床矯正とは?失敗することはある?費用と期間など基本をわかりやすく解説

床矯正とは?失敗することはある?費用と期間など基本をわかりやすく解説

こんにちは。横浜市緑区にある歯医者「礒部歯科医院」です。

女の子が床矯正器具を手に持っている画像

床矯正とはどのような治療なのか疑問に感じてはいませんか。床矯正は、小児矯正のひとつで、あごの成長を調整して適切な歯並び・噛み合わせに導く治療法です。床矯正にはメリットだけでなくデメリットや失敗例もあるため、事前に正しい知識を持つことが大切です。

そこで本記事では、床矯正の基本からメリット・デメリット、費用や期間の目安、さらには失敗例や注意点まで解説していきます。お子さんの矯正治療に床矯正を検討中の方は、ぜひ参考にしてみてください。

床矯正とは

床矯正の器具を持った子供の手の画像

床矯正とは、子どものあごの成長を利用して歯列を調整する治療方法です。

口腔内に装置を装着することであごの成長を誘導し、歯がきれいに並ぶためのスペースを作ります。装置にはネジが付いており、定期的に回転させることで歯を並べるスペースを確保します。そのため、抜歯せずに歯並びを整えられるケースが多いのです。

床矯正は、矯正治療のなかでも費用を抑えられる点や、装置を取り外して清掃できる点で人気があります。

ただし、適応年齢が限られていることや自己管理が必要な点は注意が必要です。抜歯矯正を避けたい方や、子どもの矯正を検討している方にとって魅力的な治療法だといえるでしょう。

床矯正のメリット・デメリット

床矯正のメリットとデメリットを示す文字

床矯正には、メリットだけでなく、デメリットも存在します。床矯正を検討する際はメリット・デメリットについても事前によく理解することが大切です。ここでは、床矯正のメリットとデメリットについて解説します。

床矯正のメリット

床矯正のメリットは、以下の5つです。

  • あごの成長を活用できる
  • 費用が安価
  • 取り外しが可能
  • 二期治療の負担を軽減できる場合がある
  • 抜歯を回避できる可能性が高い

それぞれ詳しく解説します。

あごの成長を活用できる

床矯正は、あごの骨が成長期の子どもに特化した治療法です。あごの骨の成長を促しながら、歯が並ぶスペースを作っていきます。6〜12歳の成長期に合わせて開始することで自然に歯列を広げられる点が大きなメリットといえるでしょう。

費用が安価

床矯正はワイヤー矯正やマウスピース矯正と比較すると、費用が安価なケースが多いです。また、二期治療であるワイヤー矯正やマウスピース矯正に移行した際も治療期間が短く済むケースが多く、費用を抑えることにもつながります。

取り外しが可能

床矯正で使用する装置は取り外しができます。食事や歯磨きの際は取り外せるため、固定式の装置に比べてお子さんへの負担が少ないとされています。装置の装着時間を守る必要はありますが、取り外しができるため、心理的な負担が少なく済むでしょう。

また、固定式の矯正装置の場合、装置の隙間に汚れが残りやすく虫歯リスクが高まります。

一方、床矯正で使用する装置は取り外し式で、普段どおりにブラッシングが可能なため、虫歯になるリスクも軽減されるでしょう。

二期治療の負担を軽減できる場合がある

床矯正をおこなうと将来的に本格的な矯正治療が必要になった際の負担を軽減できます。歯を並べるスペースを確保しておくことで、歯を移動させる範囲が少なくなるため、治療期間を短縮できる可能性があるでしょう。

床矯正で歯並びや噛み合わせが上手く整えば、追加の矯正治療を回避できることもあります。

抜歯を回避できる可能性が高い

歯並びを整えるための十分なスペースが確保できないと判断された場合は、抜歯してスペースを確保するケースがあります。床矯正で歯列を広げておけば、自然に歯が並ぶスペースが確保されるため抜歯を避けられることが期待できるでしょう。

健康な歯を抜くことに抵抗がある保護者の方にとって大きなメリットとなります。

床矯正のデメリット

床矯正のデメリットには、以下の4つが挙げられます。

  • 自己管理が必要
  • 成果が現れるまで時間がかかる
  • 対応できる症例が限られる
  • 紛失・破損のリスクがある

それぞれ詳しく解説します。

自己管理が必要

床矯正は、装置を決められた時間どおり装着することで効果を発揮します。そのため、歯科医師に指示された装着時間を守らないと、十分な効果が得られません。装着時間が短かったり誤った装着方法をしていたりすると、治療期間が長引いたり失敗したりする原因になります。

小さなお子さんの場合、装置を嫌がったり取り外したまま忘れたりするケースも少なくありません。装置の取り扱いになれるまでは、保護者の方の協力が必要になります。

効果が現れるまで時間がかかる

床矯正はあごの成長を利用するため、効果が現れるまでに時間がかかります。治療期間は一般的に1〜3年程度ですが、成長には個人差があるため長引く場合もあるでしょう。また、装置の使用状況によっても結果が変わるため、歯科医師の指示どおり使用することが大切です。

対応できる症例が限られる

床矯正は、すべての症例に対応できるわけではありません。あごの成長が完了した大人や重度の噛み合わせの異常がある場合は、十分な効果が期待できないことがあります。

床矯正で対応できない症例でも、ワイヤー矯正やマウスピース矯正など他の矯正方法で対応できるケースもあるため、歯科医師とよく相談することが大切です。

紛失・破損のリスクがある

床矯正で使用する装置は取り外しが可能なため、誤って紛失・破損するリスクがあります。小さなお子さんの場合、学校や外出先で装置を外してそのままなくしてしまうケースも少なくありません。装置の再作製には費用も期間もかかるため、負担が増える可能性があります。

床矯正の失敗例と原因

床矯正が失敗したことを示すバツを掲げて怒る女の子

床矯正は、すべてのケースで成功するわけではありません。ここでは、床矯正の失敗例とその主な原因について解説します。

床矯正の主な失敗例

床矯正の主な失敗例として、歯列が十分に広がらない・歯並びが改善されないなどといったことが挙げられます。床矯正の目的は、歯が並ぶためのスペースを確保することです。

しかし、装置の使用状況や成長のスピードによって、歯列が広がらないケースも少なくありません。

そのため、装置を装着しても予定通りに歯並びが整わない場合があります。場合によっては、本来予定していた期間内に矯正が完了せず、治療が長引いてしまうこともあるでしょう。

床矯正が失敗する主な原因

床矯正が失敗する原因として、装置の装着時間不足が挙げられます。床矯正は、毎日一定時間装置を装着することで効果が得られますが、装着時間が不足すると、矯正効果が十分に発揮されません。

また、床矯正装置は、歯科医師の指示どおりにネジを回して調整する必要があります。調整が適切におこなわれないと、治療がスムーズに進まず、効果が半減してしまいます。そのため、しっかりと自己管理をおこなうことが大切です。

また、床矯正は治療開始時期の影響を大きく受けます。成長期の子どもを対象とする治療法なので、成長が進んでいる時期に治療を開始する必要があります。治療開始時期が遅れてしまうと、期待した効果が得られないことがあります。

床矯正の費用と期間の目安

床矯正にかかる費用と期間を示す電卓とカレンダー

床矯正の費用は、使用する装置や治療の内容によって異なりますが、一般的な相場は 15万〜40万円ほどといわれています。

ただし、歯科医院によっては調整費や定期診察料が別途発生することがあるため注意が必要です。費用については治療開始前に確認しましょう。矯正治療は、保険適用外の自由診療が基本です。

しかし、あごの変形や特定の疾患を伴う場合には、保険が適用されるケースもあります。治療期間は、年齢や歯並びの状態、あごの成長具合によって異なりますが、一般的には 1〜3年が目安とされています。

矯正期間中は、装置の装着時間を守り、定期的に歯科医院で調整を受けることが治療をスムーズに進めるためには必要です。

床矯正で治療できる症例とできない症例

床矯正で治療できるかどうかをマルとバツを掲げて示す親子の画像

床矯正はすべての症例に有効というわけではありません。床矯正で治療できる症例とできない症例があります。ここでは、床矯正で治療できる症例とできない症例について詳しく解説します。

床矯正で治療できる症例

床矯正で治療できる症例は、軽度の不正咬合です。

床矯正の主な目的は、歯列を広げて歯が並ぶスペースを確保することです。そのため、あごの幅が小さく歯が並ぶ余裕がないケースでは大きな効果を発揮します。上下の歯がずれている軽度の不正咬合や、歯列の乱れが少ない場合は、床矯正で改善できることが多いです。

床矯正は、顎の成長を利用する治療法のため成長期の子どもが対象になります。一般的には6〜12歳の間が治療を受けられる時期とされています。成長期の子どもは、あごの骨が柔軟で装置による調整がしやすいため、十分な治療効果を得ることができるでしょう。

床矯正で治療できない症例

床矯正で治療できない症例は、以下のとおりです。

あごの成長が完了している

床矯正は、あごの成長を利用する治療法のため、成人や成長が終わったお子さんには効果が期待できない場合があります。このようなケースでは、ワイヤー矯正やマウスピース矯正での治療が必要になるでしょう。

重度の不正咬合

歯の乱れや噛み合わせが悪い原因が、あごの大きさや形状に大きな異常があることで生じている場合、床矯正だけでは対応できない可能性が高いです。骨格から大きく改善が必要な場合は、外科的矯正治療の対象となります。

まとめ

床矯正が上手くいって喜ぶ女の子の顔と、指をあてる母の手の画像

床矯正とは、あごの成長を利用して歯並びが整うように促す矯正治療法です。費用が安価で、抜歯を避けられる可能性が高いことから、成長期のお子さんの治療法として選択されています。

一方で、自己管理が必要であることや対応できる症例に限りがある点がデメリットとして挙げられるでしょう。床矯正のメリットだけでなくデメリットもしっかり理解し、信頼できる歯科医師に相談のうえ選択することが重要です。

床矯正での治療を検討中の方は歯科医院を受診してカウンセリングを受けてみてください。

床矯正を検討されている方は、横浜市緑区にある歯医者「礒部歯科医院」にお気軽にご相談ください。

当院は、虫歯・歯周病治療、インプラント、小児歯科、ホワイトニングなど、さまざまな診療に力を入れています。診療案内ページはこちらネット診療予約も受け付けておりますので、ぜひご活用ください。

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