯根(インプラント体)を骨と結合させます。

高齢になると、免疫力の低下に伴い傷口の治癒が遅くなり、インプラント体と骨がしっかりと結合できない場合があります。結合不全が起こると再度手術を行わなければならないため、治療期間が延長し、リスクも増大します。

感染リスクが高い

高齢者のインプラント治療では、細菌感染のリスクが非常に高くなります。手術の際に切開した歯茎や削った顎の骨から細菌が侵入し、感染症を引き起こす可能性が高まります。

このため、治療を受ける前に細菌感染のリスクを理解し、適切な予防策を講じることが重要です。

費用が高額になる

インプラント治療は、他の歯科治療と比較して高額です。1本あたりのインプラント治療の費用は、約30万~40万円です。入れ歯は5,000~2万円、ブリッジは2万~3万円程度なので、インプラントが高額なことがわかるでしょう。

さらに、インプラント治療は保険適用外であるため、全額自己負担となります。医療費控除を利用して税金の還付を受けることはできますが、それでも金銭的な負担は大きいです。

定期的なメンテナンス費用や治療期間の延長による追加費用も、治療を受ける際は考慮しなければなりません。

まとめ

インプラント治療を受けている高齢者

インプラント治療は、一般的に20歳から70歳までの方に行われます。

20歳未満では顎の骨が成長途中であり、インプラントが安定しない可能性が高いため基本的に治療は推奨されていません。また、70歳以上でもインプラント治療は可能ですが、持病の有無や全身の健康状態に注意が必要です。

特に、糖尿病や骨粗鬆症などを患っている方は、治療の適応外となることがあります。高齢者の場合、免疫力低下や骨の脆弱化により、感染リスクやインプラントの安定性に問題が生じやすいです。

そのため、治療前には歯科医師と十分に相談し、適切な検査や準備を行うことが重要です。

インプラント治療を検討されている方は、横浜市緑区にある歯医者「礒部歯科医院」にお気軽にご相談ください。

十日市場の歯医者|礒部歯科医院

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インプラントで歯茎が黒くなることがあるの?原因と防止策

こんにちは。横浜市緑区にある歯医者「礒部歯科医院」です。

インプラントで歯茎が黒くなった人

インプラント治療を受けることにより、失った歯を取り戻し、自分の歯に近い感覚で噛むことができるようになります。また、インプラントは見た目も自然で審美性に優れています。

しかし、インプラントによって歯茎が黒くなる可能性があります。インプラント治療をして美しい見た目になると考えていたのに、歯茎が黒ずんでいたら笑顔に自信を持てないでしょう。

今回は、インプラントで歯茎が黒くなるのか詳しく解説します。歯茎が黒くなるさまざまな原因や予防法もご紹介するので、ぜひ参考にしてください。

インプラントでは歯茎が黒くなる?

インプラントで歯茎が黒くなった人

インプラント治療が完了した後、歯茎が黒くなることがあります。インプラントが原因のこともあれば、他の原因によって歯茎が黒くなっているケースもあります。

具体的な原因については後ほど詳しく解説しますが、インプラントの金属部分が透けて歯茎が黒っぽく見えたり、インプラントの金属部分が露出して黒ずんで見えたりすることもあります​​。

他にも口腔内の衛生状態が悪化すると、歯茎が黒ずむリスクが高まります。細菌が繁殖して炎症が起きると、歯周病やインプラント周囲炎を発症し、歯茎が黒っぽく変色することもあるでしょう​​。

インプラントで歯茎が黒くなる原因とは

インプラントで歯茎が黒くなる原因イメージ

インプラントで歯茎が黒くなる原因を確認しましょう。

インプラントの金属が透けて見える

インプラント治療で使用される金属が透けて、歯茎が黒く見えることがあります。特に歯茎が薄い場合に起こりやすいでしょう。

インプラントの金属部分は、通常顎の骨に埋め込まれているため外からは見えません。

しかし、歯茎が薄いと金属部分が透けて見えることがあります。歯茎は本来ピンク色ですが、金属の色が透けると黒っぽく見えるのです。

歯茎が薄い場合、初めからその厚さを考慮してインプラントの位置を決めることが重要です。場合によっては、骨や歯茎を増やす処置が必要になることもあります。歯茎の黒ずみが気になる方は、別途処置が必要かどうかを歯科医師に確認しましょう。

インプラント周囲炎

インプラント周囲炎は、インプラント治療後の歯茎の黒ずみの原因になります。インプラント周囲炎になると、インプラント周囲の組織が細菌に感染し炎症を起こします。

インプラントは天然の歯とは異なり自浄作用に乏しく、細菌が侵入しやすいです。インプラント周囲炎の初期症状は歯茎の腫れや出血ですが、この段階ではまだ自覚症状が少ないため見逃して悪化することが多いのです。

インプラントの周囲の歯茎に炎症が生じると、歯茎が赤く腫れあがります。症状が進行して炎症が長引くと、赤みが次第に黒ずんでいくでしょう。

歯肉退縮

歯肉退縮とは、歯の周りの組織が減り、歯茎が下がって歯根の表面が露出する現象のことです。インプラントの場合は、金属部分が露出します。

歯肉退縮の主な原因は、歯周病やインプラント周囲炎です。歯やインプラントの周囲に細菌が繁殖し、炎症を引き起こすと歯茎が痩せて下がってきます。

また、不適切なブラッシングや喫煙習慣も歯肉退縮の原因になるので注意が必要です。

インプラントの金属の影響

インプラントに使用される金属が原因で、歯茎が黒く見えることもあります。金属アレルギーや金属イオンの溶出が、歯茎の黒ずみにつながります。

インプラント体に使用されるチタンは金属ですが、金属アレルギーを起こしにくい素材と考えられています。人工歯の素材はさまざまで、金属を一切使用しないものもあれば金属を組み合わせたものもあります。

インプラントに限ったことではありませんが、金属アレルギーの場合は歯科治療に用いられる金属素材が体内に入るとアレルギー反応が起こります。アレルギー反応で歯茎のメラニン色素が増えるため、歯茎が黒ずんで見えることがあるでしょう。

また、金属素材から金属イオンが流れ出ると、色素沈着によって歯茎が黒く変色する場合があります。インプラント治療ではチタンを使用するため、金属が溶出することはほとんどありません。

しかし、他の金属素材を使用した際は金属が溶出し、黒ずむ可能性があるので注意が必要です。

インプラント以外で歯茎が黒くなることはある?

インプラント以外で歯茎がくろくなることがあるか考えている人

インプラント以外にも歯茎が黒くなる原因はあります。確認しましょう。

歯周病

歯周病は、歯茎が黒くなる原因になります。歯周病は、細菌が歯と歯茎の間に入り込んで炎症を引き起こすことから始まります。歯周病が進行すると、炎症による血流や組織の変化で歯茎が赤みを帯び、やがて黒ずんできます。

歯周病がさらに進行すると、歯茎が退縮して歯の根元が露出するため、歯茎はさらに黒く見えるでしょう。

喫煙

タバコに含まれるニコチンやタールは、歯茎の毛細血管を収縮させ血流を悪化させます。また、メラニン色素の生成も促すため、歯茎の色素沈着や黒ずみの原因になるのです。

タバコの煙に含まれる有害物質が、歯や歯茎に付着して歯茎が黒くなることもあります。喫煙者は非喫煙者に比べて歯周病が進行しやすく治療も難しいため、より注意が必要でしょう。

金属イオンの溶出

歯科治療で使用される金属製の被せ物やブリッジから溶け出した金属イオンが沈着して、歯茎が黒く見えることがあります。メタルタトゥーと呼ばれ、銀歯のような保険診療で使われる金属で起こりやすいです。

メタルタトゥーは、自然に消えることはありません。被せ物を取り替えたり、レーザー治療などで黒ずんだ部分を除去したりする必要があります。

過度な歯磨き

過度な歯磨きは歯茎が黒くなる原因になります。歯を磨く際に力を入れすぎたり、硬い歯ブラシを使用したりすると歯茎が傷つきます。歯茎が炎症を起こしやすくなり、結果的に歯茎が変色することがあるでしょう。

過度な歯磨きは歯茎の退縮を引き起こし、歯の根元が露出すると歯茎が黒ずんで見えることもあります。

また、歯茎を強くこすり過ぎると表面に傷がつき、細菌が侵入しやすくなります。炎症を起こしたり血流が悪化したりすることで、歯茎が黒ずんで見えるケースもあるでしょう。

インプラントで歯茎が黒くなるのを防ぐ方法

インプラントで歯茎が黒くなるのを防ぐため歯科医院へ相談している人

インプラントで歯茎が黒くなるのを防ぐ方法を確認しましょう。

適切な口腔ケア

インプラント治療後の歯茎の健康を保つためには、日々の口腔ケアが重要です。歯ブラシで歯とインプラントの周囲を丁寧に磨くことで、プラークの蓄積を防ぎましょう。インプラント周囲の歯茎は細菌が繁殖しやすいので、しっかり清掃することが大切です。

特に、インプラントと隣の歯の間は食べかすが溜まりやすいです。デンタルフロスや歯間ブラシを使用し、歯ブラシだけでは届かない部分のプラークも除去しましょう。

また、抗菌作用のあるマウスウォッシュを使用すれば、口腔内の細菌を減少させることができます。適切な口腔ケアを継続し、インプラント周囲炎を予防しましょう。

定期的な歯科検診

インプラント治療後は、3か月に1回程度のペースで歯科医院を受診してインプラントの状態をチェックしてもらいましょう。

定期検診では、インプラント周囲の組織の健康状態を確認し、歯周ポケットの深さなどもチェックします。歯茎が黒くなる原因があれば、早期に発見することができるでしょう。

定期的なメンテナンスを怠ると、インプラント周囲炎が進行しやすくなります。歯茎の黒ずみやインプラントの不具合につながるため、必ず受診しましょう。

禁煙する

タバコの煙に含まれる有害物質は、歯茎の血行を悪化させます。また、喫煙はインプラント周囲炎のリスクも高めます。

禁煙すれば、歯茎の健康を保ちインプラントの寿命を延ばすことにつながります。禁煙によって歯茎の血行が改善されれば、黒ずんでいた歯茎が健康な色を取り戻すことも期待できるでしょう。

まとめ

インプラントで綺麗な綺麗な口元になった人

インプラントで歯茎が黒く見える理由はさまざまです。歯茎の中に埋まっている金属部分が露出したり、歯茎が薄いことで金属の色が透けて見えたりすることが主な原因として挙げられます。

他にも、歯茎が下がったりインプラント周囲炎を発症したりして歯茎が黒ずんで見えることもあります。歯茎が黒く見えるのは見た目の問題にとどまらず、インプラントや歯茎に何らかのトラブルが生じているサインかもしれません。

定期的に歯科医院を受診することで、問題を早期に発見し適切に対応しましょう。

インプラント治療を検討されている方は、横浜市緑区にある歯医者「礒部歯科医院」にお気軽にご相談ください。

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入れ歯からインプラントへ移行できる?メリットや治療法と費用を解説

こんにちは。横浜市緑区にある歯医者「礒部歯科医院」です。

インプラントのイメージ

入れ歯を作ったけれど「痛い」「噛み心地が悪い」「話しにくい」「見た目が気になる」といった悩みをおもちの方がいるのではないでしょうか。これらの悩みを解決するために入れ歯からインプラントに変えたいとお考えの方もいるかもしれません。

では、入れ歯からインプラントに変えることはできるのでしょうか。

そこで本記事では、入れ歯からインプラントに変えることはできるのか解説します。入れ歯からインプラントにするメリットやデメリット、注意点も解説しますので、入れ歯からインプラントに変えたいとお考えの方は、ぜひ参考にしてください。

入れ歯からインプラントにすることは可能?

入れ歯からインプラントにできるか考えている人

結論からお伝えすると、入れ歯からインプラントに変えることは可能です。誰もが必ずできるとは限りませんが、特に大きな問題がなければ大抵の場合は可能でしょう。

インプラント治療を受けるのが難しい場合の例としては、妊娠中の方や未成年の方、ヘビースモーカーの方などが挙げられます。インプラントの治療では手術を行うため、麻酔などの薬剤を使用することから妊娠中の方への治療は行っていない歯科医院が多いです。

未成年の方はまだ成長期にあるため、顎の発達を考えるとインプラントを埋め込むのは避けるべきでしょう。また、タバコは血管が収縮して血流を悪化させるため、術後の回復に影響が出る恐れがあります。

入れ歯からインプラントに変える治療は、人によっては実施できないケースもあるため歯科医師とよく相談する必要があるでしょう。

入れ歯からインプラントにするメリット・デメリット

入れ歯からインプラントにするメリットとデメリットイメージ

入れ歯からインプラントに変えるか決めるには、それぞれのメリットとデメリットを理解できなければ判断が難しいでしょう。

ここからは、入れ歯からインプラントに変えるメリットとデメリットを解説します。

入れ歯からインプラントにするメリット

入れ歯からインプラントに変えるメリットは、以下の6つです。

  • 見た目が自然で美しい
  • 自分の歯と同じように噛める
  • 痛みや違和感が少ない
  • 寿命が長い
  • 入れ歯のお手入れが不要
  • 話しやすい

それぞれ順番に解説します。

見た目が自然で美しい

インプラントは、見た目が自然で美しいです。インプラントの歯は人工のものですが、顎の骨に埋め込んだ人工歯根の上に取り付けるため、元々生えている歯のように見えます。

また、部分入れ歯を使用している方は、インプラントに変えることで金属のバネ部分が見える心配がなくなり快適に過ごせるでしょう。

自分の歯と同じように噛める

入れ歯からインプラントに変えると、自分の歯と同じように噛めるようになるでしょう。インプラントは1本1本が顎の骨に固定されているため、まるで自分の歯で噛んでいるかのような感覚を得られます。

入れ歯の場合は、噛む時の感覚が鈍くなったり、上手くフィットしなくて外れてきたりすることもあるでしょう。インプラントにすればこのようなストレスがなく食事を楽しめます。また、人目を気にする必要もないため外食でも安心です。

痛みや違和感が少ない

入れ歯を使っている方のなかには、痛みや違和感があって耐えられないと感じている方もいらっしゃるかもしれません。そのような問題も、インプラントにすれば解決できる場合があります。

インプラントに変えれば入れ歯のように口の中でぶつかって痛くなったり、異物感を覚えたりすることはありません。元から生えている天然の歯であるかのような感覚で過ごせるため、非常に快適です。

寿命が長い

インプラントは特にトラブルがなければ、入れ歯よりも長く使用できます。入れ歯の寿命は一般的に5年程度と言われており、寿命を迎えたら新たな入れ歯を作り直さなければいけません。

その点、インプラントの寿命は10〜15年程度といわれています。頻繁に再治療を受ける必要がないため通院する手間がありません。

入れ歯のお手入れが不要

インプラントに変えれば入れ歯を使わなくなるため、これまで行なっていたお手入れが不要になります。

食後に毎回洗浄したり、洗浄剤につけておいたり、入れ歯ケースを掃除したりと、入れ歯を長く使うためにはこのようなお手入れが欠かせませんでしたが、これらをやらなくて良いのです。入れ歯のお手入れから解放される点はメリットといえるでしょう。

話しやすい

入れ歯からインプラントにすると話しやすくなります。

入れ歯をつけていると、入れ歯に舌がぶつかって話しにくいと感じていた方も多いのではないでしょうか。また、発音する時は舌が口の中のどこかに触れますが、入れ歯の場合は舌が触れる感覚が得られないため話しにくくなります。

インプラントであればこのような問題がなくなるため、快適に会話ができるのです。

入れ歯からインプラントにするデメリット

次は、入れ歯からインプラントに変えるデメリットを解説します。

主なデメリットは、以下の4つです。

  • 治療費用が高い
  • 手術をしなければいけない
  • 治療期間が長い
  • 持病があると治療を受けられない可能性がある

それぞれ解説します。

治療費用が高い

入れ歯には保険が適用されるものもありますが、インプラントは保険が適用されないため費用が高額になりやすいです。自由診療ということもあり、治療を受ける歯科医院によって費用は異なります。

インプラントの治療を始める前に、あらかじめ費用を確認しておきましょう。

手術をしなければいけない

インプラントの治療は虫歯治療などとは異なり、手術が必要な治療です。歯茎を切開し、骨に穴をあけて人工歯根を埋め込む手術が必要になるため、心身ともに負担がかかるでしょう。

治療期間が長い

インプラントの治療は、入れ歯の治療と比べると治療期間が長いです。保険の入れ歯の場合は2週間〜1か月程度、自費の入れ歯の場合は2〜3か月程度で治療が終わるケースが多いでしょう。

一方、インプラントの治療期間は、3か月〜1年前後です。治療が長期にわたるため、スケジュールを調整しておく必要があるでしょう。

持病があると治療を受けられない可能性がある

持病をお持ちの方は、病気の種類や程度によって、インプラント治療を受けられない場合があります。持病の影響によりインプラント治療を安全に進めるのは難しいと判断される場合があるからです。

例えば、以下の持病をお持ちの方は、事前に歯科医師へ相談したほうがよいでしょう。

  • 糖尿病
  • 腎臓の病気
  • 人工透析を受けている
  • 血液がサラサラになる薬を飲んでいる

歯の治療とはいえ全身の健康にも関係があるため、しっかり歯科医師に相談しましょう。

部分入れ歯からインプラントにする治療方法

インプラントのイメージ

部分入れ歯からインプラントにする治療には、主に以下の2種類があります

  • 失った分の本数をインプラントにする
  • インプラントブリッジ

それぞれ解説します。

失った分の本数をインプラントにする

失った歯が部分的である場合、失った歯と同じ本数のインプラントを入れることで歯を補う方法があります。1本ずつ歯を補うことができますが、失った歯の本数が多いと費用が高額になる可能性があります。

インプラントブリッジ

インプラントブリッジは、両端の歯にインプラントを埋め込み、橋をかけるように連結した人工歯を取り付ける治療法です。例えば3本連続して歯を失っている場合、人工歯根を2本埋め込み、その上に3本分の連結した歯を装着します。

本来3本のインプラントが必要なところを2本で治療できるため、1本ずつインプラントにするよりも費用が安いです。

総入れ歯からインプラントにする治療方法

総入れ歯からオールオン4へ変えるイメージ

総入れ歯からインプラントにする場合は、主に以下の2種類の治療法があります。

  • インプラントブリッジ
  • オールオン4

それぞれ解説します。

インプラントブリッジ

総入れ歯からインプラントブリッジで治療する場合は、いくつかのブロックに分けてインプラントを埋め込みます。例えば上の歯を治療する場合、左上の奥・左上の前・右上の前・右上の奥と4ブロックに分けてインプラントを埋め込み、被せ物を装着します。

ブロックごとに分けることで、噛み合わせの調整がしやすかったり、傷口が小さく済んだりするのです。

オールオン4

オールオン4は、4〜6本のインプラントの上に、全部の歯が連結した義歯を装着する治療法です。人工歯部分にはセラミックが使用されることが多く、天然の歯のような白さや透明感を再現できます。

ただし、費用が高額である点はデメリットといえるでしょう。

入れ歯からインプラントにする際に気をつけること

入れ歯からインプラントにする際に注意点イメージ

入れ歯からインプラントにするにあたって注意しなければならないことは、人によって骨造成が必要となる点です。

インプラントは顎の骨に埋め込まれます。そのため、顎の骨が薄かったり、密度が低かったりする場合は、骨造成を行って骨を補う必要があるのです。顎の骨に十分な厚みと密度がある方は問題ありませんが、人によっては骨造成の処置が必要になるため注意が必要です。

入れ歯からインプラントにする際の費用相場

入れ歯からインプラントにする際の費用相場イメージ

入れ歯からインプラントにする際の費用は、インプラントで補う歯の本数によって異なります。インプラント1本あたりの費用は30〜50万円程度が相場です。オールオン4の場合は200万〜400万円程度かかるでしょう。

インプラントは自由診療であり、歯科医院によって費用は異なるため、詳しくは治療を受ける歯科医院で確認しましょう。

まとめ

入れ歯からインプラントへ変えて笑顔になっている人

本記事では、入れ歯からインプラントにできるのか解説しました。

入れ歯からインプラントにすることは可能です。入れ歯からインプラントにすることで、しっかり噛めるようになったり、話しやすくなったりします。

一方で、費用が高額である点や外科手術が必要である点はデメリットといえるでしょう。

入れ歯とインプラントには、それぞれ異なる特徴があります。よく比較した上でご自身に合った治療法を選択しましょう。

インプラントを検討されている方は、横浜市緑区にある歯医者「礒部歯科医院」にお気軽にご相談ください。

十日市場の歯医者|礒部歯科医院

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インプラントと差し歯の違いは何?比較して詳しく解説!

こんにちは。横浜市緑区にある歯医者「礒部歯科医院」です。

きれいな葉を手に入れた人

インプラントと差し歯はどちらも人工物で歯を補う治療で、混同されることが多いです。

治療方法や構造に大きな違いがありますが、詳しくご存じの方は少ないのではないでしょうか。

今回は、それぞれの違いや詳しい治療方法について解説します。

インプラントと差し歯、どちらの治療方法がご自身に合っているのか知りたいという方は、ぜひ参考にしてください。

インプラントとは?

インプラントの模型を持っている歯科医師

インプラントとは、顎の骨にインプラント体と呼ばれる歯根の代わりとなるパーツを埋め込み、その上に人工歯を被せる治療方法です。歯根から歯を失った場合や、重度の

虫歯や歯周病で治療しても歯を残すことができない場合などに行われます。

歯根が残っている場合は、抜歯後にインプラントを埋め込みます。

インプラントのパーツは、インプラント体・アバットメント・人工歯に分かれており、それぞれを連結させることで人工歯として機能します。歯根から補うことで、天然の歯のように噛めるようになるのです。

人工歯には、さまざまな素材が使われます。その中でも機能性・審美性の両方を兼ね備えたセラミックを選ぶ方が多いです。

インプラント治療は、基本的には自由診療で健康保険が適用されません。保険診療と比較すると、費用は高額になります。

差し歯とは?

差し場治療をした人

差し歯は、歯根が残っており上に被せ物をしても問題ないとされるときに選択される治療方法です。ご自身の歯根に土台を立てて、人工歯を被せます。

差し歯は、使用する素材によって保険診療と自由診療に分けられます。保険診療で選べる被せ物の種類はレジンや金属などで、自由診療ではセラミックなどの審美性の高い素材を選ぶことができます。

インプラントと差し歯の違いは何?

インプラント治療のイメージ

ここでは、インプラントと差し歯の違いをご紹介します。

<インプラントと差し歯の違い>

治療法 インプラント 差し歯
歯根の有無
見た目 天然の歯に近い 使用する素材によっては目立つ
治療期間 3ヶ月〜1年程度 1〜2ヶ月程度
費用 自由診療で1本30〜40万円程度 保険診療の場合:3,000〜1万円程度
自由診療の場合:4〜20万円程度

インプラント治療では、歯茎を切開し顎の骨に金属のパーツを埋めるために外科手術を行います。また、顎の骨とインプラント体が結合するのに時間を要するため、待機期間が数ヶ月あります。治療期間は差し歯と比べると長くなるでしょう。

差し歯は外科手術が不要で、治療期間が短いです。選択する素材によっては費用を抑えられることもメリットでしょう。

インプラント治療の流れ

インプラント治療のイメージ

次は、インプラント治療の流れを解説していきます。

  • 精密検査
  • インプラント体の埋入
  • 待機期間
  • アバットメントのとりつけ
  • 人工歯の装着
  • 定期メンテナンス

それぞれ解説します。

①精密検査

インプラントは外科手術を伴う治療のため、事前にさまざまな検査を行います。顎の骨の量や高さを確認し、インプラント治療が可能かどうかを判断します。

そのため、歯科用CTなどを用いて詳しく検査します。

②インプラント体の埋入

検査結果に問題がなければ、インプラント体を顎の骨に埋入します。歯茎を切開するため麻酔を行いますが、入院の必要がないケースが多いので日帰りできます。

③待機期間

インプラント体の埋入後、インプラント体と顎の骨がしっかり結合するのを待ちます。インプラント体が定着するまでの期間には個人差がありますが、一般的に2〜3ヶ月程度かかることが多いです。

待機期間は、特にトラブルがない限り通院の必要はありません。

④アバットメントのとりつけ

インプラント体と顎の骨が定着したことを確認できたら、再び歯茎を切開してアバットメント

アバットメントを取り付けた後は、しばらく歯茎が腫れる方が多いです。数週間様子を見て、歯茎の形が整ってから型取りを行います。

⑤人工歯の作成・装着

人工歯を作るために型取りを行います。完成した人工歯を装着すれば、治療は完了です。

⑥定期メンテナンス

インプラント治療が終わった後でも、3ヶ月〜半年に一回の頻度で定期メンテナンスに通いましょう。インプラントの人工歯には、エナメル質が存在せず酸で溶けることがないため、虫歯になることはありません。

しかし、インプラント周囲炎と呼ばれる歯周病に似たトラブルが起こりやすいです。インプラント周囲炎になると、最悪の場合インプラントが抜け落ちることもあります。

定期的なクリーニングや検査が、インプラントを長く使うために非常に重要です。

差し歯の治療の流れ

差し歯治療の模型

差し歯治療の流れは、以下のとおりです。

  • 根管治療
  • 土台作り
  • 差し歯の装着
  • 定期メンテナンス

それぞれ解説します。

①根管治療

差し歯の治療では、インプラントのように事前に顎の骨の高さなどを検査する必要はありません。顎の骨に歯根の代わりとなるものを埋め込む必要がないので、顎の骨の状態に治療結果が左右されることはないのです。

しかし、神経を取り除き、根管内部を洗浄・消毒する根管治療を行う必要があります。神経が残っていると、差し歯を入れたときに痛みがでる恐れがあるためです。

根管治療は何度かに分けて行うため、3〜5回程度の通院が必要になるでしょう。

②土台作り

次に、差し歯を装着するための土台をたてます。根管治療では、神経だけでなく血管も取り除くため、治療後の歯は脆くなります。血液や酸素など、必要な栄養が歯に届かなくなるためです。

土台を立てなければ、噛む衝撃に耐えられず残った部分が割れたり欠けたりする恐れがあるでしょう。土台の種類は、以下のとおりです。

  • メタルコア
  • レジンコア
  • ファイバーコア

メタルコアは金属でできた土台のことで、衝撃に強いという特徴があります。

時間の経過とともに金属の成分が溶け出し、歯茎が黒っぽく変色するリスクがあることがデメリットです。前歯などの目立つ部分や、金属アレルギーの方の治療には向かないでしょう。

レジンコアは、歯科用プラスチックできた土台のことです。強度は金属に劣りますが、費用はリーズナブルです。

ファイバーコアは、グラスファイバーの芯をレジンで補強した土台のことを指します。天然の歯に近い適度な弾力性があるので、残った歯が割れにくいというメリットがあります。

金属を使用しないので、アレルギーや歯茎の変色の心配はありませんが、費用がほかの素材と比べると高額になります。

③差し歯の装着

土台をつけた状態で型取りを行い、完成した差し歯を装着します。被せ物の素材としては、セラミックやレジンなどが選択できます。

使用する素材や治療する場所によって、保険適用かどうかが異なります。

④定期メンテナンス

差し歯の場合は、インプラントと違いご自身の歯が残っているので、虫歯になる可能性があります。神経を取り除いているため、痛みなどの虫歯の自覚症状を感じられず発見が遅くなるケースが多いです。

虫歯が進行していると、差し歯にできないほど歯を削らなければならないこともあります。その場合は、抜歯を行ってインプラントやブリッジなどのほかの治療方法を検討する必要があるでしょう。

差し歯治療後も定期メンテナンスに通い、虫歯などのトラブルが起こっていないかチェックしてもらってください。

まとめ

インプラント治療で歯がきれいになった人

インプラントと差し歯の大きな違いは、歯根が残っているかどうかです。

インプラントは外科手術を伴い、費用や治療期間がかかりますが、天然の歯に近い機能性と見た目を叶えられる可能性が高いです。

差し歯は治療期間が短く費用を抑えることができますが、素材によっては周りの歯と馴染まず目立つでしょう。

歯の状態や治療を行う場所、予算などによってどちらを選べばいいかは変わります。治療に不安や疑問を抱える方は、お近くの歯科クリニックへ相談しましょう。

インプラントや差し歯の治療を検討されている方は、横浜市緑区にある歯医者「礒部歯科医院」にお気軽にご相談ください。

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インプラントの費用が高い理由と高額でも選ばれる理由を解説!

こんにちは。横浜市緑区にある歯医者「礒部歯科医院」です。

インプラントの模型

失った歯を補う治療法のひとつにインプラントがあります。インプラントは天然歯と変わらない見た目を再現でき、良く噛めるようになります。

しかし、費用が高いため、しり込みする方も少なくありません。「インプラント治療はどうして高いの?」「高い金額を払う価値があるの?」「高いのに多くの人がインプラント治療を選ぶ理由は何?」と疑問をもつ方もいるでしょう。

本記事では、インプラント治療にかかる費用が高い理由や、高額でも多くの人に選ばれる理由について解説します。治療費の負担を抑える方法についても解説しますので、インプラント治療を検討している方は、ぜひ最後までお読みください。

インプラントの治療にかかる費用

インプラント治療に必要な費用

インプラントの治療にかかる費用は、インプラント1本につき35万〜40万円程度が相場です。3本以上インプラントにする場合は、100万円以上かかることになります。

インプラント手術の前に骨造成(顎の骨を増やす手術)を行う場合は、さらに手術代がかかります。骨造成手術の相場は、手術の内容によって異なりますが5万〜30万円程度です。

インプラントの費用が高い理由

インプラント治療が高い理由

「インプラント治療を受けたいけれど、高いから悩んでいる」という方は、少なくありません。インプラントの費用が高いのには理由があります。

本項目では、インプラント治療の費用が高い理由について解説します。

自由診療であるため

インプラントは、保険が適用されない自由診療です。治療にかかった金額を、全額自分で支払う必要があるため高くなるのです。

保険が適用されるのは、国が定めている必要最低限の健康を維持するために必要となる治療のみです。入れ歯やブリッジは必要最低限の健康を維持するために必要な治療だと判断されているため、保険が適用されるのです。

一方で、インプラントはより高度な機能性と審美性を求める治療とされているので、必要最低限の治療には当てはまりません。そのため、自由診療となり、インプラント治療にかかった全額を自分で負担する必要があるのです。

設備を整える必要があるため

インプラント治療では、インプラント体(人工歯根)を歯槽骨に埋め込む手術を行います。麻酔をして手術をするため、充実した設備が必要です。

また、インプラントの手術前には、骨の状態や神経の位置、血管の位置などを確認する必要がありますが、正確に検査を行うためには性能の良い機械を導入しなければなりません。

さらに、手術中と手術後の感染を避けるためには、徹底した衛生管理も不可欠です。このように設備面でも衛生面でも、より高度な対応が求められます。インプラントの治療費は、設備費用なども全て含んだ金額なので、全体的に高くなるのです。

インプラントの材料費が高いため

インプラントの材料費自体が高いことも、インプラントの治療費が高くなる理由です。現在、世界には数多くのインプラントが存在しています。その中でも安全なもの・品質が保証されているものなど、高品質なものを選ぶと値段が高くなるのです。

安全性や品質が保証されていないインプラントを使用すると、インプラントの治療費は安くなるかもしれません。

しかし、インプラント体が折れた・体質に合わずにアレルギー反応が出たなどのトラブルが起こる可能性があります。安全で品質がいいインプラントは、値段も高いのです。

専門の技術や知識が必要であるため

インプラント手術を行うには、専門の知識や技術が必要です。手術では歯茎を切開し、歯槽骨に穴をあけ、正確な位置にインプラント体を埋め込みますが、神経が傷つかないように細心の注意を払わなければなりません。

例えば、ドリルを使用する際は顎の骨の状態や神経の位置を考え、ドリルの種類・穴をあける角度・ドリルの回転数などを考慮する必要があります。

ドリルの種類や穴をあける角度を間違えると、インプラントが安定しなかったり、神経を傷つけたりする危険があるからです。ドリルの回転数を上げると、骨が発熱して熱損傷を起こすリスクもあります。

インプラントの手術自体にかかる時間は短時間ですが、非常に高度な技術が必要となるため、高額な治療費がかかるのです。

治療期間が長いから

インプラントの治療期間は、3か月〜1年程度と長いです。骨造成が必要ない場合は4か月〜5か月程度、骨造成が必要な場合は7か月〜13か月程度かかります。治療期間が長い分、入れ歯やブリッジなど他の治療に比べて、治療の工程が多くなります。

さらに、治療後も定期的にメンテナンスに通わなければなりません。通院のたびに料金を支払う歯科医院も珍しくないため、トータルで考えると治療費が高くなるでしょう。

高額でもインプラントが選ばれるのはどうして?

インプラントが高くても選ばれる理由

インプラントの費用は高額ですが、選ばれるのには理由があります。

インプラントが高額でも選ばれる理由は、以下のとおりです。

他の治療に比べて寿命が長いから

インプラントは入れ歯やブリッジといった他の治療法に比べると寿命が長いです。そのため、長期で考えるとコストパフォーマンスが高いと感じる方は少なくありません。保険の入れ歯の平均寿命は4年〜5年程度、ブリッジの平均寿命は7年〜8年程度です。

それに対し、インプラントの平均寿命は10年〜15年程度です。インプラント治療後にしっかりとケアを行い、定期的にメンテナンスを受けていれば、さらに長く使用できる場合もあるでしょう。

審美性に優れているから

インプラントは入れ歯やブリッジなど他の治療に比べて、審美性に優れています。特に、セラミック素材の人工歯を選べば、天然歯と見分けがつかないことも珍しくありません。

変色・変形もしにくいため、長くきれいな状態をキープできるでしょう。見た目を気にせず、会話をしたり笑ったりできるようになるのはメリットといえます。

天然歯と同じように噛めるから

インプラントの大きなメリットは、天然歯と変わらずに噛めるようになることです。自分の好きなものを食べられるため、幸せを感じることができ、満足度が増すでしょう。

また、良く噛むことと、健康を維持することには大きなつながりがあります。例えば、良く噛んで食べると十分な量の唾液が分泌されるので、消化を助け、胃腸の負担を軽減します。さらに、しっかり噛むと、脳が刺激され思考力がアップします。

インプラントによって噛む機能が回復すると、認知症の予防にもつながるかもしれません。

周囲の歯への影響が少ないから

インプラントには、周囲の歯に与える影響が少ないという特徴もあります。ブリッジの場合は、土台となる両隣の歯を削る必要がありますが、インプラントは独立しているため周囲の歯に負担がかからないのです。

インプラントの治療にかかる費用負担を抑える方法

インプラント治療の費用を抑えるために医療費控除の申請をする

「インプラントの治療を受けたいけど、高額な費用を払うのは負担が大きすぎる」と考える方もいらっしゃるでしょう。

本項目では、インプラントの治療にかかる費用の負担を抑える方法について解説します。

医療費控除を受ける

医療費控除を受けることを検討できます。医療費控除とは、1年間の治療費の合計が10万円を超えたときに所得控除が受けられる制度です。

インプラント治療も医療費控除の対象になるため、確定申告を行いましょう。

デンタルローンの利用を検討する

デンタルローンの利用を検討するのもよいでしょう。デンタルローンとは、歯科治療の治療費のみに特化したローンのことです。矯正治療やインプラント治療など、歯科治療に高額な費用がかかるときに検討できます。

デンタルローンを利用しても、治療費そのものが安くなるわけではありませんが、一般的なローンに比べて金利が低いため、分割払いの負担を抑えられるでしょう。

まとめ

インプラント体

今回は、インプラント治療の費用が高い理由について解説しました。

インプラント治療は、材料費が高く専用の設備も必要です。また高度な技術や知識も求められます。さらに自由診療となるため、高額な費用になるのは仕方がありません。

しかし、審美性に優れている・しっかりと噛めるようになるという理由から多くの方に選ばれています。

また、他の治療に比べると寿命も長いので、結果的に考えるとコストパフォーマンスは高いでしょう。食事も会話も楽しめるので、満足度の高い生活が送れるようになったと感じる方は少なくありません。

インプラント治療に興味のある方は、一度カウンセリングを受けるとよいでしょう。

インプラントを検討されている方は、横浜市緑区にある歯医者「礒部歯科医院」にお気軽にご相談ください。

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インプラントを除去しなければならないケースと除去後の対処法!

こんにちは。横浜市緑区にある歯医者「礒部歯科医院」です。

インプラントを除去しなければならない説明

インプラントは適切なメンテナンスを行なえば機能性・審美性に優れた歯を長期間維持できます。

しかし、インプラントの破損や感染などのトラブルにより、除去しなければならないことがあります。「除去しなければならないのはどんなケース?」「インプラントを除去する場合の費用は?」などの疑問をお持ちの方もいるのではないでしょうか。

インプラント治療を検討する際は、除去が必要になるケースがあることを理解しておくことが大切です。

今回は、インプラントを除去しなければならないケースや除去する方法、費用、除去後の対処法について解説します。インプラント治療を受けた方や、インプラント治療を検討している方は、ぜひ参考にしてください。

インプラントを除去しなければならないケースとは?

インプラントのイメージ

インプラントの寿命は約10〜15年と長く、しっかり噛めて見た目も美しい歯を長期間使用できます。

しかし、治療後のトラブルによりインプラントを除去しなければならないことがあります。

インプラントの除去が必要になるケースは、以下のとおりです。

  • インプラント周囲炎
  • 細菌感染
  • 周辺組織の損傷
  • インプラントの破損
  • 金属アレルギー

それぞれくわしく解説します。

インプラント周囲炎

インプラント周囲炎とは、インプラントの周囲組織に発症する炎症性の疾患です。インプラント周囲炎になるとインプラントの除去が必要になる可能性があります。インプラントは適切なケアを行えば非常に寿命が長い治療法です。

しかし、毎日の歯磨きや歯科医院でのメンテナンスを怠ると、汚れが蓄積してインプラント周囲炎の発症リスクが高まります。

喫煙習慣のある方や糖尿病などの持病で免疫力が低下している方、インプラント手術前に歯周病にかかっている方はインプラント周囲炎を発症しやすくなるため注意が必要です。

インプラント周囲炎は初期では自覚症状が出ないことも多いですが、進行すると歯茎からの出血や膿が出るなどの症状が現れ、歯茎が下がってインプラント体が露出することもあります。

治療を受けずに放置すると歯槽骨の破壊が進み、最終的にはインプラントが抜け落ちることもあります。インプラントを支える顎の骨が溶けるため、再度インプラント治療を受けることが難しくなるでしょう。

細菌感染

インプラント手術後の細菌感染でインプラントの除去が必要になるケースもあります。術後のメンテナンスが不足している方や喫煙習慣がある方、糖尿病などの持病がある方、インプラント手術前に歯周病にかかっている方は術後感染を起こしやすいです。

また、歯科医院の感染対策が不十分だった場合、術中に細菌が入り込んでインプラント埋入部位が術後感染を起こすリスクが高くなります。

細菌感染を起こすと強い痛みや腫れ、膿が出るなどの症状が現れるだけでなく、インプラント体と顎の骨が結合せずインプラントが抜け落ちるおそれがあるのです。

インプラント治療を受ける歯科医院を選ぶときは、院内の環境や衛生面もチェックしておくことが大切です。

周辺組織の損傷

インプラント手術の際に周辺組織を損傷した場合は、インプラントの除去が必要になる可能性があります。

インプラントが適切な位置・深さ・角度に埋入されないと神経や血管、周囲の歯の歯根を傷つけたり、上顎洞を貫通して上顎洞炎を引き起こしたりするおそれがあります。

これらのトラブルはインプラント手術前に十分な検査を行うことで防ぐことができますが、損傷した場合はインプラントを除去しなければならないでしょう。

インプラントの破損

インプラントが破損した場合もインプラントの除去が必要になる可能性があります。

ただし、必ずしも除去が必要になるわけではありません。顎の骨に埋め込んだ人工歯根が破損した場合は除去が必要になりますが、人工歯やアバットメント(インプラント体と人工歯根の連結部)が破損した場合は修理・交換で対処できるケースが多いです。

インプラントの人工歯根はチタンなどでできているため、破損することはほとんどありません。破損のおもな原因は長期間の使用による経年劣化や、製造上の問題であると考えられています。

人工歯根が破損した状態で放っておくとインプラント周囲炎などのトラブルの原因になるため、できるだけ早く歯科医院を受診しましょう。

金属アレルギー

インプラント治療では、生体親和性が高く金属アレルギーが起こりにくいチタンという金属を使用するため、金属アレルギーの方でも治療を受けられます。

しかし、ごく稀にチタンでアレルギー反応を起こす方もいます。インプラント埋入後に金属アレルギーを発症し、口内炎や扁平苔癬などのアレルギー症状がみられる場合は、インプラントを除去しなければなりません。

金属アレルギーが心配な方は、インプラント治療を受ける前に必ず歯科医師に相談しましょう。

インプラントを除去する方法

インプラント除去の手術

インプラントを除去するときは、埋入時と同じように外科手術が必要です。局所麻酔のもと歯茎を切開して骨を露出させ、専用のドリルを用いて除去します。

インプラントはドリルを回転させて顎の骨に埋入します。ドリルで埋入するときと逆回転の力を加えることで、顎の骨に埋め込んだインプラントを除去できるのです。

ただし、除去するインプラントがブレードタイプや骨膜下インプラントなどの古いタイプの場合は、骨を大きく削らなければ除去できません。

また、インプラント体が上顎洞に入り込んでいる場合や、通常の方法では除去できない場合は、口腔外科などの専門機関での治療が必要です。

インプラントを除去する場合の費用

インプラントを除去する費用イメージ

インプラントを除去する場合の費用は、保険診療か自費診療かで大きく異なります。

インプラントの除去が保険適用となるのは、インプラント治療を受けた歯科医院とは別の歯科医院で治療を受ける場合です。インプラント治療を受けた病院で除去する場合は保険が適用されません。

インプラントを除去する場合の費用は、以下のとおりです。

保険診療の場合

歯科医師がインプラントの除去が必要であると診断した場合は保険が適用されます。費用は埋入されているインプラントの種類により異なり、初診料や再診料、検査費用、処方箋料などが別途必要となります。

インプラントの種類ごとの費用は、以下のとおりです。

人工歯根タイプ

現在最も広く普及しているタイプのインプラントです。人工歯根タイプのインプラントを除去する場合の費用は、3割負担の場合で1本あたり1,400円程度です。

ブレードタイプ

ブレードタイプのインプラントは、板状の金属製の土台を埋め込んで人工歯を装着するタイプのインプラントです。ブレードタイプのインプラントを除去する場合の費用は、3割負担の場合で1本あたり3,750円程度です。

骨膜下インプラント

骨膜下インプラントは、骨の上に置いた金属製のフレームを骨膜と歯茎で覆い、フレームの柱に人工歯を固定する治療法です。現在ではほとんど行なわれていません。骨膜下インプラントを除去する場合の費用は、3割負担の場合で1本あたり5,100円程度です。

自費診療の場合

自費診療でインプラントを除去する場合の費用は歯科医院によって異なりますが、全額自己負担になるため高額です。

ただし、インプラントの保証が適用されるケースでは、無料や一部自己負担で除去できる可能性があります。インプラント治療を受ける際は、事前に保証内容や適用条件について確認しておくと安心です。

インプラントを除去したあとはどうする?

インプラントを除去したあとの選択肢

インプラントを除去したあとは、再度インプラント治療を受けるか、ほかの治療法を選択することになります。

インプラントを除去したあとの治療の選択肢は、以下のとおりです。

  • 再度インプラント治療を受ける
  • 入れ歯で治療する
  • ブリッジで治療する

それぞれくわしく解説します。

再度インプラント治療を受ける

除去したインプラント周囲の骨がしっかり残っている場合は、再度インプラント治療を受けられる可能性があります。インプラントでの再治療を希望しても、顎の骨の状態によっては再治療が受けられないことを理解しておきましょう。

入れ歯で治療する

除去したインプラント周囲の顎の骨が残っていない場合は、入れ歯で失った歯を補うことができます。

入れ歯には残っている歯に金具をかけて固定する部分入れ歯と、歯が残っていない場合に適応となる総入れ歯があります。保険適用の入れ歯を選択すれば、インプラントより大幅に費用を抑えて治療が可能です。

しかし、入れ歯は装着時に痛みや違和感が生じやすく、しっかり噛めない、食べかすが挟まりやすいなどのデメリットがあります。

保険診療の入れ歯の場合は食べ物や飲み物の温度を感じにくく、味わいに影響が出るのがデメリットですが、自費診療の金属床の入れ歯であれば熱がしっかり伝わります。入れ歯には多くの種類があるため、自分に合ったものを選択しましょう。

ブリッジで治療する

除去したインプラントが1本で両側の歯が残っている場合はブリッジで治療が可能です。ブリッジとは、失った歯の両隣の歯を土台にして、橋を渡すように被せ物を装着する治療法です。

ブリッジも入れ歯と同じように保険が適用されるため、インプラントで再治療するよりも費用を抑えることができます。また、入れ歯よりも違和感が少なく、しっかり噛めるのがメリットです。

ただし、ブリッジでは土台となる両隣の歯を削らなければなりません。噛んだときに土台の歯に負担がかかり、歯の寿命を縮める原因にもなります。

どの治療法にもメリット・デメリットが存在するため、歯科医師に相談して最適な治療法を選択しましょう。

まとめ

インプラントの器具

インプラントは適切なメンテナンスを行なえば、機能性・審美性に優れた歯を長期間使用できます。

しかし、日々の口腔ケアやメンテナンスを怠るとトラブルが生じ、インプラントの除去が必要になることがあります。

インプラントの除去が必要となるケースは、インプラント周囲炎や細菌感染、手術の際の周辺組織の損傷、インプラントの破損、金属アレルギーなどさまざまです。インプラントを除去する際は埋入したときと同じように外科手術が必要になります。

インプラント治療を受けた歯科医院で除去すると自費診療になりますが、別の歯科医院で治療を受ける場合は保険が適用され、1本あたり1,400円程度で除去が可能です。

インプラントにトラブルが起きたときは放置せず、早めに歯科医院を受診して診察を受けましょう。

インプラントを検討されている方は、横浜市緑区にある歯医者「礒部歯科医院」にお気軽にご相談ください。

十日市場の歯医者|礒部歯科医院

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インプラント治療後に歯磨きをするときの注意点と歯磨き粉の選び方!

こんにちは。横浜市緑区にある歯医者「礒部歯科医院」です。

歯磨きする女性

「インプラント治療をした後は、歯磨きの方法は変える必要があるのだろうか」「インプラントは特別な磨き方をしないといけない?」など、疑問をもつ患者さまもいるでしょう。インプラントがある場合、歯磨きの際に特に注意すべきことがあります。

今回は、インプラントがある場合の歯磨きの注意点や、歯みがき粉の選び方を解説します。

インプラント治療後に歯磨きを怠ると

インプラント治療後に歯磨きを怠った女性

インプラントは歯がない箇所に、歯根の代わりとなるインプラント体を埋入して、被せ物をする治療です。歯根部分から再現するため天然歯に非常に近い使用感を得られますが、インプラントは人工物です。

しかし、実は天然歯以上に念入りにメンテナンスする必要があります。清掃が不十分だとインプラント周囲炎になることがあるからです。

インプラント体も被せ物も虫歯にはなりませんが、インプラント体を支えている粘膜や歯槽骨は歯周病に侵されます。インプラント治療後に歯磨きを怠ると、インプラントの周囲に歯垢が付着し、インプラント周囲の粘膜の炎症を引き起こすでしょう。

歯茎が腫れたり、出血したりといった症状が現れます。そのまま治療しないで放置すると、炎症はインプラントを支える歯槽骨にまで広がります。患部から膿が出たり、歯茎が下がってインプラント体が露出したり、最終的にはインプラントの脱落につながるでしょう。

インプラント周囲炎は、インプラントの歯周病とも呼ばれています。インプラント周囲炎は天然の歯の歯周病と同じく、初期段階では自覚症状がないことが多いです。

気づかないうちに進行し、気づいた時には手のほどこしようのない状態になっていることも少なくありません。毎日のセルフケアを欠かさないことで、インプラント周囲炎を予防することが重要なのです。

インプラント治療後に歯磨きをするときの注意点

食事を終えた女性

インプラント治療は、インプラントが入ったらそれで終わりではありません。インプラントを長持ちさせるためには、日頃のセルフケアをしっかり行いながら定期検診を受ける必要があります。

インプラントをケアする際の注意点をご紹介します。

インプラントをケアしやすい道具を用意する

インプラントは、見た目は天然歯と区別がつかないほど自然ですが、天然歯とは異なることもあります。特に天然歯と全く同じケアでは汚れが残る可能性があるので、インプラントをケアしやすい道具を用意することが大切です。

天然歯よりも、インプラントと歯茎の間には細菌が入り込みやすいです。この部分をしっかりと磨けるように、毛先が細い歯ブラシや、毛束が1つのタフトブラシを用意するとよいでしょう。

天然歯とインプラントの間に歯垢がつかないように、歯間ブラシやデンタルフロスも使用してください。

ご自身の歯並びに合った磨き方や、歯間ブラシ・デンタルフロスの使い方は、歯科医院のブラッシング指導で教えてもらえます。ケア方法に不安がある場合は受けてみるとよいでしょう。

また、手術直後は、歯茎の傷が開いてしまわないように柔らかい歯ブラシを使ってください。傷が回復したら、自分に合った硬さの歯ブラシを使用してかまいません。

食後に歯磨きをする

基本的なことですが、食後は毎回歯磨きをしてください。外出先で歯磨きができないという場合は、うがいをするかマウスウォッシュを使いましょう。

特に、就寝前の歯磨きは重要です。就寝中は唾液の分泌量が減少するため、起床時よりも虫歯や歯周病の原因となる菌が繁殖しやすいです。毎回歯間ブラシやデンタルフロスを使用するのは難しいかもしれませんが、就寝前だけは時間をとってケアするとよいでしょう。

インプラントと歯茎の境目を意識して磨く

インプラントと歯茎の境目には細菌が入り込みやすいので、毛先を上手に使ってケアしましょう。毛先を細かく振動させるように磨くと、汚れを落としやすいです。

また、境目を磨く際は歯ブラシを45度に傾けてください。毛先がスムーズに境目に入り込めるので、汚れをかきだしやすくなります。

歯磨きをする順番を決めておく

口腔内全体の健康を維持することが、インプラントを長持ちさせるために欠かせません。そのため、できる限り磨き残しをなくす必要があります。

一生懸命磨いているつもりでも、何も考えずに磨いていると無意識に磨きにくい箇所を避ける方が多いです。歯磨きをする順番を決めて、毎回その通りに磨くと磨き残しを減らせるでしょう。

デンタルフロスを先に使用する

ブラッシングを先に行う方も多いですが、デンタルフロスや歯間ブラシはブラッシングの前に使用しましょう。デンタルフロスや歯間ブラシで歯と歯の間をきれいにしてから、歯ブラシで磨くほうが効率よく汚れを落とせます。

デンタルフロスや歯間ブラシで歯の間の汚れを落としてからブラッシングして、最後にマウスウォッシュを使用すると汚れをしっかりと除去できるでしょう。

インプラント治療後の歯磨き粉の選び方

インプラント治療後の歯磨き粉

インプラント治療後は、以下のようなポイントに注意して歯磨き粉を選んでください。

大きな研磨剤が入った歯磨き粉は避ける

歯磨き粉には、歯の表面に付着した汚れを落とすために研磨剤が入っていることがあります。研磨剤が入っていれば、ワインやコーヒー、タバコのヤニなどの着色汚れを削り取って落とせます。

しかし、研磨剤が大きい場合は、インプラントと歯茎の隙間に入り込んでしまうことがあります。研磨剤が長時間残ると、歯茎の炎症を引き起こすこともあるでしょう。

歯みがき粉を舌で触ってみた時、顆粒がはっきりわかるような歯磨き粉は使用しないようにしましょう。一般的な歯磨き粉に含まれている研磨剤はエナメル質よりも柔らかいため、歯の表面を傷つけることは基本的にありません。粒の大きさは注視してください。

フッ素入りの歯磨き粉を使用する

インプラント体の素材はチタンです。チタンは、フッ素と結合すると表面がザラザラになるのでインプラント治療後は使わないほうがいいと聞いたことがある方もいるのではないでしょうか。

しかし、毎日の歯磨きに使用する歯磨き粉に含まれているフッ素は高濃度ではありません。歯磨き粉でインプラント体の表面が変化することはないので、虫歯や歯周病を予防するためにもフッ素入りの歯磨き粉を使用しましょう。

基本的には、インプラントだからといって使用できない歯磨き粉は少ないです。商品によって成分が異なるので、ご自身の希望や口腔内の状態にあうものを使用しましょう。

どのような歯みがき粉を使っていいかわからない時は、歯科医師や歯科衛生士に相談するとよいでしょう。

インプラント治療後のメンテナンスの重要性

インプラント治療後のメンテナンスの重要性を説明する女性

高額な費用と外科手術の負担、長い治療期間をかけて入れることができるのがインプラントです。保険診療の入れ歯と比べると、比較にならないほどハードルが高い治療といえるでしょう。

だからこそ、インプラントを長持ちさせるためにセルフケアは非常に重要です。また、セルフケアと共に、歯科医院での定期検診を受けることも忘れないようにしましょう。

丁寧に歯磨きをしても磨き残しは少なからずあるので、歯垢や歯石は小まめに歯科医院で除去してもらう必要があります。インプラントの状態に問題ないか、定期的に確認することもインプラントを長持ちさせるためには欠かせません。

まとめ

インプラント治療後の女性

インプラント治療が終わると、しっかりと噛めるようになり見た目も天然歯と変わらないように見えるため、油断する方は多いでしょう。

しかし、治療後はインプラントを長持ちさせるためにケアを続ける必要があります。特に、インプラントと歯茎の間は細菌が入り込みやすいので、天然歯よりもしっかりと磨きましょう。

歯磨き粉は基本的にはどのようなものでもよいですが、大きな研磨剤入りのものは避けてください。口腔内のケアについて、疑問点がある場合は歯科医師や歯科衛生士に相談しましょう。インプラント治療を検討されている方は、横浜市緑区にある歯医者「礒部歯科医院」にお気軽にご相談ください。

十日市場の歯医者|礒部歯科医院

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老後にインプラント治療を受けるデメリットとは?メリットも解説!

こんにちは。横浜市緑区にある歯医者「礒部歯科医院」です。

歯が痛い老人

インプラント治療とは失った歯を補う治療法です。高齢になるほど歯を失う可能性は高くなるでしょう。では、インプラント治療は高齢者が積極的に選ぶべき治療法なのでしょうか。

実は、必ずしもそうとは言えません。高齢になってからインプラント治療を受けることには、いくつかのデメリットがあるのです。

今回は、老後にインプラント治療を受けるデメリットについて詳しく解説します。老後に歯を失った場合のその他の治療法や、老後にインプラント治療を受けるメリットについても解説しますので、ぜひ参考にしてください。

老後に歯を失った場合の治療法

インプラントのイメージ

老後に歯を失った場合の治療法には、インプラントのほかに入れ歯やブリッジがあります。

それぞれの特徴を確認しましょう。

インプラント

インプラントとは、歯を失った箇所に人工歯根を埋入し、その上に人工歯を装着する治療法です。人工歯根は生体親和性の高いチタンでできており、顎の骨に直接埋め込みます。

インプラントは自然な見た目と噛む感覚を得られるのが特徴です。咀嚼の際に顎の骨に直接刺激が加わるので骨の退縮を防ぐ効果もあります。

インプラント治療であれば噛む力の回復につながるでしょう。また、インプラントは周囲の歯に負担をかけないので、残っている歯の保護にもつながります。

入れ歯

入れ歯には、部分入れ歯と総入れ歯があります。

部分入れ歯は、一部の歯が欠損している場合に用いられ、残っている歯に金属のバネをかけて安定させます。総入れ歯は、全ての歯が欠損している場合に用いられ、唾液によって歯茎に吸着させることで安定します。

入れ歯治療は比較的低コストで、治療期間が短いのが特徴です。また、複数の歯を失った場合でも一つの入れ歯で対応できます。

入れ歯は、全ての歯を失った場合や、インプラント・ブリッジなどの他の治療ができない場合、治療費を安く抑えたい場合などに選択されることが多いです。

ただし、違和感が生じやすい点や喋りにくくなる点などは入れ歯のデメリットといえるでしょう。

ブリッジ

ブリッジとは、欠損した歯の両隣の歯を支えにして人工歯を固定する治療法です。入れ歯と異なり、ブリッジは取り外しができません。違和感が少なく、自然な噛み心地が得られます。

ブリッジは、1本の歯を失った場合に適しており、ある程度の見た目の自然さや機能の回復に役立ちます。

ただし、失った歯の両隣の歯を土台に使用できることが条件となるため、複数の歯を失った場合や、土台として使用できる丈夫な歯がない場合は選択できません。

また、健康な歯を削る必要があり、咀嚼の際には両隣の歯に力が加わるため、残った歯の寿命が短くなる可能性があります。

老後でもインプラント治療は受けられる?

老後のインプラント治療

高齢になってからでもインプラント治療は可能です。

ただし、インプラント治療は手術を伴うため、ある程度の体力が必要な上、術後のメンテナンスが重要になります。

また、インプラント治療を受ける前に、持病や定期的な内服薬、過去の手術歴などを歯科医師に報告する必要があります。健康状態や内服薬などの詳細を歯科医師に伝え、不安なことがあればよく相談して治療を開始することが大切です。

老後にインプラント治療を受けるデメリットとは?

老後にインプラント治療を受けるデメリットイメージ

老後にインプラント治療を受けることにはいくつかのデメリットがあります。

老後にインプラント治療を受けるデメリットは、以下のとおりです。

費用がかかる

インプラントが比較的高額な治療であることはデメリットのひとつです。インプラントは保険が適用されないため全額自己負担になります。

入れ歯など保険適用の治療と比べると、多くの費用がかかるのです。特に定年退職後は収入が減少する傾向があり、インプラントの治療費が大きな負担になることがあります。

また、インプラント治療を受けると定期的なメンテナンスが必要になるため、初期費用だけでなく継続的な費用負担も発生します。

老後にインプラント治療を検討する際には、十分な貯蓄があるかどうかを考慮する必要があるでしょう。

外科手術を伴うため体力が必要になる

インプラント治療では、インプラント体を顎の骨に埋め込む外科手術が必要です。体力が低下した高齢者の場合、手術に耐えられない可能性があります。高齢で免疫力が低下している場合、傷の回復が遅れることもあるのです。

高齢になれば何らかの持病を持っている方も多いでしょう。持病をおもちの方がインプラント治療を受ける場合は、リスクが伴います。体力的に治療が難しい場合は、入れ歯などの治療の方が無理のない選択肢となるでしょう。

細菌感染のリスクが高い

高齢者は免疫力が低下しているため細菌感染を起こしやすい傾向があります。インプラント治療を受けた後は定期的なお口のケアが重要ですが、高齢者は手の震えや体力の低下からブラッシングが難しくなることがあるでしょう。

口腔ケアがおろそかになるとインプラントの周囲にプラークが蓄積し、インプラント周囲炎を発症するリスクが高まります。

要介護や認知症になったときの対応が難しい

インプラント治療後に要介護や認知症となった場合、インプラントのメンテナンスが困難になることがあります。認知症が進むとブラッシングの必要性が分からなくなるかもしれません。インプラントのぐらつきなどの異常を自覚できず、重症化する可能性もあります。

また、要介護の状態になると、インプラントのメンテナンスに通うことが難しくなるでしょう。老後の介護や認知症の可能性を考えると、インプラントは不安材料のある治療法といえます。

メンテナンスを継続する必要がある

インプラント治療後は生涯にわたって定期的なメンテナンスが必要で、毎日のブラッシングに加え、定期的に歯科医院で専門的なケアを受けることが大切です。

ところが、高齢になると歯科医院への通院が困難になったり、経済的な理由で通院できなくなったりするかもしれません。

老後にインプラント治療を受けるメリット

インプラントでしっかり食事を噛めるイメージ

老後にインプラント治療を受けるデメリットについて解説しましたが、もちろんメリットもあります。

老後にインプラント治療を受けるメリットは、以下のとおりです。

しっかり噛める

老後は歯を失うことが多く、噛む力が弱まる傾向にあります。噛む力が弱まることで食べられる食品が制限されると、健康にも影響を与えます。

インプラントにすると天然の歯と同じように噛めるようになり、天然歯の7~9割程度の咬合力を回復できると言われています。しっかり噛む力が戻ることで、硬い食べ物も食べられるようになるのです。

認知症のリスクを下げられる

噛むことによって脳に刺激が伝わります。インプラントによって咀嚼機能が回復すると、脳に刺激が伝わり、認知症のリスクを下げる効果を期待できるのです。

インプラントは天然の歯のようにしっかり噛むことができるため、入れ歯などに比べて脳への刺激効果は大きいと考えられます。インプラントは老後の健康長寿に役立つ可能性があるのです。

誤嚥性肺炎を予防できる

高齢になると誤嚥(ごえん)しやすくなります。誤嚥とは食べ物や唾液などが誤って気管に入ってしまうことです。食べ物や唾液が気管に入ると誤嚥性肺炎を引き起こすリスクがあります。

インプラントによって咀嚼機能が回復すると食べ物をしっかり噛めるようになるため誤嚥しにくくなるでしょう。

外見を若々しく保てる

インプラントは天然の歯に近い色合いや透明感を再現できるので、見た目の印象を若々しく保つことができます。インプラントなら歯並びもきれいになるため、前向きな気持ちで過ごすことができ、外見の若々しさにつながります。

コミュニケーションが円滑になる

インプラント治療を受けることで笑顔が増え、表情が明るくなるでしょう。インプラントはしっかり固定されているので、口を大きく開けて笑うことができるのです。楽しく会話をすることは脳の活性化にもつながります。

インプラントはコミュニケーションを円滑にしてくれるでしょう。

まとめ

笑顔の老人

今回は、老後にインプラント治療を受けるデメリットについて詳しく解説しました。

老後でもインプラント治療を受けることはできますが、いくつかの条件があります。手術に耐えられる体力があることや治療費を支払える経済的な余裕があることなどです。

また、インプラントをトラブルなく使い続けるためには、定期的にメンテナンスを受ける必要があります。老後にインプラント治療を選択する際は、定期的にメンテナンスを受けられるかどうかを十分に考慮することが大切です。

定期的にメンテナンスを受けられるのであれば大きなメリットが得られます。しっかり噛めるようになるため食事を楽しむことができ、コミュニケーションも円滑になるでしょう。

インプラント治療を検討されている方は、横浜市緑区にある歯医者「礒部歯科医院」にお気軽にご相談ください。

十日市場の歯医者|礒部歯科医院

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インプラントに保証はある?保証を受けるための条件を解説!

こんにちは。横浜市緑区にある歯医者「礒部歯科医院」です。

インプラントの保証イメージ

インプラントは、歯を失った箇所に金属製の歯根を埋め込み、その上から人口の歯を装着する治療法です。インプラントは自分の歯と同様に扱うことができ、審美性にも優れているという特徴があります。

しかし、インプラント治療は高額になるため、トラブルが起こった際の金銭面が不安になる方も多いでしょう。

ここでは、インプラントの保証について解説します。インプラント治療中の方やインプラント治療を検討されている方は、ぜひ参考にしてください。

インプラントの寿命

インプラントの寿命イメージ

インプラントの寿命は10~15年程度です。寿命とはインプラントが抜け落ちるまでの年数を指し、10~15年経過しても9割のインプラントが生存していると調査結果でわかっています。

ブリッジは7年前後、入れ歯は5年ほどといわれているため、インプラントの寿命は他の治療法に比べると非常に長いといえます。

インプラントの費用は自費なので高額になりますが、長期間使用できることを考慮するとメリットは大きいといえるでしょう。

インプラントに保証はある?

インプラントに保証はあるか考える男性

インプラントには安心して治療を受けられるように、保証があります。

インプラントのメーカーや歯科医院ごとにさまざまな保証が設けられており、保証期間は5~10年で設定されていることが多いです。つまり、インプラントが寿命を迎える前に何らかのトラブルが起こっても、保証を受けられる可能性があります。

保障内容は、歯科医院やインプラントのメーカーごとに異なります。いずれにしても、インプラントの脱落や破損時に、無償もしくは減額で新しいインプラントへ交換できるという内容のものが多いです。

ただし、インプラント埋入後の年数によって負担額が変わる場合もあれば、インプラント体と人工歯で保証期間が異なる場合もあります。

すべての歯科医院やメーカーが同じ保証内容というわけではないため、契約時には保証内容を確認することが大切です。インプラントの寿命は長いですが、万が一に備えて保証制度が整っている歯科医院を選ぶようにしましょう。

インプラントの保証を受けるための条件

インプラントの保証を受けるための条件リスト

インプラントの保証を受けるためには、さまざまな条件があります。歯科医院ごとに定められている条件は異なりますが、以下のような条件を設けていることが多いです。

インプラント治療をした歯科医院で再手術を受ける

インプラントの保証を受けるためには、インプラント治療を受けた歯科医院で再手術を受ける必要があります。他の歯科医院では保証が適用されないため、注意が必要です。

日常生活の範囲内でのトラブルで破損・脱落した場合

食事など日常生活の中でインプラントの破損や脱落が起こった場合は、保証の対象になります。

しかし、故意や過失によってインプラントが破損・脱落した場合は保証の対象外になる可能性があるため注意しなければなりません。

定期的にメンテナンスを受けている

インプラント治療後は、定期的なメンテナンスが必要です。定期的にメンテナンスを受けることでインプラントを長持ちさせることができ、インプラント周囲炎の予防にもなります。

定期的なメンテナンスを怠るとインプラントが脱落するリスクが高まり、保証の対象から外れる可能性があるのです。

禁煙指示に従っている

喫煙しているとニコチンによって歯茎の健康が害され、インプラントが脱落するリスクが高まります。そのため、インプラント治療では禁煙が推奨されているのです。

歯科医師から禁煙指示を受けたにも関わらず喫煙を続けてインプラントが脱落した場合は、保証を受けられません。

インプラントの保証に関して確認すること

インプラントの保証に関して確認することを説明

インプラントの保証内容は歯科医院ごとに異なります。そのため、保証内容をしっかり確認してから契約することが大切です。

契約をする前に、以下の点について確認しましょう。

保証範囲

インプラントは、インプラント体・人工歯・アバットメントの3つの部品で構成されています。この3つの部品のどこまでが保証範囲になるのか確認が必要です。

3つの部品全てを保証範囲に設定している歯科医院もありますが、人工歯の装着は自己負担になる歯科医院もあります。

インプラント体やアバットメントは歯茎に埋まっているため、人工歯に比べると破損や劣化する確率は低いといえます。人工歯は破損や劣化する確率が高いため、保証範囲に含まれている方が安心でしょう。

保証期間

インプラントの保証期間は、歯科医院ごとに異なります。保証期間を10年に設定している歯科医院が多いですが、5年以降は有償保証になるなど年数によって負担額が変わることもあるのです。

また、保証期間の開始日の設定も異なるため、保証期間と併せて確認しておきましょう。インプラント体を埋入した直後から保証が開始するケースもあれば、人工歯の装着後から保証が開始するケースもあります。

保証の回数

保証の回数の上限も歯科医院ごとに設定が異なります。保証期間内であれば何度でも再治療を受けられるという回数無制限の歯科医院もあれば、保証による再治療は一度のみなど回数に制限がある場合もあります。

インプラントは丈夫なので何度も再治療を受けることは少ないですが、万が一のために確認しておくべきでしょう。

費用

インプラントの保証は、無償と有償の2種類があります。

無償保証はインプラント治療費に含まれていますが、より手厚い保証を受けられるようにしたい場合には、オプションとして有償保証を付けることになります。有償保証は治療費に含まれていないため、別途支払いが必要です。

無償保証と有償保証では保証限度額や保証回数が異なるなど、保証内容に違いがあります。有償保証の内容も含めて確認し、自分に必要な保障内容について検討してみてください。

インプラントを長く使い続ける方法

歯磨きする女性

インプラントを長く使い続けるためには、日頃からの心がけが大切です。

インプラントを長く使い続けるためにできるセルフケアは、以下の通りです。

毎日綺麗に歯を磨く

ご自身の歯も同様ですが、インプラントも毎日しっかりとお手入れを行っていれば長持ちさせることができます。

毎日の手入れがしっかりできていなければ「インプラント周囲炎」を招く可能性があります。インプラント周囲炎は、天然歯の歯周病に相当するものです。毎日の歯磨きを丁寧に行い、食べ物などの汚れを綺麗に落としましょう。

定期的に歯科医院でメンテナンスを受ける

インプラント治療後も定期的に歯科医院へ通い、メンテナンスを受けることが大切です。

歯科医院では、セルフケアだけでは落としきれない汚れを専門器具で除去してもらえます。歯科医院でクリーニングを受けることで虫歯や歯周病、インプラント周囲炎の予防になるため、インプラントを長持ちさせるうえでも重要といえるでしょう。

また、定期的に通院して口腔内の状態を歯科医師に確認してもらうことも重要です。何らかのトラブルがあったとしても早急に治療を受けることが、インプラントの寿命を延ばすことにつながるのです。

歯ぎしり・食いしばりを改善する

歯ぎしり・食いしばりは、インプラント治療によって被せた人工歯に大きな負担をかけます。人工歯に負担がかかり続けると、破損を引き起こす可能性があるのです。

歯ぎしり・食いしばりは無意識のうちに行ってしまうことが多いため、改善したほうがよいでしょう。ご自身での改善が難しい場合には、歯科医院で相談することを推奨します。

喫煙を避ける

タバコに含まれるニコチンは歯茎の血管を収縮し、歯茎の健康状態を低下させます。歯茎が不健康になれば、インプラントが脱落するリスクが高まるのです。また、細菌感染も起こりやすくなり、歯周病などのトラブルを引き起こす原因になります。

インプラントの寿命を縮めないためにも、喫煙は避けましょう。

まとめ

インプラントのイメージ

今回は、インプラントの保証について解説しました。

インプラントには保証があるため安心して治療を受けられますが、保証内容や保証条件は歯科医院ごとに異なります。保証期間や回数、保証範囲はしっかり確認してから契約しましょう。

また、保証に頼るのではなく、日頃からインプラントが長持ちするように心がけることも大切です。毎日の歯磨きと歯科医院への定期的な通院で、できるだけ長くインプラントが生存するようにケアを行いましょう。

インプラント治療を検討されている方は、横浜市緑区にある歯医者「礒部歯科医院」にお気軽にご相談ください。

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