こんにちは。横浜市緑区にある歯医者「礒部歯科医院」です。
インプラントは、失った歯を補う治療法のひとつです。しっかりと噛める安定感のある歯が手に入ることから、近年、治療を希望する方が増加しています。
しかし、インプラントに不具合を感じている方もいます。具体的には、インプラントがぐらつく、脱落するなどが挙げられるでしょう。
今回は、インプラントがぐらつく原因や対処法などについて解説します。インプラントのぐらつきを放置してはいけない理由や、ぐらつくときの注意点・対処法、予防法もご紹介しますので、ぜひ最後までご覧ください。
インプラントがぐらつく4つの原因
インプラントがぐらつく4つの原因について解説します。
人工歯の接着力が弱まっている
人工歯を接着剤で固定させるインプラントの場合、接着剤が流れ出ることで接着力が弱まり、インプラントがぐらつくケースがあります。インプラント本体に問題がなく、人工歯の接着力にのみ問題がある場合は、再度接着剤をつけて人工歯を装着して対処することが多いです。
短時間で終了し、治療費もあまりかかりません。
アバットメントが緩んでいる
アバットメントとは、歯茎の中に埋め込んだインプラント体の上に取り付けられる部品のことです。アバットメントのネジが緩むと、インプラントがぐらつくのです。
食いしばりなどが原因で、繰り返し強い力が加わるとネジが緩む可能性があります。
骨との結合がうまくできていない
通常、インプラントを骨に埋め込んだあと、ゆっくりと時間をかけて骨と結合します。
しかし、骨と結合している最中にインプラント周囲に炎症が生じると、骨との結合が妨げられる可能性があるでしょう。うまく骨と結合できなかった場合、インプラントがぐらつくことがあります。
歯科医師の技術やインプラントの材質、患者さまの骨の質などが影響し、骨との結合がしっかりと行われないケースがあります。骨との結合が不十分な状態では、インプラントがぐらつく可能性が高いです。
インプラント周囲炎を発症している
インプラントは人工物なので、虫歯になることはありません。そのため、セルフケアを怠る方もいるでしょう。
しかし、セルフケアや歯科医院でのメンテナンスを怠ると、インプラント周囲に炎症が起こる可能性があります。インプラント周囲の炎症の進行度は、大きく2段階にわけられます。
1段階目が、インプラント周囲粘膜炎といわれる状態です。インプラント周囲粘膜炎とは、天然歯における歯肉炎のことです。炎症は歯茎のみに限定されており、骨には及んでいません。
2段階目のインプラント周囲炎は、インプラントのぐらつきにつながります。インプラント周囲炎は、炎症がインプラントを支える骨にまで広がった状態です。
症状の進行を放置するとさらに深刻な状態になるため、早めに対処する必要があります。
インプラントがぐらつく状態で放置してはいけない理由
「インプラントがぐらつくけど、少しなら問題ないのでは?」と感じる方もいるでしょう。
しかし、ぐらつくインプラントを放置してはいけません。症状がさらに悪化する可能性があるからです。
周りの歯や組織に悪影響を及ぼし、口内環境が悪化する可能性もあるため、早めに対処しましょう。
また、インプラントがぐらつく原因がインプラント周囲炎だった場合、放置するとインプラントが抜け落ちる可能性があります。インプラントを長く使い続けるためには、なるべく早めに治療したほうがよいといえます。
インプラントがぐらつくときの注意点
インプラントがぐらつくときの注意点は、以下のとおりです。
ご自身で改善しようとしない
インプラントがぐらつくことが気になって早く改善したいと考え、直接手で触ろうとする方もいるでしょう。
しかし、医療の知識がない一般の方では、インプラントがぐらつく原因を特定することができません。原因がわからない状態でインプラントに触れば、症状が悪化する可能性があります。
そのため、決してご自身では直さないでください。
外れた部品を捨てない
人工歯が外れた場合、ご自身で接着しようとする方もいるでしょう。医療の知識がない状態で人工歯を接着することは、非常に危険です。人工歯を誤って飲み込む可能性もあるため、必ず歯科医院で対処してもらいましょう。
「外れた人工歯は捨ててもいい?」と思う方がいるかもしれませんが、捨てずに保管してください。外れた人工歯を装着するだけで問題が解決するケースも多いです。
インプラントがぐらつくときの対処法
インプラントがぐらつくときの対処法をご紹介します。
人工歯を再接着する
人工歯の接着力が弱まってぐらつく場合、人工歯を再接着することで問題は解決します。専用の接着剤を使用して人工歯を接着するだけなので、治療費もさほどかかりません。
ネジを締め直す
インプラントの種類にもよりますが、人工歯をネジで留めている場合は、ネジが緩んでぐらつくケースがあります。ネジを締め直せばぐらつきは改善されるでしょう。
非常に簡単な処置で、治療費の負担も少ないです。
人工歯を外して炎症を抑える
インプラント周囲炎が原因の場合、人工歯を外して炎症が落ち着くのを待つことがあります。特に、インプラント周囲炎の初期段階であれば、人工歯を外してインプラント周囲を清掃・消毒することで炎症が治まるケースが多いです。
インプラント周囲炎を放置すると症状が進行し、インプラントが抜け落ちる可能性もあるため適切に対処しましょう。
インプラントを除去する
インプラント周囲が細菌に感染したことで、顎の骨が溶かされている場合もあります。インプラントを維持することは難しいので、インプラントを除去する必要があるでしょう。
インプラントのぐらつきを予防する方法
インプラントがぐらつく原因は数多くありますが、口腔内の衛生状態が悪くなって細菌に感染したことや、インプラント周囲炎によってインプラントを支えている骨が溶けたことが原因のケースが多いです。
そのため、インプラントのぐらつきを予防するために重要なことは、セルフケアといえます。毎日のブラッシングやフロスによるケアをしっかりと行い、口腔内の衛生状態を良好にしましょう。
特に、夜の歯磨きを怠ると口腔環境が急速に悪化する可能性があります。就寝前のブラッシングはしっかり行ってください。
また、定期的に歯科医院を受診し、歯垢や歯石を徹底的に除去してもらうことも大切です。
インプラント治療を受ける歯科医院を慎重に選択することも重要でしょう。あまり多くはありませんが、歯科医師の診断が適切ではないことが原因でインプラントがぐらつくケースもあります。インプラント治療を受ける際は、技術の確かな歯科医師のいる歯科医院を選ぶことが大切です。
まとめ
今回は、インプラントがぐらつく原因や、ぐらつくときの注意点・対処法、インプラントのぐらつきを予防する方法について解説しました。
インプラントがぐらつく原因は数多くあるため、医療の知識がない一般の方ではぐらつく原因を特定できません。原因がわからない状態でご自身で直そうとすることは大変危険なので、決して触ろうとせず早期に歯科医院を受診しましょう。
歯科医院を受診すれば、歯科医師が原因を特定して必要な処置をしてくれます。
また、インプラントがぐらつく主な原因は細菌感染であるため、日頃からセルフケアを徹底し、口腔内の衛生状態を悪化させないよう努めましょう。
インプラント治療を検討されている方は、横浜市緑区にある歯医者「礒部歯科医院」にお気軽にご相談ください。