歯ぎしりは歯医者に相談するべき?治療内容・費用・考えられる原因

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歯ぎしりは歯医者に相談するべき?治療内容・費用・考えられる原因

こんにちは。横浜市緑区にある歯医者「礒部歯科医院」です。

歯ぎしりを歯医者へ相談している女性

カチカチ、ギリギリと不快な音を立てながら、無意識のうちに歯を擦り合わせることを、歯ぎしりと言います。睡眠中や、日中にストレスを感じた時、集中している時に起こることが多く、歯科用語ではブラキシズムと呼びます。

放置すると、歯の摩耗や欠損、顎関節症、頭痛、肩こりなど様々な症状を引き起こす可能性があります。 気づかないうちに悪化することも多いため、早めの対策が大切です。

本記事では、歯ぎしりの治療内容や費用、考えられる原因について解説します。歯ぎしりでお悩みの方は、ぜひ参考にしてみてください。

歯ぎしりは歯医者に相談するべき?

歯ぎしりによって顎が痛む男性

歯ぎしりの影響は、歯や顎関節だけにとどまりません。頭痛や肩こりなど、全身に及ぶこともあります。自覚症状がないまま悪化することも多いため、早期発見・早期対策が非常に重要です。

そのため、歯ぎしりを自覚している場合、もしくはご家族や友人などに指摘された場合、歯医者に相談するべきと言えるでしょう。

歯ぎしりが与える影響

一時的な歯ぎしりであれば大きな問題にはなりませんが、長期的に継続すると歯や顎関節に深刻なダメージを与えます。初期段階であれば、生活習慣の改善やマウスピースの使用などのセルフケアである程度抑制できる場合もあるでしょう。

しかし、重度の歯ぎしりには歯科医師による専門的な治療が不可欠です。以下のような症状がある場合は、速やかに歯医者に相談してください。

  • 歯の痛みや違和感を感じる
  • 噛み合わせが変化した
  • 顎の痛みや雑音
  • 頭痛や肩こりが慢性化している

歯ぎしりによる過度な力が歯に加わることで、歯の痛みや違和感が発生することがあります。放置すると、歯の磨耗や亀裂、欠損などに繋がる可能性があります。歯が磨耗すると、上下の歯の接触関係が変化します。噛み合わせが変わった場合、歯ぎしりが原因かもしれません。

また、歯ぎしりは顎関節に大きな負担をかけます。顎の痛みや開口時の雑音は、顎関節症の症状である可能性があります。顎周辺の筋肉にも過度な緊張を与えるため、頭痛や肩こりが慢性的に続くこともあるでしょう。

症状が軽度であっても、早めに歯医者に相談することで重症化を防げます。

歯医者での歯ぎしりの治療内容

歯ぎしりの治療法であるマウスピース療法のイメージ

歯ぎしりの治療は、原因や症状に応じて様々な方法が用いられます。代表的な治療法には、マウスピース療法と咬み合わせ治療があります。

歯ぎしりの治療法は、原因や症状、患者さまの状態によって異なります。歯科医師が口腔内の状態を入念に診察し、患者さまの生活習慣なども考慮した上で選択します。治療法の選択に迷ったら、遠慮なく歯科医師に相談しましょう。

それぞれの特徴や効果について見ていきましょう。

マウスピース(スプリント)療法

歯ぎしりの代表的な治療法が、マウスピース(スプリント)の使用です。歯列に装着することで、歯ぎしりの力を分散・緩和し、歯や顎関節への負担を軽減します。特に夜間の歯ぎしりに効果的で、睡眠の質の向上にも繋がるでしょう。

マウスピースには、大きく分けて既製品とオーダーメイドの2種類があります。既製品はドラッグストアなどで購入でき、安価です。熱湯で軟化させたマウスピースを、歯列に合わせて装着します。手軽に始められる反面、フィット感や耐久性が劣ります。

オーダーメイドのマウスピースは、歯科医師が患者さまの歯型を取って作製するため、ピッタリとフィットします。また、硬度や厚みなどを調整できるため、重度の歯ぎしりにも対応可能です。耐久性も高く、長期的な使用も可能ですが、費用は既製品に比べて高いです。

咬み合わせ治療

歯ぎしりの原因の一つに、上下の歯の噛み合わせの異常が挙げられます。歯並びが乱れていたり、歯が欠損していたりすると、正しい咬み合わせが得られません。その結果、無意識のうちに噛み合わせを修正しようとして、歯ぎしりが起こるのです。

こうした場合、矯正治療や補綴治療により、正しい咬み合わせに改善することで歯ぎしりの軽減が期待できます。

薬物療法

歯ぎしりの原因がストレスや睡眠障害である場合、一時的に筋弛緩剤などの薬を処方することがあります。筋肉の緊張を緩和し、歯ぎしりの頻度や強度を減らす効果が期待できます。

ただし、薬物療法はあくまで対症療法であり、根本的な解決にはなりません。また、長期的な使用は副作用の恐れもあるため、医師の指示に従って適切に使用することが重要です。

多くの場合、薬物療法は他の治療法(マウスピース療法や咬み合わせ治療など)と組み合わせて行われます。

歯医者での歯ぎしりの治療費用

歯医者での歯ぎしりの治療費用イメージ

歯ぎしりの治療費用は、治療内容によって大きく異なります。マウスピース療法と咬み合わせ治療の費用の目安や、保険適用の有無、医療費控除について解説します。

また、歯ぎしりの治療費用は、治療内容によって大きく異なります。以下に、代表的な治療の費用目安を示します。

マウスピース療法の費用

マウスピースの費用は、既製品とオーダーメイドで大きく異なります。既製品は数千円~1万円程度と安価ですが、フィット感や耐久性に劣ります。オーダーメイドのマウスピースは5万円~15万円程度と高額ですが、フィット感や耐久性に優れ効果も高いです。

長期的な使用を考えると、オーダーメイドのマウスピースへの投資は決して無駄ではありません。費用対効果を考慮し、患者さまの状態に合わせて選択することが重要です。

咬み合わせ治療の費用

咬み合わせ治療の費用は、治療内容や期間によって大きく異なります。矯正治療の場合、使用する装置の種類や治療期間によって費用が大きく変動します。一般的には30万円~100万円程度が目安です。

補綴治療の場合、詰め物か被せ物か、素材は何かなどで価格が左右されます。一般的には1歯あたり数万円~数十万円程度でしょう。

咬み合わせ治療は、歯ぎしりの根本的な原因を取り除くことができる点で優れていますが、費用が高額になることが多いです。治療計画と費用については、事前に歯科医師とよく相談することが大切です。

保険適用と医療費控除

歯ぎしりの治療は、原則的に自由診療になります。保険が適用されるのは、外傷や腫瘍などが原因で、顎の骨を1/3以上失った場合などに限られます。

ただし、医療費控除を利用すれば、支払った医療費の一部が戻ってくる場合があります。医療費控除とは、1年間に支払った医療費が一定額を超えた場合、超過分について所得税が還付される制度です。

歯ぎしりの治療を検討している方は、歯科医院の無料カウンセリングなどを活用して費用も相談してみましょう。支払い方法や分割払いの可否なども含めて、事前に十分に確認しておくことが大切です。

歯ぎしりの考えられる原因

ストレスガ原因で歯ぎしりをしている女性

歯ぎしりの原因は多岐にわたりますが、大きく分けてストレス、咬み合わせの異常、睡眠障害、生活習慣の4つが考えられます。それぞれの原因について詳しく見ていきましょう。

歯ぎしりの原因は人によって異なり、複数の要因が絡み合っていることも少なくありません。自分では原因を特定しづらいため、歯科医師に相談して適切な治療方針を立てることが大切です。

ストレス

仕事や人間関係、将来への不安などのストレスは、歯ぎしりの大きな原因の一つです。無意識のうちに歯を食いしばったり、噛みしめたりしてしまいます。

咬み合わせの異常

歯並びの乱れや歯の欠損があると、上下の歯が正しく噛み合わなくなります。その結果、無意識のうちに噛み合わせを修正しようとして、歯ぎしりが起こります。

睡眠障害

睡眠時無呼吸症候群などの睡眠障害は、睡眠中の歯ぎしりを引き起こす可能性があります。質の良い睡眠が取れていないことが、歯ぎしりの原因になっているかもしれません。

生活習慣

喫煙や飲酒、カフェインの過剰摂取などの生活習慣も、歯ぎしりのリスクを高めます。刺激物の摂取は、交感神経を優位にし、筋肉の緊張を高める作用があるためです。

歯ぎしりのセルフケア方法

歯ぎしりを改善しようとジョギングをしている女性

歯ぎしりの根本的な解決には歯科医師による専門的な治療が欠かせませんが、日常生活でできるセルフケアを併用すれば症状の改善や予防に繋がります。ストレス管理として、リラックスできる趣味や運動を取り入れたり、十分な睡眠を心がけたりすることが大切です。

また、喫煙や飲酒、カフェインの過剰摂取は、歯ぎしりのリスクを高めます。これらを控えることも効果的でしょう。

マウスピースの使用もセルフケアの一つです。歯科医師に作ってもらうオーダーメイドのマウスピースが理想ですが、既製品でも歯ぎしりの力を緩和する効果があります。

ただし、セルフケアはあくまで補助的な役割であり、重度の歯ぎしりの場合は歯科医師による治療を優先することが大切です。症状が気になる方は早めに歯医者に相談し、適切な治療を受けましょう。

まとめ

歯ぎしりが改善されてぐっすり眠っている女性

歯ぎしりは、放置すると歯や顎関節に大きな負担をかけ様々な症状を引き起こします。重度の場合は、歯科医師による専門的な治療が必要です。

歯ぎしりの代表的な治療は、マウスピース療法と咬み合わせ治療です。ストレスや睡眠障害が原因の場合は、薬物療法を併用することもあります。治療費用は自由診療になることがほとんどですが、医療費控除を利用できる場合もあります。

歯ぎしりの原因は、ストレスや咬み合わせの異常、睡眠障害、生活習慣など様々です。セルフケアを心がけることで症状の改善や予防に繋がりますが、根本的な解決には歯科医師による治療が欠かせません。

歯ぎしりでお悩みの方は、早めに歯医者に相談しましょう。適切な治療を受けることで、歯や顎関節への負担を軽減し、健康的な口腔環境を取り戻せます。

歯ぎしりの治療を検討されている方は、横浜市緑区にある歯医者「礒部歯科医院」にお気軽にご相談ください。

当院は、虫歯・歯周病治療、インプラント、小児歯科、ホワイトニングなど、さまざまな診療に力を入れています。診療案内ページはこちらネット診療予約も受け付けておりますので、ぜひご活用ください。

十日市場の歯医者|礒部歯科医院

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インプラント治療後に口臭がきつくなる原因と対策!

こんにちは。横浜市緑区にある歯医者「礒部歯科医院」です。

インプラントの歯の模型を持って笑う女性

インプラント治療後に口臭がきつくなる原因は、インプラント周囲炎や磨き残し、ネジが緩んでいることなどが挙げられます。

今回は、インプラント治療後に口臭がきつくなる原因やインプラント治療後の口臭対策などをご紹介します。ぜひ本記事を参考に、インプラント治療後に口臭がきつくならないように対策しましょう。

インプラント治療後に口臭がきつくなる原因

マスクを外して口臭を気にする女性

インプラント治療後に口臭がきつくなる主な原因は、以下のとおりです。

  • 磨き残しがある
  • 口内が乾燥している
  • インプラント周囲炎になっている
  • 虫歯や歯周病になっている
  • ネジが緩んでいる

それぞれ解説します。

磨き残しがある

インプラント治療後に口臭がきつくなる原因として、磨き残しが挙げられます。

インプラント治療とは、顎の骨に人工歯根を埋め込んで人工歯を装着する治療法です。インプラントを埋め込むことでインプラント部分に段差ができるので、食べかすや歯垢が付着しやすくなります。食べかすや歯垢は、口臭の原因となるでしょう。

ふだんから入念にブラッシングすることはもちろん、定期的に歯科医院でクリーニングを受けることで、口臭対策につながります。

口内が乾燥している

インプラント治療後、一時的に唾液の分泌量が減少することがあります。唾液には自浄作用があり、口内を清潔に保つ役割を果たしているので、分泌量が減少すると口内環境が悪くなるでしょう。

細菌が増加することで、口臭がきつくなることがあります。

インプラント周囲炎になっている

インプラント周囲炎も、口臭がきつくなる原因です。インプラント周囲炎とは、インプラント周囲の歯茎が炎症を起こす疾患です。

症状が悪化すると炎症が骨まで達し、インプラントが抜け落ちるリスクもあります。口臭の原因となるガスを発生するので、インプラント治療後に口臭がきつくなったと感じたらなるべく早く歯科医院を受診しましょう。

虫歯や歯周病になっている

虫歯や歯周病は、口臭がきつくなる原因です。インプラント治療では歯茎を切開するなど、外科治療を行います。傷が痛み、うまく歯磨きができないこともあるでしょう。

インプラント治療直後は問題なくても、メンテナンスを受けていなければ口内やインプラント周囲に汚れが蓄積されます。

口内を清潔に保てなかった場合、虫歯や歯周病のリスクが高まり、口臭が悪化することがあるでしょう。

ネジが緩んでいる

インプラントのネジが緩んでいると、すき間に食べかすや歯垢が入り込み、口臭の原因となります。インプラントは基本的に、人工歯(被せ部分)、アバットメント(人工歯とインプラントの接続部分)、インプラント体(人工歯根)の3つのパーツで構成されます。

人工歯とインプラント体を接続するアバットメントが緩むと、すき間に食べかすなどが入り込むでしょう。口臭の原因となるので、ネジを締めなおす必要があります。インプラント治療時はしっかりと締まっていても、時間が経つと緩むケースもあるので注意してください。

インプラントの噛み合わせによってネジが緩んだ場合は、顎関節症や人工歯の破折などの原因となる可能性があります。噛み合わせに問題がないかは、歯科医院で定期的にチェックしてもらいましょう。

口臭のチェック方法

口臭を気にして口元に手を当てる

口臭のチェック方法は、以下のとおりです。

  • 袋を使用する
  • 口臭測定器を使う
  • 舌の汚れを確認する

それぞれ解説します。

袋を使用する

袋を使用して簡単に口臭をチェックできます。

できるだけ小さい袋を用意して息を吹き込み、袋を鼻に当ててにおいを嗅ぎましょう。くさいと感じる場合は口臭がきつくなっているので、対処する必要があるでしょう。

袋以外にもコップなどでにおいを確認できます。花粉症や鼻炎などで鼻が詰まっている場合はにおいを感じにくいので、ほかの人に口臭をチェックしてもらうとよいでしょう。

口臭測定器を使う

口臭測定器を使用することで、数値で口臭をチェックすることが可能です。自分の感覚だけでなく客観的な数値を知れるので、確実に口臭の確認ができます。

口臭測定器では、口臭の原因となるメチルメルカプタンや、ジメチルサルファイド、硫化水素を測定するのが一般的です。商品によって異なりますが、数千円から市販されているので、口臭が気になる方は購入して定期的に確認しましょう。

舌の汚れを確認する

舌の汚れが口臭の原因となっている可能性もあるので、舌の汚れを確認しましょう。一般的に舌はピンク色ですが、舌に汚れが付着していると白い状態になります。舌が白い状態になっていると、口臭がきつくなっているといえるでしょう。

舌の白い汚れは舌苔とよばれる細菌の集まりです。歯周病菌も潜んでいるので、定期的に舌の汚れを除去しましょう。舌を清潔にすることは、口臭予防はもちろん、インプラント周囲炎や歯周病の予防にも効果的です。

インプラント治療後の口臭対策

口の前に手を当てる女性

インプラント治療後の口臭対策は、以下の3つです。

  • 正しくブラッシングする
  • インプラント周囲炎を治療する
  • 定期的にメンテナンスを受ける

それぞれ解説します。

正しくブラッシングする

インプラント治療後に口臭が気になる場合は、正しくブラッシングできていない可能性が高いです。インプラントは3つのパーツから構成されているため、天然歯よりも磨きにくいのです。

ブラッシングを行う際は、歯の表面はもちろん、歯と歯茎の間や裏側も入念に磨きましょう。歯ブラシだけでは磨きにくい部分がある場合は、タフトブラシを使用してください。

タフトブラシは、細かい部分のブラッシングに向いています。ほかにも、デンタルフロスや歯間ブラシなどを使用することで、効率よくケアをすることが可能です。

インプラント周囲炎を治療する

インプラント周囲炎によって口臭がきつくなっている場合は、早急にインプラント周囲炎の治療を行いましょう。インプラント周囲炎を放置すると、口臭がさらにきつくなるのはもちろん、インプラントが抜け落ちるリスクが高まります。

治療後に、インプラントの周囲が出血する場合や赤くなっている場合は、インプラント周囲炎の可能性が高いです。早急に歯科医院で治療を受けましょう。

定期的にメンテナンスを受ける

定期的に歯科医院でメンテナンスを受けることは、インプラント治療後の口臭対策になります。どんなに入念にケアをしていても、セルフケアだけでは落とせない汚れがあります。定期的にメンテナンスを受けて、専用の機器を使用して汚れや歯垢を取り除いてもらいましょう。

虫歯や歯周病、インプラント周囲炎などの早期発見にもつながるので、口内のトラブルを予防することにもつながります。最低でも半年に1回はメンテナンスを受けましょう。

まとめ

口臭を手に当てて確認する女性

今回は、インプラント治療後に口臭がきつくなる原因を解説しました。口臭のチェック方法やインプラント治療後の口臭対策をご紹介したので、ぜひ参考にしてください。

インプラント治療後に口臭がきつくなる原因は、インプラント周囲炎や虫歯・歯周病になっていること、磨き残しがあること、ネジが緩んでいることなどが挙げられます。ご紹介した口臭のチェック方法を定期的に行うことで、口臭がきつくなる前に対応できるでしょう。

インプラント治療後は正しくブラッシングを行い、定期的にメンテナンスを受けて口内を清潔に保つことが重要です。今回の記事を参考に、インプラント治療後に口臭がきつくならないように対策してください。

インプラント治療を検討されている方は、横浜市緑区にある歯医者「礒部歯科医院」にお気軽にご相談ください。

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インプラント治療後に起こり得る後遺症!リスクの高い方とは?

こんにちは。横浜市緑区にある歯医者「礒部歯科医院」です。

インプラントの歯の模型を持って見せる男性歯科医師

インプラントは、自分の歯のようにしっかり噛むことができ、美しい見た目が手に入ることが最大のメリットです。

しかし、麻酔を伴う外科手術が必要になるため、後遺症が残るリスクがあることも事実です。

今回は、インプラント治療後に起こり得る後遺症やリスクが高い方について解説します。信頼できる歯科医院の選び方もご紹介しますので、ぜひ参考にしてください。

インプラント治療後に後遺症が残ることはある?

顎に手を当てて考えるメガネの男性

インプラント治療とは、歯を失った部分にインプラントを埋め込むことで、歯を補う治療法です。インプラントには人体に害の出にくいチタンを使用するため、金属アレルギーや炎症のリスクが低いなど、インプラント治療は安全性が高いといわれています。

しかし、細菌感染を引き起こすリスクやインプラントを埋め込む位置のミスによる神経・血管を傷つけるリスク、鼻の横にある上顎洞(じょうがくどう)へのインプラントの迷入のリスクなどがあります。

安全性が高いとされていても、絶対に成功すると断言できる治療や手術はありません。インプラント治療は麻酔を伴う外科手術が必要になることから、稀ではありますが後遺症が残ることがあるのです。

治療前に、レントゲンやCT撮影などの精密検査をしっかり行い、インプラントの埋入位置をきちんと把握していれば、後遺症が残るリスクは避けられます。細菌感染のリスクは、歯科医院の衛生管理が徹底されていれば低減されるでしょう。

インプラント治療を安全に進め、後遺症のリスクを避けるには、インプラント治療を受ける歯科医院を慎重に選ぶことが大切です。

インプラント治療のリスクが高い方とは?

倒れるジェンガを支える男性

インプラント治療は麻酔を伴う外科手術が必要になるため、治療を受けられないことがあります。インプラント治療のリスクが高い方は、以下のとおりです。

糖尿病の方

健康な方に比べると、糖尿病の方は免疫力が低いです。そのため、インプラント治療後に細菌に感染するリスクが高いといわれています。インプラント治療後の治りが遅い場合や、細菌感染によってインプラントが結合しない場合があるでしょう。

糖尿病を患っていても、服薬によって血糖値のコントロールができていればインプラントの治療は可能です。糖尿病の方でインプラント治療を検討している場合は、まずはかかりつけ医に相談しましょう。

骨粗しょう症の方

骨粗しょう症とは、加齢やホルモンバランスなどによって骨密度が低下し、骨がもろくなる病気です。インプラント治療では、歯の代わりになるインプラントを顎の骨に埋め込みます。支えとなる顎の骨がもろいと、インプラント治療のリスクが高まります。

内服している薬の種類によっては、細菌感染のリスクが高まる、骨が壊死しやすくなるなど、治療を受けられないこともあるでしょう。

高血圧の方

インプラント治療は外科手術が必要になるため、高血圧の場合、手術のストレスによって血圧が高くなり、出血が止まらなくなるリスクがあります。血圧が上昇することで。心筋梗塞や脳梗塞などの後遺症のリスクも高まるでしょう。

糖尿病と同じく、服薬によって血圧がコントロールできていればインプラントの治療が可能です。高血圧の方でインプラント治療を検討している場合、まずはかかりつけ医に相談しましょう。

心疾患のある方

心筋梗塞などの心疾患がある場合、血液をサラサラにして血流をよくする薬を服用していることがあるでしょう。血流をよくする薬を服用している方がインプラント治療を受けると、出血がなかなか止まらない可能性があります。

妊娠中の方

インプラント治療では、レントゲンやCT撮影などの精密検査を受け、麻酔を行って手術をします。術後には痛み止めや抗生物質などの服薬が必要です。

レントゲンや麻酔、服薬による胎児への影響が考えられるため、妊娠中の方はインプラント治療は避けたほうがよいでしょう。

喫煙習慣のある方

喫煙習慣のある方は、インプラントが長持ちしにくい傾向にあります。タバコに含まれるニコチンには、血管を収縮させる作用があるためです。血の巡りが悪くなることで、傷の治りが遅れる、インプラントと顎の骨が結合しにくくなるといわれています。

喫煙習慣のある方は、インプラントのぐらつきや抜け落ちの原因になる「インプラント周囲炎」にかかりやすいため、禁煙するとよいでしょう。

インプラント治療後に起こり得る後遺症

歯科医院で歯を抑える女性患者

インプラント治療後に起こり得る4つの後遺症を解説します。

神経麻痺や大量出血

下顎には、顔の神経や血管がある下歯槽管(かしそうかん)が通っています。インプラント治療では顎の骨に穴をあけてインプラントを埋入するため、インプラントを埋入する角度や深さを誤ると、下歯槽管を傷つけてしまいます。

下歯槽管を傷つけることで、大量出血や、唇や舌・顔が麻痺するなどの後遺症が残ることがあります。顔や口周りに麻痺出た場合、治るには長い期間が必要になる場合もあるでしょう。麻痺が残ったまま、治癒しない可能性も否定できません。

副鼻腔炎

上の奥歯にインプラントを埋め込む場合、インプラントを埋入する角度や深さを誤ると、鼻の横にある上顎洞(じょうがくどう)を突き破ることがあります。副鼻腔炎になると、鼻詰まりや頭痛、鼻や歯茎の痛みなどの後遺症が出ることがあります。。

上顎洞の周りは骨が薄いため、インプラントを迷入する可能性がないとは言い切れません。インプラント治療前の精密検査によって避けられるリスクなので、しっかりと検査を行ってくれる歯科医院を選択しましょう。

インプラントのぐらつき・抜け落ち

インプラントの手術の際、細菌に感染すると、治療部位に腫れや痛みの症状が出ることがあります。インプラントと顎の骨が結合しないこともあるでしょう。

インプラントと顎の骨がうまく結合しても、治療後のケアが不十分な場合や喫煙によってインプラント周囲炎になり、インプラントが抜け落ちることもあります。インプラント治療後は、定期的なケアが欠かせません。

顎関節症、肩こり、頭痛

インプラントの治療後、お口の中だけでなく、全身の健康状態が悪くなることがあります。インプラントの上に作った上部構造(被せ物)の高さが不適切なことで、全体の噛み合わせが悪くなったことが原因です。

噛み合わせが悪くなると、歯だけでなく顎関節に負担がかかり、顎関節を引き起こすおそれがあります。顎関節は頭や首、肩にもつながっているため、肩こりや頭痛、めまいなどの症状が出ることもあるでしょう。

噛み合わせを調整することで改善できることが多いですが、インプラントの埋入に問題がある場合は、治療をやり直す必要があります。

インプラント治療後に後遺症が残ったらどうしたらいい?

顎に手を当てて考える女性

インプラント治療後に神経の麻痺や副鼻腔炎などの後遺症が残った場合、まずはインプラント治療を受けた歯科医院に相談しましょう。インプラント治療は自費診療なので、インプラント治療のトラブルや再治療、被せ物などに対して保証がついていることが多いです。

インプラント治療後に何か不具合がある場合、なるべく早く歯科医院を受診してください。保証期間や保証内容は歯科医院によって異なるため、事前に確認しましょう。

インプラント治療を受けた歯科医院だけでなく、ほかの歯科医師の意見を聞きたい場合は、セカンドオピニオンを利用してもよいでしょう。第三者の目線からインプラント治療を判断してもらうことで、患者様の疑問点を解消できるかもしれません。

セカンドオピニオンを受けたい場合は、治療を受けた歯科医院で紹介状を用意してもらってほかの歯科医院を訪れましょう。

信頼できる歯科医院の選び方

歯科医院でカウンセリングを受ける女性

インプラント治療のリスクや後遺症を避けるには、安全にインプラント治療を受けられる歯科医院を見極めることが大切です。信頼できる歯科医院を選ぶ5つのポイントを解説します。

インプラントの治療実績が豊富か

インプラントは、高度な技術と豊富な経験が必要な治療です。

インプラント治療を安全に受けるには、インプラント治療の実績が豊富な歯科医院を選びましょう。ホームページなどで、実際の症例や歯科医師の経歴などを確認してください。

歯科医院の設備は整っているか

インプラント治療後の後遺症を避けるには、精密検査と衛生管理が非常に重要です。

歯科医院の設備が整っているか確認しましょう。特に、顎の骨の厚みやインプラントの埋入位置を把握するためのCTスキャンは欠かせません。レントゲンやCTスキャンなど精密検査の設備は整っているか、手術は個室で行われるか、器具は滅菌されているかなど、ホームページ上でも確認できることが多いため、チェックしてください。

十分な説明があったか

どのような治療でも、メリットだけなくデメリットやリスクが存在します。治療前のカウンセリングで、リスクやデメリットについての説明が行われる歯科医院を選びましょう。

費用が安すぎないか

インプラントのメーカーは国内外に数多くありますが、インプラント1本の費用は300,000~400,000円が相場です。

しかし、インプラント治療は自費診療で歯科医院が自由に設定できるため、1本100,000円など相場を大きく下回る歯科医院もあります。マイナーなインプラントメーカーで耐久性に問題がある場合や、アフターケアが不十分な場合、歯科医院の設備が整っていない場合など、インプラントの費用が安すぎるには理由があります。

インプラント治療を安全に受けるには、費用の相場を理解し、安いインプラントを謳っている歯科医院を避けるとよいでしょう。

アフターケアが充実しているか

インプラント治療後は、定期的なケアは欠かせません。

インプラント治療後のケアが不十分な場合、インプラントのぐらつきや抜け落ちの原因になる、インプラント周囲炎になるリスクが高いといわれています。インプラント治療だけでなく、インプラントの治療後のアフターケアにも力を入れている歯科医院を選ぶとよいでしょう。

まとめ

インプラントの模型を持って笑う女性医師

インプラントは安全性が高いといわれている治療ですが、外科手術を伴います。神経や血管を傷つける、上顎洞の炎症を引き起こすなど、後遺症が残ることがあります。

インプラント治療前にレントゲンやCT撮影などの精密検査をしっかり行い、インプラントの埋入位置をきちんと把握することで、後遺症のリスクは避けられるでしょう。インプラント治療を安全に受けるには、歯科医院を慎重に選ぶことが大切です。

インプラント治療を検討されている方は、横浜市緑区にある歯医者「礒部歯科医院」にお気軽にご相談ください。

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