こんにちは。横浜市緑区にある歯医者「礒部歯科医院」です。
失った歯を補う治療法として、インプラント治療を選択する方が増えています。インプラントは自由診療で、高額な費用がかかるためやり直しについて心配する方も少なくありません。
「インプラント治療がやり直しになることはある?」「インプラント治療のやり直しが必要になった場合、どれくらいの費用がかかる?」など、不安をおもちの方もいるでしょう。
今回は、インプラント治療がやり直しになるケースや費用について解説します。インプラント治療のやり直しを防ぐための対策についても解説しますので、インプラント治療を検討中の方は、ぜひ最後までお読みください。
インプラント治療がやり直しになるケース
厚生労働省の調査結果によると、インプラント治療を受けた方のうち90%以上の方が10〜15年もインプラントを使用できていることがわかっています。
しかし、なかには治療がやり直しになるケースもあるのです。では、どのような場合に治療がやり直しになるのでしょうか。
インプラント治療がやり直しになるケースは、以下のとおりです。
噛み合わせが悪化した
噛み合わせが悪化すると、インプラント治療がやり直しになることがあります。
インプラント治療後に噛み合わせが悪化すると、うまく噛めなくなることがあります。食べ物をうまく噛めないと、消化器官に負担がかかり、全身の健康にも悪影響を及ぼすのです。
また、噛み合わせが悪化すると、インプラントや顎に強い負担がかかることもあります。顎に負担がかかると、顎関節症を引き起こすこともあるでしょう。
人工歯が脱落・破損した
インプラントの人工歯が脱落・破損した場合も、インプラント治療がやり直しになります。
インプラントの人工歯が脱落・破損する原因は、以下のとおりです。
- 接着剤が劣化した
- 噛み合わせが強い
- 食いしばりや歯ぎしりの癖がある
- 外部から刺激が加わった
上記のような場合、インプラントの人工歯が脱落・破損することがあります。人工歯が脱落・破損すると、噛み合わせにも悪影響を及ぼすため、放置せずに歯科医院を受診しましょう。
インプラント周囲炎になった
インプラント周囲炎とは、インプラント周辺組織が炎症を起こす病気のことです。インプラントも天然歯と同様に炎症を起こすことがあります。インプラント周囲に磨き残しがあると細菌が繁殖し、歯茎が炎症を起こすのです。
放置すると、さらに症状が進行し、インプラントを支える骨が溶け、インプラントがグラグラし始めます。最悪の場合には、インプラントが抜け落ちることもあるのです。インプラント周囲炎を予防するために、しっかりと口腔ケアを行いましょう。
金属アレルギーを発症した
インプラントが原因で金属アレルギーを発症した場合、埋め込んだインプラントを除去するケースがあります。インプラント体にはチタンという比較的アレルギー症状が出にくい金属が使用されていますが、なかには金属アレルギーを引き起こす方もいるのです。
インプラント手術当初は問題がなかった方でも、突然金属アレルギーを引き起こすことがあります。インプラントが原因で金属アレルギーを引き起こした場合は、身体の影響を考え、インプラントを除去する必要があるのです。
インプラント体と骨が結合しない
インプラント手術後、インプラント体と骨が結合するまで2〜6か月程度かかります。インプラント体と骨が結合することによって、人工歯を支えることができるのです。
しかし、インプラント体と骨が結合しないと、いつまでもグラグラし、人工歯を支えられません。インプラント体と骨が結合しない場合に考えられる原因は、以下のとおりです。
- インプラント手術中にドリルの熱が顎の骨にダメージを与えた
- 必要な骨造成をせずにインプラント手術に踏み切った
- 細菌感染した
上記のようなトラブルが原因で、インプラント体と骨が結合しない可能性があります。結果として、インプラント治療がやり直しになることがあるのです。
腫れや痛みが続く
インプラント手術では骨にダメージを与えるため、手術後しばらくは痛みが出ることや腫れることがあります。痛みや腫れのピークは手術後2〜3日で、少しずつ治まるでしょう。インプラント手術後は、痛み止めや抗生物質が処方されます。
しかし、痛み止めを服用しても痛みが続く場合は、何らかの問題が起こっている可能性が高いです。例えば、神経や血管が破損していることや、傷口が細菌感染していることが考えられます。また、隣接する歯の神経にインプラント体が接しているケースも否定できません。
異常な痛みを感じたら、我慢せずに歯科医師に相談しましょう。
インプラント治療のやり直しの費用
インプラント治療のやり直しにはどれくらいの費用がかかるのか気になる方もいるでしょう。
インプラント治療は、自由診療です。そのため、インプラント治療のやり直しの費用は、歯科医院によって異なります。また、インプラント治療がやり直しになる理由や、手術から経過している年数によっても費用は異なるでしょう。
インプラント治療のやり直しにかかる費用の目安は、以下のとおりです。
<インプラント治療のやり直しにかかる費用の目安>
インプラント除去手術 | ・保険が適用される場合:1,400円程度 ・自費診療の場合:歯科医院によって異なる |
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骨造成 | 15,000〜300,000円程度 (手術の内容と状態によって異なります) |
インプラント再治療 | 1本あたり350,000〜400,000円程度 |
インプラント治療がやり直しになる理由によって費用は異なるため、詳しくは歯科医師に確認しましょう。
また、インプラントのメーカーによっては保証がついているものもあります。保証が適用されれば、やり直しの費用を抑えることができるでしょう。
例えば、手術後すぐにやり直しが必要になった場合は、無償でやり直しの治療を受けられる可能性があります。インプラント治療後、数年経った場合でも、条件を満たせば安い費用で治療を受けられることもあるのです。
インプラントの保証を受けるための条件は、以下のとおりです。
- 保証期間内である
- 定期的にメンテナンスを受けている
- 喫煙をしていない
- 故意または重大な過失による破損ではない
インプラント治療後、定期的にメンテナンスを受けていない場合、保証が適用されません。また喫煙をしている場合も保証が適用されないため、禁煙したほうがよいでしょう。
インプラント治療のやり直しを防ぐ方法
インプラントのやり直しはできるだけ避けたいでしょう。インプラント治療のやり直しを防ぐためには、どのようなことに気をつければよいのでしょうか。
以下に詳しく解説します。
信頼できる歯科医院で治療を受ける
インプラント治療のやり直しを防ぐためには、インプラント治療の経験が豊富で信頼できる歯科医師のもとで治療を受けることです。経験が豊富な歯科医師であれば、手術時に思いがけないトラブルが起こった場合でも適切な処置を施してくれるでしょう。
また、インプラント治療の費用があまりにも安い歯科医院は、保証が適用されないメーカーのインプラントを取り扱っている場合があります。安さに飛び付かず、治療内容や費用設定、保証システムを確認したうえで歯科医院を選びましょう。
しっかりとセルフケアを行う
インプラント治療後は、セルフケアをしっかりと行いましょう。セルフケアを怠ると、インプラント周囲炎になるリスクが高まるためです。
インプラントは天然歯と同じように口腔ケアができます。歯ブラシだけでなく、デンタルフロスや歯間ブラシなどの補助清掃用具も使用して、歯と歯の間の汚れまでしっかり除去しましょう。
定期的にメンテナンスに通う
インプラント治療後は定期的にメンテナンスに通いましょう。メンテナンスでは、噛み合わせや歯茎、インプラントの状態を確認します。
インプラントや口内に異常が起きていた場合でも、定期的にメンテナンスに通っていれば、早い段階で処置でき、長くよい状態を保てるのです。
また、インプラントの保証を受けるためには、定期的にメンテナンスに通っていることが条件です。インプラント治療がやり直しになった場合に保証が適用されるよう、定期的にメンテナンスに通いましょう。
禁煙する
喫煙をすると、インプラント周囲炎になりやすいです。上述のとおり、インプラント周囲炎になると治療がやり直しになる可能性があります。インプラント周囲炎による治療のやり直しを防ぐためにも、禁煙しましょう。
喫煙によって歯茎に栄養が行き渡らなくなると、歯茎が痩せることもあります。免疫力が落ち、治癒能力も低下するため、インプラント体と骨が結合しにくくなることもあるでしょう。
また、インプラント治療のやり直しが必要になっても、喫煙をしていると保証が適用されません。口腔内の健康だけでなく、身体全体の健康にも悪影響を及ぼすため、禁煙しましょう。
まとめ
今回は、インプラント治療がやり直しになるケースや、やり直しを防ぐための対策について解説しました。インプラント治療の成功率は高いです。
しかし、なかにはインプラント治療がやり直しになる場合があり、やり直しが必要になると費用もかかります。インプラント治療のやり直しを防ぐためには、経験豊富な歯科医師のもとで治療を受けることが重要です。また、しっかりと口腔ケアを行い、定期的にメンテナンスに通うことで治療のやり直しを防げるでしょう。
インプラント治療を検討されている方は、横浜市緑区にある歯医者「礒部歯科医院」にお気軽にご相談ください。